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不動産会社「そのまま住み続けられる」築25年マンションを2,000万円で売却→2年後、60代女性に届いた“1通の通知”に絶句

  • 2026.3.16
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。FPとして家計相談や金融記事の制作などを行っている柴田です。

今回は、68歳女性・Bさん(仮名)の実体験をご紹介。Bさんは、築25年のマンションを持つ元パート従業員。

夫に先立たれ、まとまった老後資金が必要になったタイミングで、ポストに入っていたチラシが目に留まりました。「家を売っても、そのまま住み続けられます」という一文に関心を持ったそうです。

「住み慣れた家を手放さなくていい」という甘い言葉

リースバックとは、自宅を不動産会社などに売却し、その買主から賃貸として借り直す仕組みです。売却によってまとまった資金を手にしながら、同じ家に住み続けられる点が特徴です。

なお、多くのリースバック業者や不動産会社は、こんなセリフで近づいてきます。

  • 「自宅を売ってまとまった資金を手に入れながら、そのまま住み続けられます」
  • 「将来、買い戻すことも可能です」
  • 「固定資産税や維持費の負担がなくなります」
  • 「資金の使い道は自由です」

これを聞いて、「売ってもそのまま住めるなら、実質リスクゼロ!」 「老後資金を一気に確保できて、家賃を払えば住み続けられるのはうれしい」と感じるかもしれません。

しかし、リースバックには多くの罠が潜んでいます。

「安心」が「絶望」に変わるまで

Bさんは契約後、売却金2,000万円を手にして安堵しました。

しかし2年後、業者から家賃値上げの通知が届きます。さらに契約書を見直すと、そこには「定期借家契約・2年」の記載がありました。

まず見落としがちなのが、売却価格が市場価格より大幅に安くなるという現実です。リースバックの売却価格は市場価格の6〜8割程度が相場で、本来5,000万円の価値がある家でも、3,000万円台の評価しかつかないケースがあります。「まとまった資金が入った」という感覚の裏で、すでに大きな損失が生じていたのです。

次に深刻なのが、毎月の家賃負担と退去リスクです。リースバック後は毎月の家賃支払いが発生するうえ、周辺相場より割高に設定されるケースが多く、数年で生活を圧迫します。さらに家賃を滞納すれば退去を求められるリスクもあります。賃貸契約には「普通借家」と「定期借家」の2種類がありますが、リースバック契約には定期借家が採用されているケースが少なくありません。契約期間が満了すれば更新なく退去を求められ、新しいオーナーに転売されて住み続けられなくなるケースも少なくありません。

Bさんも2年後に更新拒否を通告されました。そして忘れてはならないのが、所有権を失うことの長期的な影響です。売却した時点で自宅は他人の資産になるため、子どもへの相続財産として残すことができなくなります。また、将来的に不動産価値が上昇しても、その恩恵を受けることは一切できません。「住み続けられる」という点だけに目が向きがちですが、所有権の移転が持つ意味は想像以上に大きいのです。

契約前に必ず確認すべきチェックポイント

リースバックを利用する際には、以下の3点を必ず確認してください。

1.賃貸契約は「普通借家」か「定期借家」か

定期借家の場合、契約満了時に退去を求められるリスクがあります。「更新できますか?」と口頭で確認するだけでなく、契約書の文言を必ず自分の目で確かめてください。

2.売却価格は近隣の相場と比べてどうか

業者の提示額をそのまま受け入れず、不動産一括査定サービスなどで市場価格を事前に調べましょう。大幅に下回るようであれば、他の選択肢を検討する価値があります。

3.家賃の設定根拠と、将来の値上げ条件はどうなっているか

値上げの条件が契約書に明記されているか必ず確認してください。「今日中に決めないと条件が変わる」と急かす業者には、特に注意が必要です。これらは必ず書面で確認し、納得できるまで契約を急がないことが大切です。

まとめ

リースバックは使い方によっては有効な選択肢ですが、「住み続けられる安心感」は契約の中身によって大きく揺らぎます。

Bさんのように「まさかこんな条件だとは思わなかった」とならないために、契約書は隅々まで読み、利害関係のないファイナンシャルプランナーや弁護士への相談を強くおすすめします。焦って契約すると、老後の住まいを奪うことになりかねません。  


監修者:柴田 充輝

厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1200記事以上の執筆実績あり。保有資格は1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)、社会保険労務士、行政書士、宅地建物取引主任士など。