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世帯年収800万円で子ども2人「学費は奨学金で何とかなる」はずが…→1人目の大学進学で、40代夫婦を襲った“想定外の誤算”

  • 2026.3.10
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関勤務の現役マネージャーとして、日々お金にまつわる相談に向き合っている中川です。

今回は教育費に関するお話です。子どもの教育費は人生の三大支出のひとつと言われますが、実際に必要な金額を把握している家庭は多くありません。

高校から大学までの教育費は進路によって数百万円から1,000万円近くになることもあります。それでも具体的な必要額を把握しておらず、資金が必要になったタイミングで相談に来られる家庭は少なくありません。

今回は、世帯年収800万円の共働き世帯が教育費のピークを迎え、資金の捻出に苦労した事例をご紹介します。

「奨学金があるから大丈夫」と考えていた

相談に来られたのは40代のAさんご夫婦(仮名)。

会社員同士の共働きで、世帯年収は約800万円。中学生と高校生の子どもを育てています。

住宅ローンの返済はあるものの、家計は安定していました。毎月の生活費を払いながら、少しずつ貯蓄も続けていたといいます。

教育費についても「奨学金を使えば大学は何とかなる」と考えていました。周囲でも利用している家庭が多く、教育費の総額を深く試算することはなかったそうです。

状況が変わり始めたのは長男が高校に進学した頃でした。

私立高校進学で増えた教育費

長男は私立高校へ進学しました。授業料は無償化制度の対象でしたが、それでも想定以上の出費が発生しました。

入学金は約20万円、制服代は10万円前後。さらに施設費や教材費なども必要になります。

加えて大学受験に向けた塾代もかかりました。塾代は月3万〜5万円ほどで、講習や模試を含めると年間50万円以上になることもあります。

「授業料は想定していましたが、塾や受験費用まで含めると予想以上でした」

Aさんはそう振り返ります。

大学入学で必要になったまとまった資金

さらに負担が大きくなったのが大学進学です。

大学は入学時にまとまった費用が必要になります。

  • 入学金:約20万〜30万円
  • 前期授業料:約50万〜70万円
  • 教科書代:約5万円
  • パソコン購入費用:10万円前後

これらを合わせると、入学時だけで100万円以上必要になることもあります。

Aさんの家庭でも入学金と前期授業料の支払いでまとまった資金が必要になり、「奨学金だけでは足りない」と気づいたのです。

奨学金は「あとで返すお金」

奨学金には返済義務のない給付型と、返済が必要な貸与型とがあります。貸与型は実質的にローンと同じで、卒業後に返済が必要になります。

月5万円を4年間借りた場合、総額は240万円。卒業後は月1万〜1万5,000円ほどを長期間返済するケースが一般的です。

また、奨学金は入学前にまとまって受け取れるわけではありません。多くは入学後に毎月支給されるため、入学金などの初期費用は家庭で準備する必要があります。

教育費のピークは家計に大きな負担になる

教育費は短期間に支出が集中します。高校進学・大学受験・大学入学が重なると、数年で数百万円の出費になることもあります。

Aさんの家庭では住宅ローンの返済も続いていました。生活費も含めると貯蓄を取り崩さざるを得なかったといいます。

「年収800万円あれば大丈夫だと思っていました。でも教育費が重なると想像以上に厳しかったです」

結果として、それまでの貯蓄はほぼゼロとなり、教育ローンを利用することになりました。

教育費は早めの準備が重要

教育費の負担は多くの家庭で生じます。必要な時期がある程度予測できるため、計画的に準備することが大切です。

特に高校から大学までの費用を試算しておくと、家計の見通しは大きく変わります。奨学金は有効な制度ですが、貸与型の場合は卒業後に返済が続くことも理解しておく必要があります。

子どもの夢を支え、家計を守るためにも、早めの見積もりと準備をしておきたいところです。


監修者:中川 佳人(なかがわ よしと)(@YoshitoFinance)

金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。 20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。 専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。