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「初期費用ゼロ円なのに3ヶ月で退去」一目惚れで即決も…入居後、20代男性に降りかかった“思わぬ災難”

  • 2026.4.3
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。現役の不動産会社社長として、日々さまざまな土地や建物のご相談に向き合っている岩井です。

新たに賃貸物件へ引越す際、「できるだけ初期費用を抑えたい」と考える方は多いのではないでしょうか。仲介手数料無料やフリーレント付きなどと並び、敷金・礼金ゼロの「ゼロゼロ物件」は、まとまった資金がなくても入居しやすい点が魅力です。

一方で、初期費用の安さだけで契約してしまうと、退去時に思わぬ出費が発生することがあります。特に契約期間の条件を確認していない場合、短期解約によって違約金が発生するケースも少なくありません。

今日は、初期費用を抑えて入居したものの、わずか3ヶ月で約20万円の違約金を支払うことになったAさんの事例をもとに、見落としやすいポイントを解説します。

初期費用0円に一目惚れ…見落としていた契約条件

これは、私が賃貸仲介業務をしていた頃の話です。相談に来られたのは、20代後半の会社員の男性Aさんでした。

Aさんは、貯金を減らさずに引越したいという理由から、「初期費用ゼロ」で入居できる物件を探していました。そこで見つけたのが、敷金・礼金なしに加え、仲介手数料も抑えられた「ゼロゼロ物件」です。

「こんなに安く入れるなら、ここでいいです」

そう話し、内見も短時間で切り上げ、その場で申し込みを決めました。契約時に気にしていたのは、入居時にいくらかかるかという点のみ。

契約書の特約欄(通常の契約内容とは別に定められる追加条件)については、ほとんど目を通していなかったのです。

住み始めてすぐに気づいた“想定外の環境”

入居後、Aさんはすぐに住環境の違和感に気づきました。事前の内見では気づきにくいポイントが、実際に生活を始めてから表面化したのです。

具体的には、次のような状況でした。

  • 夜間の生活音が大きく、睡眠に影響が出る
  • 周辺に深夜営業の店舗があり、人の出入りや騒音が気になる
  • 壁が薄く、隣室の話し声や生活音が聞こえる

このままでは落ち着いて生活できないと感じ、Aさんは短期間での退去を考えるようになりました。そして入居からわずか3ヶ月で、退去を決断。

しかし、この判断が後に思わぬ出費につながることになります。

「短期解約違約金20万円」の現実

退去の手続きを進めた際、管理会社から短期解約による違約金の説明を受けました。内容は、契約期間に満たない退去の場合、家賃の一定額を支払うというものです。

実際の条件は次のとおりでした。

  • 1年未満の解約:家賃2ヶ月分の違約金
  • 2年未満の解約:家賃1ヶ月分の違約金

Aさんの場合、入居から3ヶ月での退去だったため、家賃2ヶ月分、約20万円の違約金が発生しました。Aさんは初めて聞いた内容だと感じ、戸惑いを見せましたが、事前の説明に加えて契約書の特約欄にはしっかりと記載されていました。

結果として、契約内容に基づいた請求となり、支払いを避けることはできませんでした。さらに引越し費用も含めると、合計で30万円以上の出費に。

初期費用を抑えて入居したつもりが、短期間で退去したことで、かえって負担が大きくなってしまったのです。

ゼロゼロ物件に潜む契約条件の落とし穴

このケースは、決して珍しい話ではありません。短期解約違約金は、初期費用を抑えた物件に限らず、一般的な賃貸物件でも設定されています。

ただし、ゼロゼロ物件では、初期費用が抑えられている分、退去時の費用に関する条件が厳しく定められているケースも見られます。

代表的な内容は次のとおりです。

  • 短期解約違約金の設定
  • 退去時クリーニング費用の固定請求
  • 原状回復費用の借主負担範囲が広い

すべての物件に当てはまるわけではありませんが、入居時の費用だけで判断すると退去時に想定外の負担が発生する可能性があります。

契約前には、入居時だけでなく、退去時にかかる費用や条件まで確認しておくことが重要です。

このケースで防げたポイント

Aさんのケースは、契約前に条件を確認していれば防げた可能性があります。特に重要なのは、入居時だけでなく、退去時にかかる費用まで把握しておくことです。

確認しておきたいポイントは次のとおりです。

  • 短期解約違約金の有無と金額
  • 違約金が発生する期間(例:1年未満、2年未満など)
  • 退去時に必ずかかる費用(クリーニング費用など)の有無

中でも大切なのは「どのタイミングで退去するといくら費用が発生するのか」を具体的に理解しておくことです。

安さではなく「総額」で判断する

ゼロゼロ物件は、初期費用を抑えたい方にとって魅力的な選択肢です。

ただし、入居時の負担が軽いからといって、結果的な支出まで安くなるとは限りません。特に、次のような場合は注意が必要です。

  • 短期間で退去する可能性がある
  • 周辺環境や住み心地に不安がある
  • 転勤やライフスタイルの変化が見込まれる

このような状況では、違約金や退去費用によって、かえって出費が大きくなることがあります。

お部屋探しでは、入居時の費用だけで判断するのではなく、退去まで含めた総額で考えることが重要です。契約書の特約欄には重要な条件が記載されていることが多いため、事前にしっかり確認しておくことが、無駄な出費を防ぐポイントになります。



筆者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹

不動産売買の専門家として仲介・査定・買取に携わりながら、不動産Webライターとして1,000記事以上を執筆。「売る力×伝える力」を軸に、情報発信と販売の両面から不動産の価値を高めている。派手さよりも誠実さを大切にし、地域に寄り添う姿勢で「早く・高く・安心」の取引を支える不動産の専門家。


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