1. トップ
  2. ビジネス・マネー
  3. 「金利が低いから」“4,000万の住宅ローン”を変動金利で契約→5年後、30代夫婦を襲った”想定外の事態”【元銀行員は見た】

「金利が低いから」“4,000万の住宅ローン”を変動金利で契約→5年後、30代夫婦を襲った”想定外の事態”【元銀行員は見た】

  • 2026.6.1
undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

みなさま、こんにちは。元銀行員の金融ライター・池田です。

マイホーム購入時は変動金利と固定金利のどちらを選ぶべきか頭を悩ませる人も多いですが、「金利が低いから」という理由のみで変動金利を選択するのは危険です。

今回は、変動金利を選択したことで、5年後に年間約7万4,000円もの負担増となった30代夫婦の事例を紹介します。

“変動金利約0.5%”で4,000万円の住宅ローンを契約した30代の夫婦

子どもが生まれたことをきっかけに、マイホーム購入を決断した30代の男性・Aさん(仮名)。

当時の変動金利は約0.5%でした。

Aさんは金利の低さに魅力を感じ、奥さまとも相談して変動金利のプランを選択することに。

毎月の返済と貯蓄を両立させられるよう、頭金を500万円支払って4,000万円のローンを35年でご契約されました。

5年後、返済額が年間約7万4,000円増加

Aさんが住宅ローンを契約後、市場金利は年々上昇傾向となりました。

そして住宅ローンの契約から5年間が経過し、金利は当初より約0.4%上昇。

6年目以降の毎月の返済額は約6,200円の増加となり、年間では約7万4,000円もの負担増につながりました。

住宅ローン契約当初は2歳前だったお子さんも小学生になっており、習い事が増えて教育費がかかることを実感していたAさん。

今後も金利の上昇が続けば、さらに返済額が増える可能性もあります。

将来の学費や老後資金のための貯蓄を減らすことだけは避けたいと考えた結果、Aさん夫婦は毎月の食費やレジャー費を削る選択をしました。

住宅ローンの「5年ルール」「125%ルール」とは

多くの金融機関の変動金利・元利均等返済プランでは、金利が上昇しても毎月の返済額が急変しないよう調整するため、以下の2つの仕組みが採用されています。

  • 5年ルール:金利上昇時も5年間は毎月の返済額が変わらない仕組み
  • 125%ルール:6年目以降の返済額はこれまでの125%までしか増額できない仕組み

一般的に住宅ローン金利は年2回見直しが行われますが、Aさんが金利上昇の影響を実感したのは住宅ローンの契約から6年目でした。

これは、「5年ルール」により毎月の返済額が変わらないよう調整されていたためです。

「5年ルール」や「125%ルール」は契約時の安心材料になりますが、一方で押さえておきたい注意点もあります。

住宅ローンの金利が上がると、その分支払利息も増加します。

「5年ルール」や「125%ルール」により返済額自体は変化なしまたは微増であるように見えても、実際には返済額のうち利息が占める割合が大きくなっているケースも。

その場合は元金の返済が進まない・未払利息が発生するなどの状態に陥り、それまで繰り延べられていた元金や未払利息を最終期日に一括返済するよう求められる可能性もあるのです。

変動金利の契約時は金利の上昇を前提に

変動金利は初期金利が低い点が大きなメリットであるため、将来的に繰り上げ返済を検討している人や、返済期間が短い人などに向いています。

ただし、金利の変動により返済負担が大きくなる可能性も想定したうえで契約することが重要です。

契約の際はライフプランや貯蓄計画なども考慮しながら、「金利が上昇しても家計を圧迫しないかどうか」という視点も忘れずに取り入れましょう。


監修・執筆:元銀行員・ikebu
元銀行員・行政書士資格保有の金融・法律ライター。一種外務員資格(証券外務員一種)、行政書士資格を保有。大学では法学部・法律学科に在籍し、卒業後は地方銀行に入行。個人リテール業務において、投資信託・生命保険商品の販売を中心とする資産運用のサポートのほか、住宅ローンや相続などの幅広い業務に携わる。法人営業では、事業性融資や法人向けの運用商品販売を担当。現在は金融・法律ジャンルを中心にライターとして活動。銀行員時代の経験や保有資格を活かし、専門的な内容を分かりやすく丁寧に解説することを得意とする。

の記事をもっとみる