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世帯年収610万の40代夫婦→「奨学金を使えば何とかなる」長男を私大に進学させるが…学校からの書類で判明した“思わぬ事実”

  • 2026.6.1
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは、マネーシップス代表 IFAの石坂です。

子どもの進学費用を考えるとき、「奨学金を使えば何とかなる」と考える家庭は少なくありません。

ただし、給付奨学金の対象になるかどうかは、親の年収だけで単純に決まるわけではありません。日本学生支援機構の給付奨学金では、本人と生計維持者の住民税情報をもとに、支給額算定基準額で収入基準が判定されます。支給額算定基準額は、住民税情報に含まれる課税標準額、市町村民税調整控除額、市町村民税調整額などをもとに計算されます。

そのため、年収だけを見て「対象になるはず」と判断するのは注意が必要です。今回は、子どもの奨学金を見込んでいた40代会社員の事例から、住民税所得割と教育費準備の関係を見ていきます。

「年収だけ見て安心」は危ない?奨学金審査の落とし穴

40代の会社員Aさんは、妻と高校3年生の長男、中学生の次女の4人家族です。

Aさんの年収は約520万円、妻はパートで年収約90万円でした。

長男は私立大学への進学を希望しており、入学金や授業料などの初年度納付金は約130万円を見込んでいました。通学費、教材費、パソコン購入費なども含めると、1年目だけで150万円を超える可能性があります。

Aさんは「年収が特別高いわけではないし、子どもも2人いるから、給付奨学金の対象になるのでは」と考えていたそうです。そこで、入学金の一部は貯金から出し、授業料の一部は奨学金を前提に計画していました。

ところが、学校から配られた資料を確認すると、給付奨学金の収入基準には、市町村民税所得割などをもとにした判定が関係することが分かりました。日本学生支援機構の給付奨学金では、第1区分について、本人と生計維持者の市町村民税所得割が非課税であることが基準とされています。具体的には、生計維持者の支給額算定基準額の合計が100円未満であることとされています。

Aさんは、前年の住民税決定通知書を確認しました。すると、市町村民税所得割が課税されており、想定していた支援区分には届かない可能性があることに気づいたそうです。

「年収だけを見て判断していたけれど、実際には住民税情報が大きく関係するのか」と、Aさんはそこで初めて制度の見方を変えることになりました。

見落としやすいのは「年収」ではなく住民税情報

この事例の注意点は、奨学金の審査を「親の年収」だけで考えていた点です。もちろん年収は大切な目安です。

しかし、給付奨学金の判定では、本人と生計維持者の住民税情報をもとにした支給額算定基準額が使われます。第2区分は、生計維持者の支給額算定基準額の合計が100円以上25,600円未満です。第3区分は、25,600円以上51,300円未満であることが基準とされています。第4区分や多子世帯に関する扱いは、支給額算定基準額だけでなく、世帯状況や私立理工農系などの進学先の条件によって変わる場合があります。

対象になるかどうかは、最新の案内で個別に確認することが大切です。

また、2025年度以降は多子世帯支援が拡充され、多子世帯に属する学生等は、一定の要件を満たせば、所得制限なく授業料等減免を受けられる場合があります。

※ただし、給付奨学金の支給まで受けられるかは、支援区分、資産要件、学業要件などによって変わります。多子世帯として授業料等減免の対象になっても、給付奨学金が支給されない場合もあります。授業料等減免と給付奨学金は扱いが異なる場合があるため、最新の案内で確認が必要です。

そのため、「年収500万円だから対象外」「年収400万円だから対象内」と単純に判断するのは危険です。同じ年収でも、扶養している家族の人数、所得控除、社会保険料控除などによって、住民税の計算結果は変わります。

給付奨学金では、源泉徴収票など手元の書類だけでは確認しにくい課税標準額、市町村民税調整控除額、市町村民税調整額などを用いて、家計基準が判定されます。

つまり、給与の額面だけを見て判断するのではなく、住民税情報まで確認する必要があります。

予約採用では、提出されたマイナンバーにより、所定の年の収入に基づく住民税情報で判定されます。どの年の所得や住民税情報が使われるかは、申込時期や採用区分によって異なるため、最新の案内で確認することが大切です。

Aさんのように、奨学金を前提に入学金や授業料の計画を立てている場合、想定より支援額が少ないと、入学直前に資金計画が崩れることがあります。給付奨学金は返済不要という大きなメリットがあります。

一方で、必ず受けられる制度ではないため、早い段階で確認しておくことが大切です。

FP視点で見る「奨学金前提」の教育費計画

教育費準備で大切なのは、「奨学金が使えるかもしれない」ではなく、「使えなかった場合にどうするか」まで考えることです。大学進学では、入学金、授業料、教材費、通学費、ひとり暮らしの初期費用などが重なります。特に初年度は、まとまった支出が短期間に発生しやすい時期です。給付奨学金を見込む家庭は、まず住民税決定通知書を確認しましょう。

確認したいのは、市町村民税の所得割額だけでなく、住民税情報をもとに判定される支給額算定基準額です。支給額算定基準額は、住民税情報に含まれる課税標準額、市町村民税調整控除額、市町村民税調整額なども関係して計算されます。そのため、通知書を見ても判断しにくい場合は、日本学生支援機構の進学資金シミュレーターや、学校の奨学金窓口を活用する方法があります。

会社員であれば、住民税決定通知書は毎年5月から6月ごろに勤務先を通じて受け取ることが多いです。自営業者などは、自治体から納税通知書が届きます。

ただし、シミュレーターの結果はあくまで試算です。実際の審査結果と異なる場合もあるため、「試算で対象になりそうだったから大丈夫」と考えすぎないことも大切です。

教育費の計画では、貯金額だけでなく、住民税所得割や支援区分も早めに確認しておく必要があります。奨学金を前提にしすぎず、貯蓄、家計の見直し、貸与型奨学金、教育ローンなども含めて、複数の選択肢を持っておくと安心です。


※記事内の事例や試算はあくまで一例です。実際の申請にあたっては、必ず日本学生支援機構(JASSO)の公式サイト、進学資金シミュレーター、または在学中・進学先の学校の奨学金窓口で最新の情報をご確認ください。

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