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簡単と思ってごめんなさい!お米一粒もムダにしない、北海道のブランド米の収穫作業

  • 2026.2.13

一粒を大事に…米農家に弟子入り!

北海道を支える様々な職業のプロに一日弟子入り!
仕事の流儀やこだわりを探る仕事体験ドキュメンタリー!

HBC テレビで、毎週月~金曜ごご4:50~7:00に放送中の情報ワイド番組「今日ドキッ!」のコーナー「師匠!私を弟子にしてください」の取材をもとに、私、HBCアナウンサー・東峰優華が、気づきや北海道の魅力をプラスして、Sitakkeオリジナル連載でお届けします。

今回の舞台は後志地方にある蘭越町田下(たしも)!
清流日本一の尻別川流域に広がる肥沃な土壌と昼夜の寒暖差が大きい盆地で育つブランド米、「らんこし米」のプロに弟子入りします。

今回で弟子入り6回目。少しずつ、ごはんを食べるときに生産者の気持ちを考えるようになりました。
すべての野菜や果物、どんな食べ物も一生懸命作ってくれている人がいることを感じています。

米ー1グランプリで優勝のブランド米!

Sitakke

今日は日本人には欠かせない米農家に弟子入り!

なんとなく田植えして稲刈りするんだろうなというのは分かりますが、どんな作業を具体的にしているかはイメージがつきません。
収穫が一番大変なのかなとは思っていますが…!

時刻は午前11時。さっそく広大な稲穂に向かって歩いていくと…今日の師匠・安田伸二(やすだ・しんじ)さんの姿が。
蘭越のコメ農家で約100年続く安田農場の3代目です。

Sitakke

初めて一面の稲穂を見てあまりにも広すぎてびっくりしましたが…今年は15ヘクタールほど米を作付けしているそう。
広さはなんとエスコンフィールド北海道の3倍ほど!

師匠は高校を卒業して調理の専門学校に通いました。
ずっと調理師をしていましたが、両親が高齢になり働くのに不自由する様子を目の当たりにしたといいます。

「産業を無くすのはもったいない!」

そうして跡を継ぎ、米作りを始めたのは35歳のとき。

2023年には全国から約400の農家がエントリーした米の食味日本一を決める「米ー1グランプリ」で見事頂点に輝きました。
こだわりの農法で最高の「らんこし米」を作り続けています。

Sitakke

でも正直私はこの「米ー1グランプリ」のお話を聞いたとき、「日本一ってすごいな!」というくらいにしか思っていませんでした…。
取材を進めていくと、この結果がいかにすごいことなのか身に染みて感じることになるのです。

一粒もムダにしません…!

Sitakke

最初の作業は…なんといきなりの「稲刈り作業」!

「コンバインで刈り取りきれない田んぼの角の稲を手作業で刈り取ってほしい」との師匠からのお願いが。
私は角の部分3か所を鎌を使って稲刈りしていきます。

「根元から12~13センチのところに鎌をあてて一気に引くのがコツ!」と師匠。

さっそくお手本を見せてもらうと、スッと切れて速い!
斜め上に引っ張っていく感じですね。見ているだけだと、私にも簡単にできそうです!

師匠からは「一粒一粒1年かけて作ったので丁寧に作業をしてください」と教えてもらいました。

もちろんです!師匠が作ったお米の1粒もムダにしません!!

思っていたのとちがう…!?

Sitakke

ではさっそく、私も収穫の作業を始めていきます。

丁寧に、手前にあった一束を持って、鎌を引く!!

…あれ?

師匠は一気に引っ張って刈り取っていたのですが、私がやってみると何度も鎌をギゴギゴしないと刈り取ることができません。

「難しいです!師匠!」

そう伝えても「簡単だと思って…笑」と師匠も苦笑い…。

師匠にとっては毎日、毎年身についている簡単な作業でも、慣れない私にとっては大変…。
そこからはコツをつかむべく試行錯誤を繰り返します。

ようやく、しゃがみこまず少しかがんだ状態で一気に斜め上に引くと比較的速く作業ができる、ということが分かりました!

Sitakke
やっとできたけど…難しい…!思わず私も苦笑い

さきほど「なーんだ、簡単!」なんて思った自分が恥ずかしい!!

ひとつひとつの地味な作業かもしれません。ここ以外で鎌で稲を刈る機会はないかもしれません。
だけど、「お米を一粒もムダにしない」その米農家さんの思いが作業には詰まっています。

そんな黄金色に実ったお米には師匠のこだわりと思いが込められていました。

おいしい米への手間ひまがすごかった

Sitakke

師匠の田んぼでは、「特別栽培」といって普通の農薬と化学肥料の量を半分に抑えています。化学肥料を抑えた分、有機肥料の魚かす原料を使っています。

もちろん化学肥料が悪いわけではありませんが、「人の口に入るものなのでこだわりたい」というのが師匠の思い。
魚かす原料の肥料はアミノ酸が含まれていてお米のうまみにも効果があるといいます。

そしてもうひとつのこだわりが「中干し」です。
「中干し」とは、水が張られている田んぼで田植えから約1か月が過ぎたころに、土が乾くまで水を抜く作業のことです。

Sitakke

こうすることで土の中にたまった有毒なガスを放出し、さらに土が酸素を取り込むことで稲の根を丈夫にすることができます。

師匠の農場ではこれを2度繰り返すことで、米の品質向上につながると考えています。

まさかの師匠と別行動!!

そんなお話を聞きながら刈り取り作業を続けていると、「大丈夫だね!」と言って師匠がどこかに行ってしまいました…

ちょっと待って!!!

なんとここからは師匠と弟子の私は別行動に…

心が折れそうです…!

Sitakke

というのも、米の収穫のメインはあくまでコンバインを使って田んぼの中心部の稲刈り作業を行うことです。
私は刈り取り切れなかった部分を担当して、分担作業をするというわけです。

私の手作業で50メートルの1列を刈るのに30分以上かかったのに、師匠のコンバインがすごい勢いでその何十倍、何百倍の稲を一気に刈り取っていきます。

私も、手作業ならではの丁寧さを忘れずに、スピードもできるだけアップしてがんばりたい!

Sitakke

9月中旬のこの日、蘭越町の最高気温は24.3度。
気温としてはそんなに暑くはないのですが、今回はつなぎを着ての農作業。
中に熱がこもってムシムシしてきます…!!
そして、慣れない中腰の姿勢での作業にだいぶ疲れもたまってきました。

もうこの作業やめたい…。
淡々と続く稲刈り作業が果てしなく感じられ、心が折れそうになってきました。

Sitakke

アナウンサーになってから「ロケは言葉で伝えるんだよ!」と多くの先輩から教えてもらいました。
が!今日だけは言葉を発する気力もないほど目の前の作業に必死になってしまいました。

テレビとは思えないほど無言で作業を続けます。

やっと担当する3つの田んぼの角の区画のうち、最後の1区画にたどり着きました。
ここまで2つの区画を終わらせるまでで1時間半…少しずつ休憩をとりながら時間をかけてようやくたどり着くことができました。

Sitakke

ヒザをついて作業をしていたため、もうつなぎのヒザ部分はドロドロ…。
座ったり立ったりするだけでも足が疲れるのに、さらにこの泥に足が取られます。

前日に降った雨がヒザに染みてきます。冷たい…。

だけどこれは決してマイナスな愚痴を言いたいわけではないんです…(本当に)。
お米を食べるまでに、こんなにも大変な作業があるのだということを体全体で感じています。

弟子として意地を見せ、予定していたすべての刈り取りをやり切りました!

Sitakke

刈り取りが終わったのは午後1時20分。2時間半作業を続けてたどり着いたゴールです…!

我ながら結構きれいに取れたのではないでしょうか!

ただ、この時間よりも体感の方がもっと長い…4~5時間作業している感覚でした。
それでもすべて刈り取られた田んぼを見ると達成感でいっぱいです!

お米のありがたさを感じています!

Sitakke

実は後から師匠に聞いたのですが、私が少しでも多く手作業での稲刈り作業を行えるように、いつもより多めに角の稲を残してくれていたようです。

師匠…!なんていうことを…!とツッコミたくなりましたが(笑)

これには、師匠の「先人たちの苦労を知ってほしい」という思いもありました。

今はコンバインを使って、8割、9割ほどの稲刈りを行うことはできますが、ひと昔前はすべて手作業で行っていました。

それがどれだけ大変な作業なのか…コンバインでの作業だけではわからなかった「お米一粒一粒を大切にする」という師匠の思いを、手作業での稲刈りをすることでより知ることができました。

さて、「収穫」は稲を刈るだけでは終わりません。
次の作業にも圧倒されてしまいました!そして、キラキラまっしろの新米ともご対面…!
次回の記事でお伝えします。

【連載】「師匠!私を弟子にしてください!」

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文|HBCアナウンサー 東峰優華
苫小牧市出身。2024年HBC入社。HBCラジオ「いっちゃんおいしいラジオ」などを担当。趣味はサッカー観戦(コンサドーレサポーター)、耳掃除、散歩。特技はスケート、ザンギ作り。Instagramでも発信中。

編集:Sitakke編集部あい

※掲載の内容は取材時(2025年9月)の情報に基づきます。

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