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「おい、この熨斗はどういうことだ!」結婚式で祖父が激怒…新郎新婦がやってしまった“重大な勘違い”

  • 2026.3.1
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは、ウェディングプランナーの佐藤ちなつです。 本日は、結婚式の引出物に掛ける「熨斗(のし)」にまつわるエピソードをお届けします。

「包装を解けばすぐに捨ててしまうもの」と思われがちですが、実は熨斗には、受け取った方が真っ先に目にする「贈り主の顔」としての重要な役割があります。

熨斗は単なる「名前入りの紙」ではありません

熨斗は単に名前を記すための紙ではありません。その引出物が「両家の縁の証」であり、お越しいただいた皆様へ「両家からの感謝」を示すお品であることを象徴するものです。

特に、親族の方々にとっては非常に重みのあるものです。昨今は、ご入籍後に結婚式を挙げられるカップルも増えており、時代の流れとともに価値観も多様化しています。

しかし、伝統や順序を重んじる世代の方々にとっては、今もなお、お披露目の儀式としての筋道が何より大切にされます。

今回ご紹介するのは、そんな価値観のギャップから、お祖父様を激怒させてしまったあるカップルのトラブル事例です。

「自分たちの名前だけで大丈夫」という過信

そのカップルは、お仕事の都合によるお引越しなどの事情もあり、すでにご入籍を済まされていました。

ご両親はそのことを承知していましたが、ご親族、特に厳格なお祖父様には詳しく伝わっていなかったようです。

プランナーとしてお打ち合わせを進める際、ウェディングプランナーは招待状の文面、席次表の肩書き、そして引出物の熨斗など、マナーが問われる部分については特に念入りにフォローをさせていただきます。

引出物の熨斗に「両家の姓」を並べるのか、それとも「新郎新婦の下のお名前」にするのか。これは「この式の主催者は誰か」を示す極めて重要なポイントです。

私はお二人に「お品物と同じくらい重要ですので、必ず親御様にも確認してくださいね」と何度もお願いしました。

そして、返ってきたお返事は期限ギリギリで、「自分たちの新しい名字だけで作ってください。親にも確認済みで大丈夫です」というものでした。

私は念のため「本当に宜しいのでしょうか?」と何度も再確認しましたが、お二人の意思が固かったため、ご依頼通りに発注を進めることになりました。

披露宴の結び、お祖父様の異変

式当日は天候にも恵まれ、披露宴は笑いと感動に包まれた素晴らしい時間となりました。 新婦様の手紙、両家代表謝辞、新郎様の謝辞……すべてが滞りなく進み、無事にお開きを迎えた、その時です。

お見送りの準備のため、ご両家が一度退席されたわずかな時間に、新郎側のご親族席がざわつき始めました。引出物の袋の中を覗き込んだ新郎のお祖父様が、血相を変えて会場を飛び出してきたのです。

「おい、この熨斗はどういうことだ! なぜあちら様(新婦家)の名前が入っていないんだ!」

困惑する新郎のお父様に、新郎様が慌てて説明しました。 「もう入籍してるし、二人で相談して俺たちの名字だけにしたんだよ」

その瞬間、お祖父様は新郎様とお父様の首根っこを掴むようにして新婦側のご両親の前へ引き連れ、深く頭を下げられました。 「この度は素晴らしいご縁をいただいたというのに、うちの者が大変な失礼をいたしました。どうか今後ともよろしくお願いいたします」と。

熨斗ひとつが「相手方への敬意」を左右する

引出物は、本来「両家からゲストへの贈り物」です。たとえ入籍済みであっても、あるいは婿養子の場合であっても、両家の名前を連ねるのが通例です。

自分たちの新しい名字だけを記載することは、捉え方によっては「相手方の家をないがしろにしている」と受け取られかねないのです。

新婦のお父様は「若い二人がしたことですから、どうか顔を上げてください」と宥めてくださいましたが、お祖父様の怒りは収まりません。

結局、お見送りの際、お祖父様は職場の上司やご友人、ご親族の一人ひとりに「熨斗の件、失礼いたしました」と、お詫びをして回ることになってしまいました。申し訳なさそうに立ち尽くす新郎新婦とお父様の姿が、今も忘れられません。

門出だからこそ「ほう・れん・そう」を大切に

二次会までの空き時間、通常ならゆっくりと食事を楽しむはずの時間も、この日ばかりはお祖父様による「お説教タイム」となりました。

新しい門出だからこそ、古くから大切にされてきた伝統や、相手の家を敬う心を忘れてはいけません。そして何より、プランナーからの確認事項は自分たちだけで判断せず、必ずご家族へ「報告・連絡・相談」をしてくださいね。

それが、結果としてお二人自身と、ご両家の絆を守ることにつながるのですから。


ライター:佐藤 ちなつ

初めてのアルバイトが結婚式場のサービススタッフでした。みんなで創り上げる特別な時間が本当に大好きでした。一般企業に就職中に、結婚式の新規会場がオープンすることを知り、この好機を逃すまいと勢いに任せて転職。その後ウェディングプランナーを努め、延べ9年間800組近くの結婚式に携わらせていただきました。笑いあり、涙ありの結婚式、また普段なかなか見えてこない珍エピソードなどをお伝えします。


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