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「じゃない方」って言わせない!生産1.5%の北海道米「きたくりん」の実力に注目

  • 2025.12.21

コメの価格が過去最高値を更新。消費者の「米離れ」の声も聞かれるなか、コスパも良く、おいしい北海道米を作ろうと上川の農家が奮闘しています。

日本有数の米どころ、山形県で開かれた、コメのおいしさを競う全国コンテストは2025年で19回目。
伝統の大会には、全国の生産者から500点ものコメがエントリーしました。

名だたるブランド米のなかから、見事、決勝戦に進出したのは上川・当麻町の農家が出品した、北海道米「きたくりん」です!

舟山農産の舟山賢治さんは「北海道でもこういうおいしいコメが『ゆめぴりか』や『ななつぼし』以外にもあることを知ってほしくて『きたくりん』で参加した」と話します。

Sitakke

北海道米は「ななつぼし」や「ゆめぴりか」だけじゃない!「きたくりん」に情熱を注ぐコメ農家の思いを取材しました。

学校給食にも採用!北海道米「きたくりん」

いまや全国2位の生産量を誇る北海道米。
道内の生産量は、エースの「ななつぼし」と「ゆめぴりか」で全体の7割を占め、そのおいしさは全国に知られています。

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当麻町の米農家・舟山賢治(ふなやま・けんじ)さんは「ななつぼし」や「ゆめぴりか」など7種類の米を生産しています。
山形での全国コンテストには、あえて「きたくりん」で勝負に出ました。

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当麻町提供

「当麻町の学校給食で『きたくりん』を採用していて、学校給食に出すコメの栽培を任されているので、普通の品種よりも思い入れが強い品種です。そんなおいしいコメだったので、審査してもらえるうちに賞を取りたかった」

「きたくりん」の特長は「強さ」と「おいしさ」です。
病気や害虫に強く、農薬の量を減らして生産できます。

適度な粘りと、あっさりとした甘みで、食味では「ななつぼし」を上回ると評価されています。

道内で生産が始まって13年。当初は、各地で作付けする農家がいたものの、いまは、全体のわずか1.5パーセントにとどまっています。

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「ゆめぴりか」のヒットで、北海道米のブランド力は格段に向上した一方、道外の生産者も、北海道に負けじと研究を重ね、ヒット作を送り出しています。

「お米マイスター」の資格も持つ舟山さんは味も良く、育てやすい「きたくりん」に、もっと光が当たってほしいと思っています。

「北海道のコメにもおいしくて新しいものが、いいものがどんどんできていることを知ってもらえるきっかけになるんじゃないかと」

どうやって審査するの?

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「きたくりんはきっと誰も聞いたこともない品種だと思うのでどういう反応になるか。『なんだそれ?』ってなるのか、ちょっと楽しみな反面、どのような結果になるか…」

舟山さんは不安を口にします。

舟山さんは新しい品種や新たな栽培技術で作った米のおいしさを競う「ネクスト部門」に参加。70点の米のなかから、舟山さんの「きたくりん」を含む、6点が決勝に進みました。

審査員は、決まった条件で炊いたご飯を、お供なしで味わいます。
生産者と銘柄は伏せられ、「味」「香り」「粘り」などで評価。
一番おいしかった米が「最優秀金賞」に選ばれます。

山形県庄内町農林課・河村祥子農産係長に「地元が有利か」をたずねると「そんなことはなく、忖度はない」とのこと。

特別審査員の阿部耕祐さんは「おいしいが基本にあって、少しずつ違って大変おいしかった」と話します。

結果発表!

会場MCが最優秀賞を発表します。

「ネクスト部門、最優秀金賞は『オ』の熊本県の有限会社アグリテック保久土、中山北斗さん『ぴかまる』です!おめでとうございます!」

トップは叶いませんでしたが、舟山さんは堂々の優秀金賞!
北海道の「きたくりん」の存在感を全国に示しました。

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「自分の食べている自信があったコメだったので、余計に悔しい」と話す舟山さん。

「きたくりんはコンテストに出られるおいしいコメで、道内の中学生・高校生がコメ農家に対して、かっこいい・私もやってみたいと思えるような農家になれたら」

「きたくりん」の特長

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道内生産量の1.5%しか作られていない「きたくりん」にはこんな特長があります。

病気・害虫に強い
農薬の使用を減らせるので、生産コストの削減が期待されます。

おいしい
研究機関が行った食味試験では「ななつぼし」を やや上回る評価も。
「きたくりん」は、物価高騰の時代にマッチしたコメで、 舟山さんは「特色ある北海道米が多くあることを消費者に知ってほしい」と話していました。

期待の新品種

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北海道米では、個性的な品種が誕生しています。

①「えみまる
何と田植えがない品種です。
種もみを田んぼに直播(ちょくはん)=直まきするので、苗を育てる作業が省けます。
しかも「ななつぼし」並みのおいしさといわれ、次なる道産米のエースの呼び声が高いです。

②「そらきらり
2023年、北海道が優良品種に認定した新品種で、「きらら397」の後継品種です。
「きたくりん」と同じく病気に強く、安定した収量が見込まれます。

文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい

※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2025年12月1日)の情報に基づきます。

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