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機内で「いい加減にしなさい!」母に怒られ泣く少女。元CAが無力感に包まれた時、後輩が放った“救いの一言”

  • 2026.3.2
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。大手航空会社で10年間、CAとして勤務しておりましたSAKURAです。

皆さんは、自分の「特技」を意識したことはありますか?

「自分には何もない」と感じる方もいるかもしれません。

意識しないような「小さな得意」は、誰かの役に立った時に「特技」として実感するものです。

CAのおもてなしも同じです。

一人では解決できないことも、チームでそれぞれの強みを掛け合わせることで、思いがけない「喜び」や「感動」が生まれることがあります。

今回は、小さな「得意」がチームの力となり、ある女の子を救った実例をお話しします。

仕事とは無関係に思えるあなたの強みも、実は誰かの助けになる日が来るかもしれません。

満席の機内、女の子の涙の理由

それは、満席のリゾート路線での出来事でした。

賑やかな機内でお飲み物を提供していると、数列先から揉めているような声が聞こえてきました。

その列の順番になると、ご家族連れの五歳くらいの女の子が「ジュースはいらない!」と叫び、お母様も「いい加減にしなさい!」と、よくある親子喧嘩をしていたのです。

私は、どうお声掛けすべきか迷いながら「お飲み物はいかがですか?」と伺いました。

お母様は不機嫌そうに女の子の分も答え、女の子は大事そうに人形を抱えて目に涙を浮かべていました。

私は落ち着くのを待ち、サービス後、再度そのご家族の元へ向かいました。

キャンディを渡しながら「ジュースはお飲みになれましたか?」と聞くと、冷静になったお母様が「はい。実は……人形の服が破けたんです」と恥ずかしそうに答えました。

 限界を打ち消した、予期せぬ救世主

その人形を見せていただくと、確かに服の後ろが大きく破れていました。

小さな人形で修復は難しそうでしたが、旅行へ持ってくるほど大切な存在なのだろうと察しました。

機内でできることは、せめて女の子の気持ちに寄り添うことだと思い、状況を他のCAにも共有しました。

すると、まさに青天の霹靂。別のエリアを担当していた後輩のA子が「携帯用の裁縫セットを持っているので、直せるかもしれません」と言うのです。

無力さを感じていた私にとって、彼女の一言は、何より心強い救いでした。

朗報を伝え、お母様から人形を預かると、A子は手際よくあっという間に修復してしまいました。

女の子は人形を手にすると、驚いたように目をキラキラと輝かせ、一瞬で笑顔に変わりました。

降り際には「ありがとう。またお姉さんたちの飛行機に乗りたい」と嬉しそうに降りていき、私たちも温かい気持ちになりました。

誰かの「当たり前」が、チームの救いになる

この出来事から、仕事に直結しないような「個人の得意」も、「共有」一つで誰かを救う大きな力に変わるという、チームプレイの大切さを学びました。

それは決して特別なことではなく、普段当たり前にやっていることこそが、時に大きな力になり、お客様の「喜び」や「感動」に繋がるのです。

「何もない」と感じるあなたへ

「自分には何もできない」

そう思うときほど、周りの仲間に声をかけてみてください。

小さな気づきを共有し、誰かの小さな得意を掛け合わせる。

その連鎖こそが、マニュアルを超えた「おもてなし」を生み出し、誰かを救う力になるのです。

あなたの持っている「小さな得意」も、誰かを笑顔にする「最強の特技」になる日が来るかもしれません。


ライター:SAKURA * 心を読む元国際線CA

日系大手航空会社にて10年間、客室乗務員(CA)として勤務。国内線・国際線を経験し、多種多様なお客様と接する中で「感情を読み解く力」を磨く。客室責任者としてVIP対応や後輩育成に携わる傍ら、社内の人材教育やグループ会社での業務にも携わり、多角的な視点から接客のあり方を見つめてきた。

現在は、その鋭い洞察力を活かし、言葉だけでない、「心理的・物理的アプローチによるクレーム回避術」を発信するライターとして活動中。国内線での細やかな気配りから国際線での難しい状況判断まで、現場での実体験に基づいた「心に届く接客のヒント」を言語化し、接客業にとどまらず、人と人とがよりよい関係を築けるサポートをしている。


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