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米作りのはずがなぜか「登山」…かき分けるのは一体なに?ブランド米農家の作業量におどろき!

  • 2026.2.13

お米になるまで、こんなに作業があるなんて…

北海道を支える様々な職業のプロに一日弟子入り!
仕事の流儀やこだわりを探る仕事体験ドキュメンタリー!

HBC テレビで、毎週月~金曜ごご4:50~7:00に放送中の情報ワイド番組「今日ドキッ!」のコーナー「師匠!私を弟子にしてください」の取材をもとに、私、HBCアナウンサー・東峰優華が、気づきや北海道の魅力をプラスして、Sitakkeオリジナル連載でお届けします。

後志地方にある蘭越町で「らんこし米」のプロに弟子入り中の私。
前回の記事は稲の収穫まで終わり、新米のおにぎりにパワーをもらいました!

師匠!次はどこで作業をするんですか?

お米を乾燥させる!?

Sitakke

トラックの荷台いっぱいになったもみ。次は「乾燥場」に運びます。、

お米を乾燥させるなんて知らなかった…!

「米は水分があるとカビが生えたり保存できない状態になる」と師匠が教えてくれました。

見た目では水分が含まれているとは全くわかりませんが、現在の状態での水分量は20%。

Sitakke

これを15%くらいまで水分量を落としていきます。

まず収穫してきた「もみ」は地下のピットと呼ばれるスペースに移されます。
そこから昇降機と呼ばれる機械で高さ約5.5メートルまで持ち上げられ、3基ある乾燥機に振り分けて入れられます。

乾燥機の中では熱風が送られ、数時間から十数時間かけてゆっくり均一に水分を飛ばしていきます。そして乾燥が終わったもみは一時保管庫へと貯められていきます。

実は私、もうここで作業は終了だと思っていました…。
というのも、乾燥させたらきっともみが白くなって、私たちの手元に届くお米になっていると思っていたのです…!

すると師匠が「まだ終わりじゃないんです。これから乾燥したものを一晩寝かせるんです」

Sitakke

初めての2日にわたる弟子入り…!それくらいお米の収穫から出荷までは手間がかかるのですね…。
きょうで終わりかと思っていたので、また明日に向けて気合いを入れなおさなくては…!

お米農家で登山!?

Sitakke

翌日の午前8時30分。
前日の作業で肩と足がかなりの筋肉痛…なかなか限界が近い気がしていますが、まずは「もみすり」作業から。
なぜか「始めるための準備」と言われるがままに長靴に履き替えて外へと向かうと…

すると、そこに見えてきたのは黄金色の山!!

その高さ、私の感覚で7~8m。

Sitakke

これは「もみすり」をしたあとのもみの殻「もみがら」。
ホースから噴き出すもみがらが排気口に詰まらないように事前にならして平らにしていきます!

さて突如始まった「もみがら山登山」!!
まずはホースの近くまで登っていかなければいけません。

Sitakke

難しいのがとにかく足場が悪い!!
砂場のようになっていて、足がずぼずぼと埋まってしまいます。

排気口から外側に向かって、もみ殻を落とそうとスコップを入れようとした瞬間!!
力を入れれば入れるほど、足が埋まってしまい態勢を崩してしまいました(涙)

Sitakke

まるで雪かき…
米作りでこんな作業があるとは想像もしていませんでした。

作業時間は5分ほど。
ですが、この作業だけでもけっこう体力を使います。

Sitakke

きょうもみすりをする分のスペースは確保したということで作業は終了!!

きのう収穫し一晩しっかりと乾燥させた「もみ」を機械の中へ。
風圧でもみを壁に押し付けることで殻を割り、玄米を取り出します。

取り出された玄米はさらに機械で大きさごとに選別されます。
小さなものは米粉や、加工品の材料になり、1.9ミリを超えるものだけが市販用として袋に溜まっていきます。

お米の高騰どう思う?

Sitakke

袋に玄米が溜まるまでの間、私が最近気になっていたお米の価格について、師匠に質問してみました。

いまお米が高くてなかなか買えないと私から切り出してみると…

「そうだね、米も高いが使っている機械も年々高くなって、機械の更新もゆるくない」と師匠が教えてくれました。

「ゆるくない」というのは北海道弁で楽じゃないという意味。

さらに乾燥機の燃料代や、肥料の高騰で採算をとるのが難しい状況が続いていました。

米の販売価格が高くなっていることで、やっと機械が故障してもちゃんと修理に出すことができているのだそう。

でも一方で複雑な思いも教えてくれました。

Sitakke

「でもこれでみんなの主食がパンとかラーメンとかスパゲティになったら、それも残念」

実際に私も、パンやグラノーラ、シリアルなどを食べる機会が増えました。

ある意味、私たち食べる側が生きていくには、安い方を選択するのは普通かもしれません。だけど、やっぱりお米をおいしく食べたい思いも持っています。

作る側の師匠も、価格の上昇を歓迎しつつも、米離れを心配し、おいしいお米を届けようと試行錯誤してくれている…
この日、師匠から話を聞いて「師匠が愛をこめて作ったものを食べたい!」という気持ちになりました。

そして、おいしいお米を作るにはふさわしい「金額」があるということも知りました。
さまざまな大型の専用機械を使いながらもこんなにも手間ひまがかかる米作りの現場をみると、「適正価格」についてとても考えさせられました。

1トンを持ち上げろ!!

Sitakke

さて、袋がいっぱいになったら次の作業。
ちなみに袋には、玄米1トンが入っています…!

師匠が持ってきてくれたのは「ジャッキ」という工具。
ジャッキを使って、てこの原理で1トンの玄米を持ち上げます。
では私も持ち上げに挑戦!

Sitakke

…あれれ。重いです、もう一回やってみます。

1トンのお米を宙に上げて運ぶ予定が、私が宙に浮いてしまいました(笑)

もちろん1トンをそのまま持ち上げるよりは楽なはずですが、お米がしっかりとジャッキに乗ると重くて全然動かないのです…

ジャッキアップは師匠にお任せ…。
無事にジャッキに乗せ終えた玄米を定位置まで運んでいき作業をお手伝いすることに!
1トンのお米袋を2袋運びあげ、作業がようやく終了しました…!

炊きたての白米、師匠のおすすめの食べ方!

刈り取った「もみ」の状態から、乾燥を経て「玄米」になり出荷、米穀店などで最終的に精米されて私たちの食卓に届く新米。

「はいお待たせしました、お疲れ様です!」

師匠が炊きたての白米を持ってきてくれました!わあ!ちょっと遅めの朝ごはんです!

Sitakke

ありがとうございます!お米が輝いている!!

師匠いわく、炊いたばかりのご飯には「おかずをひとつぶっかけて食べるのが一番シンプルでうまい!」とのこと。

Sitakke

今回はイカの塩辛をのせていただきます!

…師匠!おいしすぎます!
あまりのおいしさに思わず天を見上げてしまいました…!

お米一粒一粒がふっくらとしていて、表面がキラキラと輝いています。

前日に食べたおにぎりももちろんおいしかったのですが、炊き立てはもっと甘みが増しています!
今回はイカの塩辛と一緒にいただきましたが、塩辛の塩味とお米の甘さがマッチしています。

Sitakke

「ずいぶんうまそうに食べるね、食べたくなるね」と師匠も私のあまりにも大きい一口に笑ってくださいました。

今回は初めての2日にわたる弟子入り。
お米の出荷までに、稲刈り、脱穀、もみすり、乾燥…こんなに工程があるとは本当に思っていませんでした。もみがらが砂山のようになることも、まったく知らなかったことです。

毎日当たり前に食べているものなのに、なんとなく稲を刈ったらすぐに出荷されるというというイメージだったので、こうした作業を知ると、あらためて普段買っているお米は安すぎるのかと思うぐらい…。

Sitakke

弟子入りをしたからこそ気づけたそんな素直な思いを師匠に伝えてみました。

すると師匠は、「うれしいこと言うね、時間あるときはまた手伝いに来て」とニコニコ笑顔で答えてくれました。

師匠のお米は日本一!!

Sitakke

今回の弟子入りで印象に残っているのは、「主食がパンや麺に変わってほしくない」と言っていた師匠の言葉でした。

私は、お米を「高い」「安い」とスーパーで見かける値段でしか判断していませんでした。
ただ、作っている人側にもたくさんの作業と、それにかかる費用があります。肥料も、機械の燃料代も…すべての値段が上がっているのも事実です。
私たちが買うものは、こうして「主食」を作ってくれている人たちがこれからも作り続けていくことができるのか、自分たち自身の食を守るために見合う金額で買うことが必要なのだと思います。

師匠が作っているお米を食べたとき、生産者の方の努力や思いを知ってから食べることで本当に今までの10倍、100倍おいしく感じました。

そして、なんといっても師匠が一人でお米を作っていることも驚きでした。

こんなにも愛の詰まったお米の裏側を知ってもらって、多くの人に届きますように!

【連載】「師匠!私を弟子にしてください!」

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文|HBCアナウンサー 東峰優華
苫小牧市出身。2024年HBC入社。HBCラジオ「いっちゃんおいしいラジオ」などを担当。趣味はサッカー観戦(コンサドーレサポーター)、耳掃除、散歩。特技はスケート、ザンギ作り。Instagramでも発信中。

編集:Sitakke編集部あい

※掲載の内容は取材時(2025年9月)の情報に基づきます。

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