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『なぜか毎月お金が残らない人』は無意識にやっていた。知らずに家計を圧迫する「3つの支出」とは?【お金のプロが解説】

  • 2026.3.17
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「平均よりずっと多く稼いでいるはずなのに、なぜか毎月お金が残らない……」

同年代より高収入を得ているエリート会社員の中には、そんな人知れぬ悩みを抱えている方が少なくありません。

日々の激務をこなす中で、ついつい自分へのご褒美や便利なサービスにお金を使ってしまう「買い癖」。実はこれ、個人の性格のせいではなく、高収入ならではの環境や心理状態が引き起こしているケースが多いのです。

なぜ稼いでいるのに貯まらないのか?そして、その悪循環から抜け出して着実に資産を築くにはどうすればいいのか?

今回は、高収入層が陥りやすい支出の罠と、今日からできる「お金が残る仕組みづくり」について、金融機関勤務の現役マネージャーである中川佳人さんに詳しく解説していただきました。

なぜ高収入なのに貯まらない?エリートが陥る「買い癖」の背景

---高収入であれば自然とお金が貯まりそうなイメージがありますが、なぜ貯金ができない「買い癖」がついてしまうのでしょうか?

中川 佳人さん:

「高収入でありながら貯金ができないエリート会社員の買い癖の背景には、『収入の高さが安心感を生み、支出管理が後回しになりやすい環境』が関係しているケースが多く見られます。仕事で高い成果を求められる方ほど、日々の業務で強いプレッシャーや責任を抱えています。そのストレスを解消するために、食事や買い物、趣味などにお金を使うことが習慣化しやすくなるのです。

また、職場環境も影響します。管理職や専門職など、周囲が同じように高収入の環境では、外食の頻度が高かったり、身だしなみや持ち物にも一定水準のものを求める傾向があります。結果として、無意識のうちに支出水準が上がりやすくなります。

さらに、高収入の方ほど「自分はまだ余裕がある」という感覚を持ちやすく、家計管理を細かく行わない傾向もあります。忙しさも重なり、家計簿をつけたり支出を振り返る時間を取らないまま、収入と同じペースで支出も増えていくのです。

もちろんすべての高収入の方がこうした状態になるわけではありませんが、収入が高いほど家計管理がうまくいくわけではないという点には注意が必要です。収入の高さと資産形成の成功は必ずしも比例しないため、忙しい方ほど意識的にお金の流れを確認する習慣を持つことが大切になります。」

資産形成の足かせに?注意すべき「3つの支出」とは

---収入が多いと多少の出費は気にならないかもしれませんが、具体的にどのような支出が家計を圧迫しているのでしょうか?

中川 佳人さん:

「高収入な会社員が陥りがちな買い癖は、家計にじわじわと負担を与え、気づかないうちに資産形成のスピードを遅らせてしまう可能性があります。特に多く見られるのが、『自分へのご褒美』『見栄による支出』『忙しさによる便利消費』の3つです。

まず一つ目は、自分へのご褒美です。仕事を頑張ったご褒美として高級レストランやブランド品を購入すること自体は悪いことではありません。ただし、その頻度が増えると毎月の支出が膨らみ、貯蓄に回るお金が減ってしまいます。

二つ目は、周囲の目を意識した見栄の支出です。高級車や高価な腕時計、ハイブランドの服など、社会的な立場を意識して購入するケースも少なくありません。こうした支出は一度始めると生活水準が上がり、後から下げにくいという特徴があります。

三つ目は、忙しさによる便利消費です。タクシーの利用、外食やデリバリーの頻度増加、家事代行サービスなど、時間を買う支出が増えることで、家計の固定費が想像以上に膨らむことがあります。

これらの支出はそれぞれ単体では問題にならない場合もあります。しかし、複数が重なると家計の負担が大きくなり、収入が高くてもお金が残りにくくなります。高収入の方ほど支出の影響に気づきにくいため、定期的に生活水準を見直す視点を持つことが重要です。」

意志に頼らない!自然とお金が残る「仕組み」の作り方

---忙しいエリート会社員が「買い癖」から抜け出し、着実に資産を築いていくためには、どのような対策が有効ですか?

中川 佳人さん:

「高収入なのにお金が貯まらない状態から抜け出すためには、『意志で我慢する』よりも『自然にお金が残る仕組みを作ること』が効果的です。忙しいビジネスパーソンほど、シンプルで続けやすい方法を取り入れることがポイントになります。

まず取り組みやすいのが、先取り貯蓄の仕組みを作ることです。給与が振り込まれたタイミングで、一定額を自動的に貯蓄口座や資産運用口座へ移すように設定します。手取りの2割程度を目安にすると、生活に大きな負担をかけずに貯蓄を積み上げやすくなります。

次に有効なのが、支出の見える化です。クレジットカードやQR決済を家計簿アプリと連携させることで、日々の支出が自動で記録されます。忙しい方でも手間をかけずに家計の流れを把握できるようになります。

さらに、高額な買い物をするときは『24時間ルール』を取り入れるのもおすすめです。すぐに購入せず、一日考える時間を置くだけでも衝動的な支出を減らすことができます。

買い癖は性格の問題ではなく、環境や習慣によって生まれることが多いものです。少し仕組みを変えるだけでも、お金の流れは大きく変わります。無理に節約を続けるのではなく、自分の生活スタイルに合った家計管理の方法を見つけることが、長く資産形成を続けるコツと言えるでしょう。」

「稼ぐ力」を「貯める力」に変える仕組みづくり

高収入を得るために日々プレッシャーと闘うエリート会社員だからこそ陥りやすい「買い癖」の罠。しかし、その背景にある心理や環境の影響に気づくことが、改善への第一歩となります。

取材を通じて見えてきた大切なポイントは、「無駄遣いを我慢する」という意志の力に頼るのではなく、「先取り貯蓄」や「家計簿アプリの連携」といった仕組みを日常に取り入れること。一度設定してしまえば、忙しい毎日の中でも自然と資産は積み上がっていくはずです。

「自分は稼いでいるから大丈夫」という安心感を少しだけ手放し、ご自身の生活スタイルに合った無理のない家計管理を、今日から始めてみてはいかがでしょうか。


監修者:中川 佳人(なかがわ よしと)(@YoshitoFinance)

金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。 20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。 専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。