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「ペットOK・初期費用ゼロ」に惹かれて契約→退去時、30代女性に告げられた“想定外の補償費”

  • 2026.4.4
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出典:PhotoAC ※画像はイメージです

皆さま、こんにちは。現役の不動産会社社長として、日々さまざまな土地や建物のご相談に向き合っている岩井です。

今やペットは家族の一員として暮らす存在となり、住まい選びでも「ペット可」は重要な条件になっています。

ペットと暮らせる部屋を探していると「ペット可」「初期費用ゼロ」といった条件はとても魅力的に感じるものです。「すぐに引っ越せる」「初期費用を抑えられる」と安心して契約してしまう方も多いのではないでしょうか。

しかしペット可物件には「補償費」という、一般的な物件にはない追加費用が設定されているケースがあります。内容を理解しないまま契約すると、退去時に思わぬ出費につながることもあります。

今日は「ペット可」かつ「ゼロゼロ物件」で起きた、退去時の想定外の請求トラブルについてご紹介します。

「ペットOK・初期費用ゼロ」に惹かれて契約

数年前、30代の女性Aさんを担当したときの話です。Aさんは小型犬を飼っており、ペット可の物件が絶対条件でした。

その中で見つけたのが、次のような条件の物件です。

  • 敷金0円
  • 礼金0円
  • ペット相談可

ペット補償費がかかる点についても説明はしましたが、金額や仕組みの詳細までは深く意識されないまま、初期費用を大きく抑えられる点に魅力を感じ、内見後すぐに申し込みされました。

「初期費用がほとんどかからないなら、この物件で進めたいです」

Aさんは、特別な条件なしでペットと暮らせる物件と受け止め、そのまま契約に進みました。

退去時に告げられた「家賃2ヶ月分の補償費」

入居から約2年後、転職をきっかけに退去することになったAさんから連絡がありました。退去費用の見積もりを見て、金額の高さに驚いたとのことです。

提示された合計金額はなんと約28万円。内訳は次のとおりです。

  • 原状回復費用(クロス・床補修など):約12万円
  • クリーニング費用(室内清掃一式):約6万円
  • ペット補償費(家賃2ヶ月分):約10万円

Aさんは、特にペット補償費の存在に納得がいかない様子でした。

「ペットの分は原状回復で払うんじゃないんですか?なんで別で10万円も…」

ペット可物件では、原状回復費用とは別に定額の補償費が設定されているケースがあります。内容を理解していないと、退去時に想定以上の負担になることがあります。

契約書にあった「見落としていた特約」

この物件の契約書には、特約欄に次のような内容が記載されていました。

「ペット飼育時は、退去時に原状回復費用とは別に家賃2ヶ月分の補償費を支払う」

費用の考え方は、次の2つに分かれています。

  • 傷や汚れを修繕するための費用(原状回復費用)
  • ペット飼育による負担を見込んだ定額の費用(補償費)

この2つは性質が異なり、どちらか一方ではなく両方が発生する仕組みになっていました。Aさんは後から振り返り、ペット可という表示だけで判断してしまったことを後悔されていました。

最終的に支払った金額と、その後

Aさんは最終的に、退去費用として約28万円を一括で請求されることになりました。引越し費用も重なり、手元の貯金はほとんど残らない状況でした。

一度に支払いきれず、クレジットカードの分割払いを利用することになり、毎月の負担も増えてしまったそうです。

Aさんは、入居時の判断についてこう振り返っていました。

「初期費用の安さで選んだ結果、トータルでは想定以上の出費になってしまいました」

契約前に特約の内容まで確認していれば、次のような判断ができた可能性があります。

  • 別の物件を選ぶ
  • 退去時の費用を踏まえて契約する

入居時の費用だけでなく、退去時まで含めて判断することが大切だとわかるケースです。

安さの裏にある「条件の重さ」に気づけるか

ペット可の物件は魅力的に見えますが、その分、費用や条件が通常の物件と異なる場合があります。特にゼロゼロ物件では、初期費用を抑える代わりに、退去時の負担や追加費用が設定されているケースが多く見られます。

  • 初期費用が安い代わりに退去時の負担が大きい
  • ペット可の条件として補償費が設定されている

Aさんのように、入居できるかどうかだけで判断してしまうと、後から予想外の費用が発生することがあります。

お部屋探しでは、条件の良し悪しだけでなく、その背景にある費用の仕組みまで確認することが大切です。見た目の安さにとらわれず、契約内容まで理解して判断することが無駄な出費を防ぐポイントです。



筆者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹

不動産売買の専門家として仲介・査定・買取に携わりながら、不動産Webライターとして1,000記事以上を執筆。「売る力×伝える力」を軸に、情報発信と販売の両面から不動産の価値を高めている。派手さよりも誠実さを大切にし、地域に寄り添う姿勢で「早く・高く・安心」の取引を支える不動産の専門家。


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