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「相場より3万円安い」1Kに飛びついた30代女性→3ヶ月後、短期退去した理由

  • 2026.4.5
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。現役の不動産会社社長として、日々さまざまな土地や建物のご相談に向き合っている岩井です。

物件探しをしていると、相場より安い部屋を見つけて「もしかしたら事故物件では…」と感じた経験がある方も多いのではないでしょうか。一方で、ポータルサイトに「告知事項なし」と記載されていると、安心感から「お得な物件かもしれない」と期待が高まることもあります。

しかし実際には、事故物件ではなくても敬遠され続けている物件が一定数存在します。家賃が安い背景には、必ず何らかの理由があります。

今日は、相場より3万円安い物件を内見した30代女性の事例をもとに、価格が下がる本当の理由と、見落としやすいリスクについて解説します。

相場より3万円安い物件に感じた違和感

以前、同業の不動産会社社長から聞いた実務での話です。ある日、30代の女性Aさんが来店されました。会社員で、一人暮らし用の部屋を探している方です。

Aさんは、ポータルサイトで見つけた物件について相談しました。家賃は周辺相場より約3万円安い1Kです。条件を確認すると、大きな問題は見当たりませんでした。

  • 築年数は10年くらい
  • 駅からの距離も一般的
  • 告知事項なし(事故や事件などの心理的な影響がない物件)

そのため、Aさんは前向きに検討し、内見後に契約へ進みました。

ただ、内見の時点でいくつか気になる点はありました。室内は昼間でも暗く、照明が必要な状態でした。原因は、隣の建物が近く、日差しがほとんど入らない立地にあります。

当時は「多少暗いくらいなら問題ない」と判断しましたが、この点が後に大きなストレスになったのです。

内見で見えた生活ストレスの原因

入居後に気づいた問題の多くは、実は内見の時点で確認できていました。

まず大きかったのが「音」です。隣室のテレビや会話がはっきり聞こえるため、夜間の生活音が気になる状態でした。

さらに、建物横のゴミ置き場も影響します。気温が上がるにつれて臭いが強くなり、窓を開けることをためらう場面が増えていきました。

共用部の状態も良いとは言えません。

  • 廊下に私物が置かれている
  • 掲示物が古いまま取り替えられていない
  • 清掃が行き届いていない

こうした点は一つひとつは些細なことに見えますが、毎日の生活の中では確実に負担になります。

「告知事項なし」でも敬遠される物件の正体

この物件には事故や事件の履歴はなく、告知事項もありません。法律上は問題のない物件です。

それでも入居が決まりにくい理由は、生活環境にあります。

  • 日当たりが悪い
  • 建物同士の距離が近く圧迫感がある
  • 音が伝わりやすい
  • 臭いの影響を受けやすい
  • 共用部の管理状態が良くない

こうした条件は、単体では大きな欠点に見えないこともあります。しかし複数重なると、住み心地に大きく影響します。

その結果、入居しても長く住まれにくく、空室が続きやすい状態に。オーナーは空室を埋めようと家賃を下げるため、相場より安い状態になるのです。

実際に住んで分かった安さの代償

Aさんは入居から約3ヶ月で退去を決断しました。

主な理由は、次の3点です。

  • 音によるストレス
  • 日当たりの悪さによる閉塞感
  • 臭いや管理状態による不快感

発生した費用は以下のとおりです。

  • 短期解約違約金(家賃1ヶ月分):約6万円
  • 引越し費用:約10万円
  • 新居の初期費用:約20万円

合計で、36万円以上の支出となりました。

家賃が毎月3万円安くても、短期間で退去すれば結果的に大きな負担になります。安さを優先した判断が、かえって出費を増やす結果となりました。

安い物件ほど「理由」を疑う習慣を

相場より安い物件には必ず理由があります。

その理由は、事故や事件のように分かりやすいものだけではありません。今回のように、生活に影響する要素が重なっているケースも多く見られます。

物件を見る際は、次の点を確認することが重要です。

  • 室内の日当たりや明るさ
  • 周囲の建物との距離
  • 音の聞こえ方
  • 共用部の管理状態
  • ゴミ置き場や周辺環境

家賃の安さだけで判断するのではなく、なぜ安いのかを具体的に説明できるかが重要です。

実務の現場では、安さで選んだ物件ほど早期退去につながるケースが多く見られます。目先の家賃ではなく、日々の暮らしやすさを基準に選ぶことが、結果的に無駄な出費を防ぐポイントです。



筆者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹

不動産売買の専門家として仲介・査定・買取に携わりながら、不動産Webライターとして1,000記事以上を執筆。「売る力×伝える力」を軸に、情報発信と販売の両面から不動産の価値を高めている。派手さよりも誠実さを大切にし、地域に寄り添う姿勢で「早く・高く・安心」の取引を支える不動産の専門家。


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