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「収納家具を買うほど部屋が狭くなる…」20万円以上節約した“壁面収納のコツ”を建築士が解説

  • 2026.4.5
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。二級建築士・インテリアコーディネーターの桐野由衣です。

押入もクローゼットもいっぱいだから収納家具を買い足してあふれたモノを収納しよう、そう考えるのはよくあることです。しかし、収納家具を置くほど部屋は狭くなり、お金もかかってしまいますね。

そこでおすすめしたいのが壁面を利用して収納スペースを増やす方法です。「棚柱」と「可動棚」のセットで劇的に収納スペースを増やすノウハウをお伝えします。

「モノが増えたら収納家具を買う」はちょっと待って!

新築住宅や賃貸住宅で新生活を始めてから年数が経ってくると、家族が増えたり、進学や就職などライフステージが変化したりするたびに、モノは増える一方です。入居時はクローゼットや押入のスペースが余っていても、いつの間にかいっぱいになっていたということ、ありますよね。

不要なモノを処分し整理するのはもちろんとして、生活しやすいよう物理的に収納スペースを増やすとなると、新たに収納家具を買い足すという考えが一般的です。しかしこの方法には落とし穴もあります。

キャビネットやワゴンといった収納家具は、基本的に「ハコ」の状態になっています。上下左右に材料の板を組み立てて作るため、板の厚み分だけ実際の収納スペースは狭くなります。

また、床に置いて使うタイプのキャビネットは場所を取りますから、収納家具を増やすほど部屋が狭くなることに。モノは収納できても、室内の圧迫感は高まってしまうのです。

壁面を活用した「縦の収納」のつくり方

そこでおすすめしたいのが、壁面を利用した収納スペースづくりです。

使用するのは「棚柱」と「可動棚」です。棚柱は「サポート」「ガチャレール」などとも呼ばれ、1.5cm前後と細い幅の金属に等間隔の穴が開いた構造の部材です。収納スペースとして活用したい壁面に等間隔で縦方向に固定し、穴にはめ込んだ棚受け部材の上に可動棚をセットして使います。

棚柱と可動棚を使って実際にお客様のご自宅に設置した収納プラン例をいくつか紹介しましょう。

個室のウォークインクローゼットをグレードアップ

もともと個室のウォークインクローゼットには、ハンガーパイプと固定棚が左右の壁面についていました。突き当たりとなる奥の壁に幅約90cm・高さ約180cmの範囲で棚柱とハンガーパイプ付き可動棚を設置したところ、コの字型収納となり、収納力がアップ。

棚の位置を自由に変えられるため、収納するモノのサイズが限定されないとお喜びでした。

お気に入りのフィギュアをかわいくディスプレイ

子ども部屋のデスク正面の壁に、インテリアとマッチするホワイトカラーの棚柱を幅約120cm・高さ約90cmの範囲で設置しました。可動棚を2段セットし、お子さんがこつこつ集めてきたお気に入りのアニメのフィギュアをディスプレイするスペースに。

デスクの奥行きがあるため勉強中でもぶつからず、視線を上げればいつでもフィギュアを眺めることができます。特別感も演出できて大満足の仕上がりとなりました。

寝室にセカンドクローゼットが出現

収納力に加えて機能性も欲しいというお客様のご要望に沿って、寝室の1面の壁全体に幅約200cm・高さ約180cmの範囲で設置しました。

クローゼットにはクリーニング済みの衣類を収納し、増設した収納スペースは日常使いの衣類やバッグ・帽子などの小物を収納するセカンドクローゼットとして活用。キャビネットタイプのシステム収納を同じ範囲で設置した場合と比べて20万円以上のコストカットにも成功しました。

便利な反面注意点も

棚柱と可動棚のセットによる収納スペースは、設置したい範囲に合わせて本数を調整し、手軽に大容量の収納スペースを増やすことができます。棚受け部材を含め、棚柱も可動棚もホームセンターやネット通販で購入しやすいのも大きなメリットです。

一方で注意点もあります。

棚柱と可動棚でしっかりモノを支える必要があるため、ネジで固定する一般的な棚柱の場合は、棚柱は壁下地に合わせて固定しなければいけません。可動棚1枚分の耐荷重を守ってモノを置くことも重要です。

また、賃貸住宅の場合は賃貸借契約書の内容によって、設置できるかできないかを判断してください。カレンダーや時計などを飾るための画鋲やピン程度の小さな穴開けはOKというルールであれば、賃貸住宅用の金具を使って固定できるタイプの棚柱を選ぶと設置できます。迷った場合は、退去時のトラブルを防ぐためにも、事前に管理会社や大家さんへ相談しておくと安心です。

棚柱+可動棚はいわゆる「見える収納」です。扉やキャビネットがない分安価で、モノの取り出しも簡単ですから、使用頻度が高いモノや押入などの奥にしまうと忘れてしまいそうなモノを収納するのに便利です。

プラン例でご紹介したように、収納ではなくディスプレイスペース、「見せる収納」として使うのもいいですね。

収納家具を購入する前に、使っていない壁の収納スペース化を検討してみてはいかがでしょうか。


ライター:桐野由衣
住宅設備メーカーや住宅コンサルタント会社、大手リノベーション設計会社にて新築分譲マンションの設計変更、戸建住宅・オフィス・医療施設等の設計およびインテリアコーディネートに携わる。
建築関連分野の記事執筆・校正校閲・監修業務、企業研修講師、インテリアコーディネーター資格対策テキスト監修、工務店の施工事例集ディレクションなどの実績も多数。


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