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冬の夜、ワイン片手に作りたい「豚肉と豆の煮込みオーブン焼き」「ブロッコリーとゆで卵の温菜」「カブとパクチーのサラダ」。渡辺有子の料理教室2年目12月

  • 2025.12.15

料理家の渡辺有子さんが先生に、ライターの吉田直子さんが生徒に。本誌で連載中の「&Cooking 渡辺有子の料理教室ノート」がWebでも読めるようになりました。2年目12月のテーマは、「冬の夜、おいしいワインを準備して」。3つのレシピを紹介します。

白インゲン豆は豚肉と。カブはパクチーと合わせます。ブロッコリーはゆで卵と温菜に。

冬の夜、おいしいワインを準備して。

先生:今年も残すところあとわずか。直子さんも四季折々の料理をよく学んできましたね。

生徒:はい。これがもっと優秀な生徒だったら今頃は……。今年もまた、おいしかった記憶だけがインプットされております。

先生:そういう生徒のほうが、こちらも教えがいがありますよ。

生徒:有子先生~(涙)。

先生:さて、今月は煮込み料理をメインに、前菜やサラダを作っていきます。まずは「豚肉と豆の煮込みオーブン焼き」から。乾燥の白インゲン豆を使うので、前の晩に水に浸けて戻しておいてください。戻した豆を鍋に入れて水を注ぎ、ローリエを入れて火にかけ、沸騰したら弱火にして30分ほど茹でます。この茹で汁は、肉を煮込むときに使うので取っておいてね。

生徒:豚バラ肉に粗塩をすりこむ仕事、担当させてください! 玉ネギとニンニクも私が半分に切っておきます!

先生:どれも簡単な作業ですけど、やる気は感じましたよ。では、フライパンをよく熱して、豚バラ肉を焼き目がつくまでしっかり焼きましょう。焼けたら厚手の鍋に入れて、玉ネギ、ニンニク、タイム、ローリエも加え、豆の茹で汁を注いだらフタをして強火にかけます。ひと煮立ちしたらアクを取って、白ワインを注ぎましょう。あとはフタをして、弱めの中火で1時間30分煮込みます。

生徒:寒い冬の夜に、ワイン片手に取り組みたい料理ですね。待ち時間も楽しめそう。

先生:煮込む間に前菜とサラダを作れば、ちょっとしたおもてなし料理ができますよ。

生徒:なんだかやる気が湧くなぁ~。

先生:続いて「ブロッコリーとゆで卵の温菜」です。ブロッコリーは小房にして鍋の中へ。ニンニク、水、粗塩、オリーブオイルも入れてフタを。弱火で12分蒸し煮にしたら、ミキサーにかけて粗めのペーストにします。

生徒:パンにのせてつまみにしたい……。

先生:ヨーグルト、フレンチマスタード、オリーブオイルをボウルに入れてソースを作っておきます。沸騰したお湯に卵を入れ、7分40秒で半熟ゆで卵を作ります。熱いうちに殻をむいて縦半分に切ってね。アンチョビも縦半分に。皿にソースを敷いて、ゆで卵を並べ、ペースト状のブロッコリーとアンチョビをのせたら白胡椒を挽きましょう。

生徒:これは飲めちゃうなぁ。

先生:ゆで卵はラップをかけた上から包丁を入れるときれいに切れますよ。さてもう一品、「カブとパクチーのサラダ」です。カブは、皮をむいたら薄い輪切りにして、ボウルに入れて塩をふってなじませます。そこにパクチーの葉とシラスを加えて、レモン汁、太白胡麻油をふって、ざっと和えたら完成です。

生徒:さっぱり味ながらコクもありますね。

先生:少しの太白胡麻油がこのコクを出すの。

生徒:鍋の中の豚肉もいい感じです!

先生:では、タイムとローリエを取り出して、軟らかくなった豚肉を木べらでほぐしましょう。トマトペーストと白インゲン豆を入れて混ぜたらフタをし、さらに弱火で30分煮込みます。耐熱容器に移したら、パン粉を軽くふってオリーブオイルを回しかけ、200℃に温めたオーブンで5~10分焼きますよ。このパン粉の焦げ目が豚肉や豆と合うの。

生徒:完成までにほろ酔い状態になりそう〜。

1.豚肉と豆の煮込みオーブン焼き

出典 andpremium.jp
豚バラ肉を豆の茹で汁でホロホロになるまで煮込むので、鍋は厚手のものが良い。
肉や玉ネギ、ハーブのいい味を白インゲン豆にたっぷり吸わせることが味の要。

〈材料〉3〜4人分

豚バラ肉(塊)…500g
白インゲン豆(乾燥)…150g
水…1,200㎖
玉ネギ…1/2個
ニンニク…1かけ
トマトペースト…35g
タイム…3~4本
ローリエ…2枚
白ワイン…50㎖
粗塩…6~7g
パン粉…適量
オリーブオイル…適量

〈作り方〉
1.白インゲン豆は一晩水で戻しておく。鍋に入れて分量の水を注ぎ、ローリエ(1枚)を入れて火にかける。沸騰したら弱火にして30分ほど茹でる。茹で汁は取っておく。

2.豚バラ肉に粗塩をすりこみ、室温に戻す。玉ネギとニンニクを半分に切る。

3.フライパンをよく熱し、豚バラ肉を焼き目がつくようにしっかり焼く。

4.厚手の鍋に豚バラ肉を入れて、玉ネギ、ニンニク、タイム、ローリエ(1枚)を入れ、1の茹で汁(分量900㎖。足りなければ水を足す)を注ぎ、フタをして強火にかける。ひと煮立ちしたらアクを取り、白ワインを注ぐ。フタをして中火弱で1時間30分煮込む。タイム、ローリエを取り出し、軟らかくなった豚肉を木べらなどでほぐす。

5.トマトペーストと白インゲン豆を入れて混ぜ、フタをしてさらに弱火で30分煮込む。耐熱容器に移し、パン粉を軽くふり、オリーブオイルをまわしかけて、200℃に温めたオーブンで5~10分ほど焼く。

2.ブロッコリーとゆで卵の温菜

出典 andpremium.jp
ゆで卵を半分に切るときは、ラップの上からカットすると白身に黄身がつかない。
縦半分に切ったアンチョビは、盛り付け箸を使ってくるりと巻くようにのせる。

〈材料〉2〜4人分

ブロッコリー…小1/2個
卵…4個
ニンニク…1/5かけ
水…70㎖
粗塩…ふたつまみ
オリーブオイル…小さじ2
ヨーグルト…60g
フレンチマスタード…10g
アンチョビフィレ…4枚
白胡椒…適量

〈作り方〉
1.ブロッコリーは小房にして鍋に入れる。ニンニク、分量の水、粗塩、オリーブオイル小さじ1を入れ、フタをして弱火で12分蒸し煮にする。ミキサーにかけて粗めのペーストにする。煮汁が多い場合は調節しながら加える。

2.ボウルにヨーグルト、フレンチマスタード、オリーブオイル小さじ1を入れて、合わせておく。

3.鍋に湯を沸かし、沸騰したところに卵を入れて7分40秒茹でる。熱いうちに殻をむき、縦半分に切る。アンチョビも縦半分に切る。

4.皿に2を敷き、ゆで卵を並べ、1とアンチョビをのせ、白胡椒を挽く。

3.カブとパクチーのサラダ

出典 andpremium.jp
カブと塩をボウルに入れて、なじんだらサーバーなどで他の材料と和える。
一連の作業にサーバーを使えば、そのまま皿への盛り付けもスムーズ。

〈材料〉2人分

カブ…3個
パクチーの葉…1茎分
シラス…30g
レモン汁…大さじ1
塩…ふたつまみ
太白胡麻油…小さじ2

〈作り方〉
1.カブは皮をむき、薄い輪切りにする。ボウルに入れ、塩をふってなじませておく。

2.1のボウルにパクチーの葉、シラスを加え、レモン汁、太白胡麻油をふり、ざっと和える。

豚バラ肉の塊がホロホロ軟らかくなるまで煮込む。このままでも十分おいしいが、オーブンで焼き目をつければ目にも嬉しい一品に。
出典 andpremium.jp
渡辺有子 先生

わたなべ・ゆうこ/東京都生まれ。料理家。スタジオ「FOOD FOR THOUGHT」にて、料理教室や食にまつわるイベントを開催。東京・代々木上原と西荻窪で、同名の器店をディレクション。作家ものの器や食まわりの商品を扱う。『料理と私』(晶文社)、『渡辺有子の家庭料理』(主婦と生活社)など著書多数。旬の素材を生かしたシンプルでおいしい料理に定評があり、いつまでも初心者気分でいつづける生徒・吉田直子にも、懇切丁寧に料理を教える。

出典 andpremium.jp
吉田直子 生徒

よしだ・なおこ/東京都生まれ。ライター。冠婚葬祭で使う小物とジュエリーのブランド〈シュオ〉のディレクター、ファッションブランドのプレスを務めるなど、フレキシブルに働く1 児の母。2019年、絵本『こっぷんとかっぷん』(絵・よこやまかんた/若芽舎)を刊行。2020年には蒼井優の著書『今日もかき氷【進化版】』(マガジンハウス)の編集を手がける。渡辺有子の料理教室で毎月記事をまとめているが、いまだに作るよりも食べることを好む。

photo : Wakana Baba text : Naoko Yoshida

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