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保護者「うちの子はいじめられてるの?」靴箱の靴が頻繁に失くなる児童…後から発覚した“予想外の犯人”

  • 2026.2.26
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。元小学校教員ライターの、みずいろ文具です。

少しデリケートな話題ですが、学校現場で何度か遭遇してきた「靴隠し」について書きます。
これは、担任の頭をとても悩ませる出来事のひとつです。

「先生、わたしの靴がない」

「先生、靴箱にわたしの靴がない」
こう言われた瞬間、「来たか…」と冷汗が出そうになります。

子どもの心を傷つけ、担任を悩ませる靴隠し。
起こってしまった場合は、当然学級で話をします。

「考えたくはないが、誰かがもし故意に隠したのであれば、絶対にいけないこと」

子どもたちの間に、「誰かがやったのかもしれない…」と、とても嫌な空気が漂います。

靴隠しは“その場で見た”という証拠が残りにくく、やった子を特定するのは非常に難しいです。

担任としては、決めつけずに、でも見過ごさずに向き合わなければいけません。

しかも厄介なのは、「自分の学級の子がやった」とは限らないことです。

靴箱は玄関にあります。休み時間や登下校で他の学級や学年の子が通ることもありますから、分からないことだらけなのです。

保護者の不安に、担任はどう答えるのか

靴隠しが続けば、保護者の方は当然心配します。
「うちの子はいじめられているの?」そう、不安になるのは当たり前です。

担任としてできるのは、現時点の事実を丁寧に伝えた上で、

「こんなことになって申し訳ございません。学校として見守り、必要な対応をしていきます」
とお伝えすることしかありません。

正直、胸が痛い時間です。
担任として関わり方に課題があったのかもしれない、と落ち込みました。

靴隠しが続いたAさんのケース

以前、私が担任していたクラスで、Aさんの靴が見当たらなくなることが何度か続きました。

前日の放課後は靴箱にあったはずなのに、朝登校するとないのです。

みんなで探すと、ごみばこから出てきたり、別の学年の靴箱の奥から見つかったり…。

何度も繰り返すほど、「また?」という空気がクラスに広がっていきました。

私はそのたびに学級で話をし、Aさんの様子にも目を配り、休み時間の動きもさりげなく確認しました。
けれど、手がかりはなかなか出てきません。

ところがある日、学級の児童から目撃情報が入りました。

これはあくまで私が経験した、数あるケースの中の一つです。

結論から言うと、Aさんは“自分で隠していた”ことが分かったのです

「自作自演だった」で終わらせてはいけない

まず明確にしたいのは、靴隠しは決して許される行為ではなく、その多くが悪意やいじめに繋がりうる深刻な問題だということです。

この話は、誰かを責めたいわけではありません。
「自分でやったのなら大丈夫」と簡単に片付けられる話でもありません。

Aさんがこぼした言葉は、こうでした。
クラスのみんなや家族が心配してくれるのが、うれしかった

その瞬間、私は何とも言えない気持ちになりました。
自分でこっそりと靴を隠していたのは、「気にかけてほしい」「私を見てほしい」という気持ちの現れだったのです。

靴隠しに潜むSОS

もちろん、靴隠しが全て自作自演ではありませんし、原因も同じではありません。

誰かが悪意をもってやってしまうこともあるでしょう。

ただ、ひとつだけ言えるのは、靴隠しが起きたとき、そこには何らかの「困りごと」や「満たされなさ」が潜んでいるということです。

だから担任は、
「やった子を見つけて終わり」
にしないように気をつけます。

再発を防ぐこと、安心して過ごせる空気を作ること、困っている子が相談できる道を残すこと。
その全てが必要になります。

「ちゃんと見ているよ」と伝える

この出来事以降、私は 「小さなサインを見逃さない」ことをさらに意識するようになりました。

朝の表情、休み時間の過ごし方、給食中の会話、帰り支度の手つき。
一人ひとりに目を向け、「ちゃんと見ているよ」と伝わる関わりを重ねる。

特別な声かけでなくてもいいのです。
「おはよう」「今日の係、助かったよ」
そんな一言で、子どもは“見てもらえている”と感じるのです。

靴隠しは、担任にとって本当に苦しい出来事です。
でも、その苦しさを経て、より強くこう思います。

子どもたちに必要なのは、安心して気持ちを出せる場所と、信頼できる大人のまなざしなのだと。



ライター:みずいろ文具

関東の公立小学校で15年間、子どもたちと向き合ってきました。教室での日々を通して感じた喜びや戸惑い、子どもたちから教わったことを、今は言葉にしています。教育現場のリアルや、子どもたちの小さな成長の瞬間を、やさしい視点でお届けします。


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