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70代後半の両親「介護はもう少し先」のはずが…父親が救急搬送され?→その後、50代息子を待ち受けていた“過酷すぎる現実”

  • 2026.3.22
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関勤務の現役マネージャーとして、日々さまざまなお金のご相談に向き合っている中川です。

「親はまだ元気だから、介護はもう少し先の話」

そう考えている方は少なくありません。しかし、介護はある日突然始まります。私は、準備がないまま介護と向き合うことになり、金銭的な負担に悩む家庭を多く見てきました。

今回は、父親の体調悪化をきっかけに、突然始まった介護に直面した50代会社員男性の事例をご紹介します。

「介護はまだ先」と思っていた50代会社員

今回ご紹介するのは、50代前半の会社員であるAさん(仮名)です。

妻と高校生の子ども1人の3人家族。住宅ローンもまだ残っており、教育費もかかる時期でした。

Aさんの両親は地方で2人暮らしをしていました。年齢は70代後半。多少の持病はあるものの、日常生活に大きな支障はなく、「介護はまだ先だろう」と考えており、介護費用について家族で話し合ったことはありませんでした。

ところがある日、状況は突然変わります。

父親が自宅で倒れ、救急搬送されたのです。

入院後に迫られた「施設入所」

幸い命に別状はありませんでした。しかし、入院後の検査で体力の低下が進んでいることが分かります。医師からは、退院後も自宅での生活は難しい可能性があると説明されました。

そこで検討することになったのが、介護施設への入所です。

Aさんは、いくつかの施設を見学しました。設備も整っており、スタッフの対応も丁寧。安心して任せられると感じたといいます。

しかし、そのとき提示された費用を見て言葉を失いました。

毎月かかる費用は、およそ18万円だったのです。

年金だけでは足りない施設費用

父親の年金は、月およそ14万円ほどでした。

施設費用は18万円。つまり、毎月4万円ほど不足する計算になります。

さらに、父親の小遣いや医療費、衣類代などを考えると、実際には月5万円ほどの不足になる可能性がありました。

不足分は家族が負担することになります。

Aさんは最初、「少し足りない程度なら何とかなるだろう」と考えました。しかし年間で考えると、その金額は大きくなります。

月5万円の不足は、年間で約60万円です。

住宅ローンと教育費を抱えるAさんにとって、決して軽い金額ではありませんでした。

介護は「ある日突然」始まる

Aさんが強く感じたのは、「介護は準備する時間をくれない」という現実でした。

親が元気なうちは、介護を現実の問題として考える機会は多くありません。しかし、体調の変化は突然訪れます。

入院から退院までの短い期間で、施設探しや費用の検討を進めなければならないケースも多く、Aさんも父親の退院が近づく中で急いで施設を探すことになりました。

その結果、「費用をじっくり比べる余裕がなかった」と振り返ります。

介護費用の負担は家計にのしかかる

介護費用は、一度発生すると長期間続く可能性があります。

介護期間の平均は5年程度と言われています。もし月5万円の負担が5年続けば、総額は約300万円になります。

突然始まった介護が、家計に大きな影響を与えるケースはよくあるのです。

Aさんも「介護費用は一時的な出費ではない」と実感したといいます。

「まだ先」と思えるうちに考えておきたい

親が元気なうちは、介護の話をすることに抵抗を感じる方も多いでしょう。

しかし、介護が始まってからでは、十分な時間をとって準備する余裕はありません。

次のような点を事前に話し合っておくことは大切です。

  • 親の年金額や貯蓄
  • 介護費用をどこまで親の資産で賄えるか
  • 兄弟姉妹での負担の考え方
  • 在宅介護か施設介護かの希望

こうした点を確認しておくだけでも、いざという時の負担を減らすことができます。

介護は誰にとっても避けて通れない問題です。

「まだ先」と思える今のうちに、少しだけでも家族で話し合う時間を持ってみてはいかがでしょうか。


監修者:中川 佳人(なかがわ よしと)(@YoshitoFinance)
金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。 20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。 専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。