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大発生からの明暗…オオズワイガニは「幻の裏メニュー」に?移動の謎を専門家が解明

  • 2026.1.7

皆さんが抱えている「なぜ?」「どうして?」を調査する、HBC「もんすけ調査隊」。
2年前に1匹100円で投げ売りされた、あの海の厄介者。あれからどうなったのでしょうか?

大発生から2年!オオズワイガニはいま

函館在住のまことさん(50代)からの依頼は「最近、噴火湾のオオズワイガニがとれなくなったと聞きました。調べてください」というもの。

2年前、北海道南部の噴火湾や日高沖ではオオズワイガニが大発生。
1匹100円で投げ売りされ、「海の厄介者」とさえ呼ばれていました。

Sitakke
2023年

ですが翌年、もんすけ調査隊ではまったく別の姿を目撃。
サイズは大きく成長し、全国から注文が殺到し「人気のカニ」へと変貌していたのです。

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ところが2025年の夏、今度はそのカニの群れが突如姿を消しました。

調査員が向かった登別漁港は、タラ漁の最盛期を迎えていましたがオオズワイガニの姿はありません。
何が起きているのでしょうか。

「オオズワイガニはだいぶ減ったね」
「日高で騒いでいたときから見たら、だいぶ減ったかな」

漁師たちはそう話します。
実はオオズワイガニ、1986年に大発生したときには翌年に一気に激減。
「幻のカニ」となったことがありました。

今回も同じことが起きたのでしょうか。

すると漁師が「いる場所が違うんだよ」と一言。
では、居場所はどこなのでしょう?

極上のカニは、どこからくるのか?

Sitakke
現在は予約のみの「裏メニュー」

向かったのは、道南森町の「寿司眞岡」。
2年前、「オオズワイガニを名物にする」と意気込んでいたのですが…。

店の石岡眞喜雄会長に話を聞くと「いまはあんまり出ない。値段が高くなったから」と話します。

2年前は大小含めて1キロ500円くらいだったものが、「極上品」となるといまは1キロ5000~7000円だといいます。

2年前から実に10倍…。
大きく立派に成長したことで価格が高騰し、いまや予約客にしか出さない「幻の裏メニュー」となっていたのです。

そんな「極上のカニ」は、どこからくるのか石岡会長に聞いてみると…

「噴火湾のオオズワイは小さい。だからえりもから大きいカニを持ってきている」

さっそく噴火湾の東側、遠く離れたえりも町に向かうと、その光景に目を疑いました。

まるで別物のように

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そこにいたのは水槽にびっしり入った巨大なオオズワイガニ。
以前は「小さな厄介者」と見られていたそのカニは、まるで別物のように、巨大化していた。

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えりも漁協の金子武彦参事は「ほとんどのサイズが『大』になった。大きくなりました。漁師にも漁協にも救世主」と笑顔です。

噴火湾から消えた一方、えりもでは豊漁。まさに救世主となっていたオオズワイガニ。
海の中で何が起きているのか?専門家のもとを訪ねてみました。

海深くへ追いやった原因

話を聞いたのは北大大学院・水産化学研究院の山村織生准教授。

「オオズワイガニは成長するにつれて深いほうへ生息場所を移動するのが一般的な傾向」だといいます。

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「噴火湾は浅いので、夏に水温が上がると、底に近い部分も水温が上がってくるので、どうしても外に出て行かざるを得ない状況」

成長するにつれ、より深い海で生息するようになるカニ。
ただ、2025年の記録的な猛暑が早々と、海深くへ追いやった可能性があるのです。

2025年7月下旬の海面温度は、噴火湾で25℃。
この暑さを嫌い、冷たい海水温を求めてオオズワイガニは移動したのかもしれません。
この「海の異変」は、鮮魚店でも感じられていました。

「どうなっているんだろう」海の異変

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中島廉売「紺地鮮魚」 函館市中島町

函館の紺地鮮魚の紺地慶一さんは「ことしは本当に異常といえば異常。函館では見ない魚や北海道では取れない魚が取れる。どうなっているんだろう、海の中?って思った」と危機感を抱いています。

ベテランの店主が感じた海の異変。北海道の市場では、見慣れない魚が次々と並んでいます。

一方、えりも沖では、独特の地形や親潮の変化などで、比較的に冷涼だったため、オオズワイガニが留まり続けていると見られています。

北大大学院・水産化学研究院の山村織生准教授は「えりも沖には『海底谷』と呼ばれる深い谷があり、こういう複雑な地形が良い漁場を作る」と話します。

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えりも沖の深く、冷たい海底谷。
そこがカニたちの避暑地となり、えりもの豊漁を支えているのです。

「イレギュラーな変化というのは、温暖化の影響を受けている可能性はあると感じている」

未知なる北の海の変化。
厄介者とされたオオズワイガニの動きは、激変する海の姿を映す鏡なのかもしれません。

調査結果

オオズワイガニは猛暑の噴火湾を避け、より涼しい海域に移動している可能性が高いということです。
気候変動の影響が、私たちの食卓を直撃しています。
今後も注視していくことが必要です。

文:HBC報道部もんすけ調査隊
編集:Sitakke編集部あい

※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2025年12月12日)の情報に基づきます。

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