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60代女性「疑われないといけないんですか?」息子の口座を代理開設しようとした母…数日後、息子が明かした事情に「背筋が伸びた」

  • 2026.6.16
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出典:photoAC ※画像はイメージです。

こんにちは。くまえり銀行員です。
今日は、銀行窓口で意外と多い「口座開設時の本人確認トラブル」についてお話しします。

銀行の窓口では、毎日のように「家族だから問題ないですよね?」という言葉を耳にします。

ですが実際には、その“家族だからこそ”起きてしまう行き違いやトラブルが少なくありません。

特に最近は、マネーロンダリング対策や特殊詐欺防止の強化により、本人確認のルールが以前よりかなり厳格になっています。
「昔はできたのに、今回は断られた」
そんな戸惑いの声も、窓口ではよく聞かれます。

でも、その裏側では銀行員もまた、簡単には割り切れない場面に向き合っています。

「息子の口座なんですけど」窓口で空気が変わった瞬間

ある日、60代くらいの女性が来店されました。

「息子が仕事で来られないので、代わりに口座を作りたいんです」

そう言って、息子さんの健康保険証と住民票を差し出されました。

昔なら、地域性や状況によっては柔軟に対応されていた時代もあったのかもしれません。
ですが現在は、本人確認に関するルールが厳格化されており、“本人の意思確認”が非常に重視されています。

私は、慎重に確認を進めました。

「ご本人様とは、今ご連絡が取れますか?」

すると女性は、少し不機嫌そうに言いました。

「親ですよ? そんなに疑われないといけないんですか?」

窓口の空気が、一気に張り詰めた瞬間でした。

銀行員が怖いのは、“怒られること”ではない

こういう場面で、銀行員が本当に怖いのは、お客様から怒られることではありません。

もし、本人の意思確認が不十分なまま口座を開設し、その口座が犯罪や金銭トラブルに利用された場合。

後から、
「頼んでいない」
「勝手に作られた」
という話になるケースが、実際にあるからです。

特に家族間では、お金の貸し借り、相続、離婚、認知症など、外から見えない事情が絡んでいることも少なくありません。

銀行員は、表面上の“仲の良さ”だけでは判断できない世界を日々見ています。

だからこそ、窓口では時に「冷たい」と思われるほど慎重な確認が必要になるのです。

「家族なのに」が、一番難しいこともある

実は銀行窓口では、赤の他人よりも“家族”のほうが慎重になるケースがあります。

・親が子どもの通帳を管理している
・夫婦でお金を共有している
・高齢の親の代わりに手続きをしたい

どれも日常では自然なことです。

ですが銀行では、「本人の財産を守る」という視点が最優先になります。

そのため、

「委任状が必要です」
「ご本人様の来店をお願いしています」
「追加確認が必要です」

と言われることがあります。

窓口で断られたように感じる方もいますが、実際には“お客様を守るため”の確認でもあるのです。

窓口で見えた、“本当の理由”

あの日の女性には、最終的に息子さんご本人へ電話確認を行い、後日あらためて本人来店で手続きをお願いしました。

すると数日後、息子さんが一人で来店され、ぽつりとこう言いました。

「実は母に内緒の事情があって……勝手に口座を見られたくなかったんです」

私は、その言葉を聞いて少し背筋が伸びました。

もし、あの日そのまま口座を作っていたら。

“家族だから大丈夫”という思い込みで、本人の意思を傷つけていたかもしれない。

窓口では、そんな“見えない事情”と向き合うことがあります。

読者の方へ口座開設前に知っておきたいこと

銀行の本人確認は、年々厳格化しています。

現在は「犯罪収益移転防止法」に基づき、本人確認書類の確認や、取引目的の確認が必要です。
オンライン口座開設でも、ICチップ読取や顔認証などが導入され、不正防止対策が強化されています。

そのため、

・家族でも代理手続きできない場合がある
・本人確認書類だけでは受付できない場合がある
・追加確認や来店依頼が発生する場合がある

という点は、事前に知っておくと安心です。

「厳しすぎる」と感じる場面もあるかもしれません。

でもその裏側では、銀行員もまた、“誰かのお金と人生”を守る責任を背負いながら対応しています。

窓口で少し確認が多かった日には、
「何かを守るためなんだな」と、少しだけ思い出してもらえたら嬉しいです。


ライター:くまえり銀行員
金融機関の窓口業務に携わり、日々さまざまなお客様対応を経験。
忙しい日常の中で起こりがちな銀行手続きの行き違いやトラブルを、窓口の内側から見た視点で、読者に寄り添いながら伝えています。「知らなかった」が「なるほど」に変わる瞬間を大切に執筆中。


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