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“墓じまい”を考える60代夫婦→「数十万円で済むだろう」と思いきや…石材店から告げられた“想定外の金額”に絶句

  • 2026.6.13
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは、家計・資産形成・相続など、お金に関するご相談をお受けしている、マネーシップス代表 ファイナンシャルプランナー/IFAの石坂です。

親のお墓を守る人がいなくなり、「そろそろ墓じまいを考えたい」と感じる家庭は少なくありません。

ただ、墓じまいは墓石を撤去するだけで終わるとは限りません。遺骨を別の墓地や納骨堂、永代供養墓などへ移す場合は、改葬の手続きや新しい納骨先の費用も必要になります。

今回は、墓じまいを「数十万円で済むだろう」と考えていた60代夫婦の事例をもとに、家計面で見落としやすい費用を見ていきます。

「墓石を片づけるだけ」のつもりが…見積もりで見えた現実

事例の60代のAさん夫婦は、地方にある夫の実家のお墓を整理しようと考えていました。

お墓は車で片道3時間ほどの場所にあり、年2回のお墓参りも年齢とともに負担になっていたそうです。子ども2人は都市部で暮らしており、将来そのお墓を継ぐ予定もありません。

Aさんは当初、墓じまいの費用を「墓石撤去で30万円くらい」と見込んでいました。しかし、石材店に確認すると、墓石撤去と区画の整地で約45万円。さらに、遺骨を取り出す作業や、地域や寺院によっては閉眼供養のお布施として5万〜10万円程度を見込む場合もあると説明されました。

問題はその後です。遺骨を別の墓地や納骨堂、永代供養墓などへ移す場合は、受け入れ先を決める必要があります。
夫婦は自宅近くの納骨堂を検討しましたが、使用料や管理料などを含めると約80万円。別の永代供養墓では30万円台の案もありましたが、合祀になる時期や供養の内容が希望と合いませんでした。

結果として、撤去費、供養関連費、改葬先の費用などを合わせると、総額は120万円前後になる可能性が出てきました。

「30万円ほどで済むと思っていたのに、老後資金から100万円以上出すことになるとは思わなかった」と、Aさん夫婦は計画の甘さに気づいたのです。

見落としやすいのは「お墓のあと」のお金

墓じまいで注意したいのは、費用が一つではないことです。主な費用には、墓石の撤去費、遺骨の取り出し、閉眼供養などのお布施、改葬先の使用料や納骨に関する費用、書類取得費などがあります。

墓石撤去は、墓地の広さや立地で変わります。重機が入りにくい場所や山間部のお墓では、運搬や人手が増え、費用が高くなることもあります。

また、遺骨を別の墓地や納骨堂へ移す場合は、改葬の許可が必要です。墓地埋葬法では、改葬を行う場合、市町村長の許可を受ける必要があるとされています。許可を出すのは、遺骨が現在ある場所の市町村長です。

お布施や離檀料についても誤解されやすい部分です。離檀料には明確な基準がないため、金額に納得できない場合は、基本的に寺院などと話し合うことになります。そのため、金額だけで判断するのではなく、寺院との関係やこれまでの経緯を踏まえて、早めに相談することが大切です。

※閉眼供養のお布施は、寺院や地域によって考え方が異なります。一方で、離檀料は法律で一律に決まっているものではありません。

さらに、兄弟姉妹がいる場合は「誰がいくら負担するのか」も問題になります。長男が手続きを進めたものの、あとから弟や妹に費用負担を求めて揉めるケースもあります。

墓じまいは、家計だけでなく、親族間で事前に話し合っておきたい手続きと考えたほうがよいでしょう。

墓じまいは「撤去費」ではなく「総額」で見る

墓じまいは単なる片づけ費用ではなく、老後資金や相続準備に関わる支出として考える必要があります。

特に大切なのは、最初から「総額」で見積もることです。撤去費だけなら数十万円で済む場合もありますが、改葬先の種類や契約内容によっては、総額が100万円を超えることもあります。

墓じまいを検討するときは、次の点を先に確認しておくと安心です。

  • 墓石を撤去する費用はいくらか
  • 遺骨を取り出す費用や供養のお布施は必要か
  • 遺骨を移す先に、いくらかかるのか
  • 納骨後も、年間管理料などがかかるのか
  • 兄弟姉妹で費用を分ける場合、誰がいくら負担するのか
  • 老後資金から出しても、生活費に無理が出ないか

費用を確認するときは、まず現在のお墓にかかる撤去費を取り、次に改葬先の候補を2〜3つ比較します。そのうえで、お布施、納骨に関する費用、年間管理料があるかどうかまで整理すると、後からの想定外を減らせます。実際の費用は、地域、墓地の広さ、寺院との関係、改葬先の種類によって大きく変わります。

また、親族で費用を分ける場合は、口頭だけでなく、誰が何を負担するのかをメモに残しておくと安心です。

墓じまいは「安く済ませること」だけを優先すると、供養方法や親族感情で後悔する場合があります。お金、手続き、供養の希望、家族の合意をまとめて考えることが、後悔しない墓じまいの第一歩です。


執筆・監修:石坂貴史
証券会社IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー・証券外務員)、マネーシップス代表。累計1,200件以上の相談対応に加え、金融記事の制作・校正・監修の対応を行っています。専門は「金融・経済、不動産、保険、相続、税制」。資産運用やライフプラン設計では、分散投資の考え方と人の心理を踏まえた行動設計をもとにサポートしています。
保有資格:証券外務員一種、2級FP技能士、AFP、NISA取引アドバイザー、日本証券アナリスト協会認定 資産形成コンサルタント、金融リテラシー検定

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