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染織・工芸・絵画の展覧会カレンダー|2025年12月

  • 2025.12.2
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関東【群馬】高崎市染料植物園 企画展「紺屋物語―浜染工房の115年」

《12月14日まで》浜染工房は、諏訪の紺屋「紫屋」で修業した浜茂人が、旧城下町・松本市で明治44年に開業した紺屋です。初代茂人は、草木染の命名者・山崎斌(やまざきあきら)が昭和4年に松本市に開設した信濃工芸指導所においても染色主任として指導にあたり、太平洋戦争後は二代岸治とともに藍染、草木染の再興に尽力しました。

その後、もっとも困難な技法のひとつである藍染の型染を生業として専業し、現在、三代完治が営む浜染工房は、日本でも数少ない伝統的な加温醗酵建を続けている長野県唯一の紺屋で、型染を中心とした高い技術によって作品を作り続けています。

複雑な文様を繊細な色相で染め上げ、寒冷地ならではの冴えた白地に映える藍色の美しさは100年を超える歴史を有する蓄積と洗練によって生み出されたものです。本展では、浜染工房の歴史を物語る資料や藍染作品を展示し、藍染の奥深い染色技術を紹介します。

■会期/開催中 ~2025年12月14日(日)
■会場/高崎市染料植物園
(群馬県高崎市寺尾町2302-11)
■休館日/11月4日・10日・17日・25日、12月1日・8日
■料金/一般200円ほか

(濱 完治作 《希望》)

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関東【千葉】国立歴史民俗博物館「野村正治郎とジャポニスムの時代―着物を世界に広げた人物」

《12月21日まで》本展は、国立歴史民俗博物館を代表する収蔵品の一つである「野村正治郎衣裳コレクション」を通して、野村正治郎(1880~1943)の人物像を紹介するものです。

「野村正治郎衣裳コレクション」とは、京都の美術商であり、着物を中心に近世日本の染織品を収集していた野村正治郎が築きあげた服飾品・装身具の一大コレクションです。着物、衣桁にかかった着物をかたどって貼装した「時代小袖雛形屛風」、袖形に装幀した小袖裂など、その数は1000点以上。

野村正治郎は、美術商として染織品を販売する一方、近世のきものを多数収集。研究家としても活動し、コレクションの公開や図版集の販売などを通じて、日本の染織の素晴らしさを国内外で紹介してきました。

こうしたさまざまな角度から、正治郎の生涯をコレクションとともに振り返ります。野村コレクションを同館でまとまった形で紹介するのは約30年ぶり。初公開や100年ぶりの公開となる作品を含む、必見の展覧会です。

■会期/開催中 ~2025年12月21日(日)
前期:開催中 ~11月24日(月・振)
後期: 11月26日(水)~12月21日(日)
■会場/国立歴史民俗博物館 企画展示室A・B
(千葉県佐倉市城内町117)
■休館日/月曜日(月曜日が休日の場合は開館し、翌平日に休館)
■料金/一般1,000円ほか

(竹垣文字模様小袖・竹垣唐松文字模様小袖/国立歴史民俗博物館蔵 野村正治郎衣裳コレクション)

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関東【東京】根津美術館 在原業平生誕1200年記念 特別展「伊勢物語 —美術が映す王朝の恋とうた—」

《12月7日まで》平安時代前期に活躍した在原業平(825〜880)は、天皇の孫で、和歌に優れた貴公子です。『古今和歌集』などに収められる業平の和歌からは、恋多き生き方も浮かび上がってきます。

そうした業平の和歌を中心とする短編物語集が『伊勢物語』です。『古今和歌集』が成立する延喜5年(905)より少し前から10世紀後半にかけて徐々に章段を増し、やがて125段からなる形が定着しました。 続く11世紀初頭に書かれた『源氏物語』の「絵合」巻には、絵の優劣を競う遊びのなかで伊勢物語絵巻が登場し、物語がすでに絵に描かれていたことをうかがわせます。以降、『伊勢物語』は、『源氏物語』と並び、日本の文化・芸術のあらゆる分野に多大な影響を与えることになります。

2025年は業平の生誕1200年にあたることを記念して『伊勢物語』が生み出した書、絵画、工芸を一堂に集める展覧会を開催します。『伊勢物語』の核心をなす和歌に焦点をあわせ、それを味わいながら、また『伊勢物語』の造形化における和歌の働きに注目しながら、関連作品を紹介します。

■会期/開催中 ~2025年12月7日(日)
※会期中に一部展示替えあり
■会場/根津美術館 展示室1・2・5
(東京都港区南青山6‐5‐1)
■休館日/月曜日
■料金/オンライン日時指定予約:一般 1,500円 当日券:一般1,600円

(重要文化財 岩佐又兵衛 《伊勢物語 梓弓図》 江戸時代・ 17世紀/文化庁蔵)

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関東【東京】荏原 畠山美術館「新館開館一周年記念『数寄者』の現代―即翁と杉本博司、その伝統と創造」

《12月14日まで》荏原 畠山美術館のコレクションと現代美術作家 杉本博司の作品およびそのコレクションで構成する展覧会。日本の文化と美術を換骨奪胎し、その中に新しい光を差し入れる、そのような杉本博司の新作を含めた作品と同館のコレクションとのセッションをとおして、数寄の精神と茶の美とは何か、を問う試みです。

同館の創設者、即翁 畠山一清は近代数寄者の最後世代にあたり、晩年には自身の茶道具コレクションを最高の状態で皆とともに鑑賞する「場」にこだわり、この美術館の本館を構想しました。そこに貫かれた姿勢や込められた想いと、現代の「数寄者」とも呼ぶべき 杉本博司の芸術をとおして数寄の在りかを探る展覧会です。

■会期/開催中 ~2025年12月14日(日)
■会場/荏原 畠山美術館
(東京都港区白金台2-20-12)
■休館日/月曜日
■料金/オンラインチケット料金:一般1,300円ほか ※当日券の場合、現金支払い不可)

(重要文化財 割高台茶碗 朝鮮時代/荏原 畠山美術館蔵)

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関東【東京】泉屋博古館東京 企画展「もてなす美―能と茶のつどい」

《12月21日まで》室町時代に観阿弥・世阿弥の父子によって大成された能は、江戸時代には幕府の式楽となって栄え、武士が身につける教養のひとつにもなりました。住友家でも九代当主・友聞(ともひろ 1787~1853)が、能をとおして武家と交流していた記録が残ります。

近代には十五代当主となった住友吉左衞門友純(ともいと 号・春翠〈しゅんすい〉 1864~1926)が能を好んだことから、住友家での招宴の際には余興として能が盛んに演じられるようになり、春翠はそのための能面や能装束、楽器類の収集にも力を入れています。そうしたコレクションの形成に大きく寄与したのが、春翠の能の師である能楽師・大西亮太郎(1866~1931)でした。

また、住友家では近世以来、饗応の一環として茶の湯を取り入れ、客人をもてなしてきました。春翠が催した茶会の記録には、しばしば大西亮太郎の名前が登場し、ふたりが茶の湯の友としても親しく交流していたようすがうかがえます。

本展ではこうした場でもちいられた諸道具を展示し、住友家におけるもてなしの美学を紹介します。住友コレクションの多様な能装束を一挙公開する約20年ぶりの機会となる、必見の展覧会です。

■会期/開催中 ~2025年12月21日(日)
■会場/泉屋博古館東京
(東京都港区六本木1-5-1)
■休館日/月曜日
■料金/一般 1,200円ほか

(《紅白浅葱段松原霞波模様縫箔》 江戸時代・18世紀/泉屋博古館東京蔵)

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関東【東京】東京オペラシティアートギャラリー「柚木沙弥郎 永遠のいま

《12月21日まで》2024年に101歳の生涯を閉じた染色家、柚木沙弥郎。型染の世界に新風を吹き込んだ柚木の作品は、自由でユーモラスな形態と、美しい色彩が心地よく調和しつつ生命力にあふれ、見る人を惹きつけてやみません。柳宗悦らによる民藝運動に出会い、芹沢銈介のもとで染色家としての道を歩みはじめた柚木は、さらに挿絵やコラージュなどジャンルの垣根を超え、創作世界を豊かに広げました。

本展では75年にわたる活動を振り返るとともに、制作において縁のあった都市や地域をテーマに加え、柚木をめぐる旅へと誘います。身の回りの「もの」に対する愛着や、日々のくらしに見出した喜びから作品を紡ぎだす柚木の仕事は、変化の時代にこそ、大切に慈しみたい「いま」を私たちに示してくれます。民藝を出発点に、人生を愛し、楽しんだ柚木の創作活動の全貌を堪能できる展覧会です。

■会期/開催中 ~2025年12月21日(日)
■会場/東京オペラシティ アートギャラリー
(東京都新宿区西新宿3-20-2)
■休館日/月曜日
■料金/一般 1,600円ほか

(柚木沙弥郎《小鳥》1992年/坂本善三美術館蔵)

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関東【東京】東京都美術館「上野アーティストプロジェクト2025 刺繍―針がすくいだす世界」

上野アーティストプロジェクト第9弾は「刺繍」がテーマ。本展では、以下の大正末から現在にいたる国内の5名の刺し手たちの活動をみつめます。

近世以来の刺繍職人の家に生まれ、伝統的技法に基づきながら革新的な表現を追い求めた平野利太郎(ひらの としたろう 1904〜1994)。西洋刺繍の知識を土台に、羊毛の糸を用いた躍動感ある絵画的な刺繍作品を発表し、日本手芸普及協会の会長も務めた尾上雅野(おのえ まさの 1921〜2002)。いつかどこかで目にし、記憶した風景や事物を、自由なステッチで画面上につくり上げていく岡田美佳(1969〜)。つくることをめざすのではなく、自分の奥底に流れる時間や感覚を確かめるかのように、日々、糸を刺し続ける伏木庸平(ふせぎ ようへい 1985〜)。ベンガル地方の女性たちの間で古布再生や祈りの思いから生まれ継承されてきたカンタと呼ばれる針仕事に共鳴した望月真理(1926〜2023)。

それぞれが手を動かし、布の上にすくい上げた「かたち」と向き合うことで、針と糸というシンプルな道具とともに続けられてきたこのいとなみの意味と可能性について、考えさせられる展覧会です。

■会期/開催中 ~2026年1月8日(木)
■会場/東京都美術館 ギャラリーA・C
(東京都台東区上野公園8-36)
■休室日/2025年12月1日(月)、12月15日(月)、12月22日(月)~2026年1月3日(土)、1月5日(月)
■料金/一般800円ほか
■詳しくはこちら

(尾上雅野《秋》1974年/[公財]日本手芸普及協会蔵 撮影=鈴木静華)

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関東【東京】サントリー美術館「NEGORO 根来 — 赤と黒のうるし」

中世に大寺院として栄華を極めた根來寺(和歌山県)で作られた質の高い朱漆器は「根来塗」と呼ばれて特別視されてきました。堅牢な下地を施した木地に、黒漆の中塗と朱漆を重ねた漆器(朱漆器)は、それ以前の時代から各地で作られてきましたが、江戸時代以降に「根来」の名で呼ばれるようになります。それらは、寺院や神社などの信仰の場で多数使われただけでなく、民衆の生活の中でも大切にされました。「根来」独特の力強く、しなやかな姿は、現代においても多くの国内外のコレクターや数寄者の心をとらえてやみません。

本展は、根來寺が繁栄を極めた中世の漆工品を中心に、その前後の年紀を有する品や伝来の確かな名品・名宝を一堂に紹介します。中世に花ひらいた、日本を代表する漆の美を楽しめる展覧会です。

■会期/開催中 〜2026年1月12日(月・祝)
※会期中に展示替えあり
■会場/サントリー美術館
(東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガレリア 3F)
■休館日/火曜日、12月30日(火)〜1月1日(木・祝)
※ただし1月6日(火)は18時まで開館
■料金/一般 1,800円ほか

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関東【東京】丸紅ギャラリー「初期写真資料でひも解く 着こなしの変遷―幕末・明治の女性の和装」

和装の着こなしは、江戸時代に様式が確立し、明治時代に多様な展開を見せます。本展では、貴重な初期写真資料から、当時の着こなしの再現を試みるはじめての企画です。

幕末期(1853-1868)、開港によって欧米との交流が飛躍的に深まり、日本社会に西洋文化の波が一気に押し寄せました。洋装もそのひとつですが、女性の服飾文化に目を向けると、むしろ和装は華やかな時代を迎えます。現代の和装のイメージは、戦後、西洋へのカウンターカルチャーとして定型化されていったものであり、幕末・明治期の着こなしは、女性の新たな自己表現として、百花繚乱ともいえる姿を見せていたのです。

本展は、江戸時代後期から明治時代に至る和装の着こなしを、女性の服飾を例に、幕末に流入した写真や文献を参照しながら、当時の着物や帯・小物を用いて再現します。丸紅コレクションが有する豊富な着物と、丸紅が取り組む染織研究が可能にした「100年前の着こなし」を、ぜひご覧ください。

■会期/2025年12月2日(火)~2026年1月24日(土)
※会期中展示替えを行います。
■会場/丸紅ギャラリー
(東京都千代田区大手町1-4-2 丸紅ビル3階)
■休館日/日曜日、祝日
■料金/一般500円 ※現金利用不可。交通系IC、クレジットカード、QRコード決済などキャッシュレス決済のみ。
※着物、浴衣など和装での来館者は無料

(紺繻子地立木雀模様振袖 明治時代・19世紀/株式会社丸紅藏
【展示期間:2026年1月5日~24日】)

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関東【東京】三菱一号館美術館「アール・デコとモード 京都服飾文化研究財団(KCI)コレクションを中心に」

1920年代を中心に世界を席巻した装飾様式「アール・デコ」。生活デザイン全般におよんだその様式は、「モード」すなわち流行の服飾にも現れました。ポワレやランバン、シャネルなどパリ屈指のメゾンが生み出すドレスには、アール・デコ特有の幾何学的で直線的なデザインや細やかな装飾が散りばめられています。それは古い慣習から解放され、活動的で自由な女性たちが好む新しく現代的なスタイルでした。

2025年は、パリで開催され、「モード」が中心的な主題のひとつであった装飾芸術の博覧会、通称アール・デコ博覧会から100年目にあたります。この記念の年に、世界的な服飾コレクションを誇る京都服飾文化研究財団(KCI)が収集してきたアール・デコ期の服飾作品と資料類約200点に、国内外の美術館・博物館や個人所蔵の絵画、版画、工芸品などを加え合計約310点により、現代にも影響を与え続ける100年前の「モード」を紐解きます。

■会期/開催中 ~2026年1月25日(日)
■会場/三菱一号館美術館
(東京都千代田区丸の内2-6-2)
■休館日/祝日・振替休日を除く月曜日、および12/31と1/1
(トークフリーデーの12/29と会期最終週の1/19は開館)
■料金/一般2,300円ほか

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関東【東京】東京国立博物館 特集「インドネシア・スマトラ島 織りと染めの世界」

インド洋と太平洋に浮かぶ島々で構成される、インドネシア。その西部に位置するのがスマトラ島です。日本よりも広い面積を有するスマトラ島には、さまざまな民族グループが暮らしており、地域によって多様な織りと染めの技法が認められます。たとえば、ろうけつ染め(バティック)や印金を駆使して製作された腰巻、あらかじめ染め分けた緯糸を使って文様を織り出した緯絣(イカット)、金銀糸を刺繡した女性用のスカートなど、島の南北で衣装の形や、用いられる染織技法が異なっている点が大きな特色です。

また、大航海時代以前より香辛料交易を介し、インド製の更紗がインドネシアの島々にも伝来しました。文様の類似性などから、インド更紗はインド ネシアのバティックと影響しあっていたことが推測されています。

本特集では、スマトラ島の染織品の魅力を、20世紀初頭に撮影された着装時の写真とあわせて紹介します。加えて、スマトラ製のバティックとスマトラ島伝世インド更紗をあわせて展示し、その関連性についても探ります。

■会期/開催中 ~2026年2月1日(日)
■会場/東京国立博物館 東洋館13室
(東京都台東区上野公園13-9)
■休館日/月曜日(ただし月曜日が祝日または休日の場合は開館し、翌平日に休館)、2025年12月16日(火)、2025年12月22日(月)~2026年1月1日(木・祝)12時59分まで
■東博コレクション展(平常展)料金/一般1,000円ほか

(サロン〈腰衣〉 藍地蝶花鳥唐草文様印金バティック インドネシア・スマトラ島・パレンバン 20世紀初頭/東京国立博物館蔵) 画像出典:ColBase

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関東【東京】三鷹市美術ギャラリー「日本の色 染司よしおか 吉岡更紗の仕事」

「染司よしおか」は、江戸時代から200年以上続く京都の染色工房です。日本に古くから伝わる植物染めの技法を用い、草木や花から美しい色を引き出し、麻、絹、木綿、和紙といった自然素材を染めることを生業としてきました。古社寺との関わりも深く、伝統的な染色技法によって東大寺や薬師寺に収められる文化財の復元を行うほか、東大寺修二会に用いられる造花の椿を作るための和紙の染色を担うなど、伝統行事を支えてきました。

時代の変遷のなかで伝統的な技術が失われつつあることを危惧した五代目・吉岡幸雄は、植物染めを復活させ、「日本の伝統色」を現代によみがえらせました。

本展では、薬師寺の伎楽装束など古社寺の伝統行事にかかわる復元作品や『源氏物語』の衣裳の再現作品などを通して、「染司よしおか」の仕事をたどります。そして、その歩みを引継ぎ、植物染めによる色彩の美しさを探求しながら染色の新たな可能性を切り拓く六代目・吉岡更紗の取組みを紹介します。

■会期/開催中 ~2026年 2月1日(日)
■会場/三鷹市美術ギャラリー
(東京都三鷹市下連雀3-35-1 CORAL5階)
■休館日/月曜日(1月12日は開館)、1月13日(火)、年末年始(12月30日~1月4日)
■料金/一般800円ほか

(『源氏物語』「花宴」藤の花の宴 源氏の衣裳)

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関東【東京】世田谷美術館 企画展「つぐ minä perhonen」

「ミナ ペルホネン」はブランドの創設から30年にわたり、手仕事や職人との協業を大切にしながら、暮らしのなかに永く息づき、時を重ねて深みを増すデザインを積み重ねてきました。

その“運動”ともいえる、ものづくりのありかたを「つぐ」という言葉が内包する多様な意味を通じて紹介します。洋服やプロダクトのほか、オリジナルのテキスタイルやそれらの原画などにより、100年先へと歩みを進める仕事と思想に触れます。

■会期/開催中 ~2026年2月1日(日)
■会場/世田谷美術館 1・2階展示室
(東京都世田谷区砧公園1-2)
■休館日/月曜日(ただし1月12日〈月・祝〉は開館)、12月29日(月)~1月3日(土)、1月13日(火)
■料金/一般 1,700円ほか

( “surplus” 2003-04→a/w)

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国宝 関東【東京】三井記念美術館「熊野御幸記と藤原定家の書 ―茶道具・かるた・歌仙絵とともに―」

《12月6日から開催》三井記念美術館所蔵の6点の国宝の一つ、藤原定家筆「国宝 熊野御幸記」が、開館20周年の年に久方ぶりに全巻を展示されます。それに合わせて館蔵品の中から後鳥羽上皇と藤原定家の書が展示され、なかでも「大嘗会巻(だいじょうえかん)」は、藤原道長(966〜1027)の時代に活躍した藤原実資(957〜1046)の日記『小右記』から長和元年(1012)の大嘗会の記録を定家が筆写したもので、同館では初公開になります。

定家の書といえば、江戸時代以来、小堀遠州などの茶人の間で「定家様(ていかよう)」が好まれました。それがうかがえる茶道具や消息、さらに年末年始の展覧会らしく、百人一首かるたや歌仙絵、重要文化財の東福門院入内図屏風を展示します。

■会期/2025年12月6日(土)~ 2026年2月1日(日)
■会場/三井記念美術館
(東京都中央区日本橋室町2-1-1 三井本館7階)
■休館日/月曜日(但し1月5日・12日・26日は開館)、12月27日(土)〜1月3日(土)、1月13日(火)、1月25日(日)
■料金/一般 1,200円ほか

(女房三十六歌仙帖より紫式部 土佐光起筆 江戸時代・17世紀/三井記念美術館蔵)

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関東【東京】根津美術館「綾錦 近代西陣が認めた染織の美」

《12月20日から開催》西陣織物館(現・京都市考古資料館)では、大正4年(1915)から約10年間にわたり、京都周辺の著名な寺院のほか、当時の染織コレクターから借用した染織品を陳列する展覧会が開催されました。いにしえの名品秘宝の展観は好評を博したといいます。

そして展示品の中から特に優れた作品を選定し、版画とコロタイプで意匠を記録した染織図案集が発刊されました。それが『綾錦』です。本書の能装束や古更紗の巻には、出品者として当館の基礎を築いた初代根津嘉一郎(1860~1940)の名を数多く見出すことができます。これにより大正期に嘉一郎が染織品のコレクターとして知られていたこと、さらには掲載図案により当時の所蔵品が判明するのです。

本展覧会では、『綾錦』に掲載された嘉一郎の所蔵品のうち、現在確認できる20点を展観します。近代の西陣で認められたその染織コレクションの粋を鑑賞できる展覧会です。

■会期/2025年12月20日(土)〜2026年2月1日(日)
■会場/根津美術館 展示室1・2
(東京都港区南青山6‐5‐1)
■休館日/月曜日 ただし1月12日(月・祝)は開館、翌火曜休館。12月27日〜1月5日は年末年始休館
■料金/オンライン日時指定予約:一般 1,500円 当日券:一般1,600円

(縫箔 白地青海波に扇面散模様 江戸時代・17〜18世紀/根津美術館蔵)

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関東【東京】山種美術館「【特別展】LOVE いとおしい…っ! ―鏑木清方の恋もよう、奥村土牛のどうぶつ愛―」

《12月6日から開催》この冬、山種美術館ではLOVEをテーマにした日本の近代・現代絵画を中心に取り上げ、ご紹介する特別展を開催します。

芸術のモティーフになった愛といえば、一番に思い浮かぶのが恋愛です。鏑木清方は近松門左衛門作の浄瑠璃本『冥土の飛脚』に取材し、名品《薄雪》(福富太郎コレクション資料室)で、悲恋の物語を格調高く表しました。また、家族愛の視点では、愛娘の初節句を祝い描かれた速水御舟《桃花》をはじめ、親子の愛情にあふれる優品が注目されます。郷土愛の感じられる作品では、川﨑小虎が故郷を夢見る子どもの姿を《ふるさとの夢》に表しました。さらに、「目が楽しいから生きものを描くのが好き」と述べた奥村土牛の《兎》など、画家ならではの動物愛が表現された作品も数多くご紹介します。冬はクリスマスやお正月、バレンタインデーなどで、親しい人、大切な存在に接する機会もあることでしょう。一年で最も愛が身近となるこの季節に、画家たちが多彩に描いたLOVEの名品を楽しめる展覧会です。
※本文中の所蔵表記がない作品はすべて山種美術館蔵。

■会期/2025年12月6日(土)~2026年2月15日(日)
■会場/山種美術館
(東京都渋谷区広尾3-12-36)
■休館日/月曜日 ただし1/12(月・祝)は開館、1/13(火)は休館、12/29(月)~1/2(金)は年末年始休館
■料金/一般1400円ほか

(池田輝方《お夏狂乱》1914年/福富太郎コレクション資料室)

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関東【神奈川】岡田美術館「愛と平和の江戸絵画」

《12月7日まで》江戸時代は、徳川家康が幕府を開いた1603年(慶長8)から、終焉を迎える1867年(慶応3)まで、約260年もの長きにわたり平和の続いた、世界史的にも稀有な時代でした。安定した政情のもと経済が繫栄し、多様な文化が育まれ、美術においては幅広いジャンルと表現が誕生した、画期的で魅力あふれる時代に位置付けられます。

本展は、「愛」と「平和」という2つのテーマから江戸時代の絵画を紹介する展覧会です。泰平の世を謳歌する人々や、穏やかな日常を描いた風俗画、親しみをこめて描かれたいきものたち、家族や恋人など愛する人への想いが伝わる作品の数々を展示します。

また、特集展示として「生誕150年記念 上村松園と京都」を開催。近代京都画壇を代表する女流画家・上村松園(1875~1949)の生誕150年を記念し、館収蔵の松園の作品から3点を特別に公開します。松園は、気品ある女性像で確固たる地位を築き、日本人女性で初めて文化勲章を受章しました。松園が影響を受けた京都の円山応挙(1733~95)の作品などと合わせてお楽しみください。

■会期/開催中 ~2025年12月7日(日)
■会場/岡田美術館
(神奈川県足柄下郡箱根町小涌谷493-1)
■休館日/会期中無休
■料金/一般・大学生 2,800円ほか

(《誰ヶ袖図屏風》(部分) 江戸時代初期 ・17世紀/岡田美術館蔵)

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関東【神奈川】女子美アートミュージアム ⼥⼦美染織コレクション展 Part 13「インドネシアの染織品 群島の布をめぐる」

《後期は12月10日~23日開催》17,000 を超える島々からなるインドネシアは世界最⼤の群島国家であり、現在でも数百をかぞえる⺠族が暮らす多⺠族国家としても知られています。当地のそれぞれの⺠族は、インドや中国をはじめとするアジア諸国との交易、イスラム⽂化の渡来、そしてオランダ商船の来航から植⺠地化、⺠族独⽴運動、さらには第⼆次世界⼤戦中の⽇本軍による占領にいたる⻑い歴史の中で、外来⽂化の影響を受けながらも各個に特⾊をもつ染織⽂化を形成してきました。

とりわけ「イカット」の名前で総称される絣織は、地域・⺠族ごとに異なる技法や⽂様によって伝えられています。そして「バティック」として知られるろうけつ染は、驚くほど緻密に描かれた⽂様が、ヨーロッパ、中国、⽇本など諸外国のデザインと融合しながら展開する様⼦がみられます。

⼥⼦美染織コレクション展Part13では、女子美術大学が創⽴100周年記念美術資料収集拡充事業の⼀環として収集したイカット類のコレクションと、⽵内葉⽒旧蔵のバティックコレクションを中⼼に、⼿仕事の中で受け継がれてきたインドネシアの技法とデザイン、南洋の⾊彩豊かな染織品の数々を紹介します。

■会期/後期:2025年12⽉10⽇(⽔)〜12⽉23⽇(⽕)
■会場/⼥⼦美アートミュージアム
(神奈川県相模原市南区⿇溝台1900 ⼥⼦美術⼤学相模原キャンパス10号館1階)
■休館日/日曜・祝⽇休館
■料金/無料

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関東【神奈川】鎌倉市鏑木清方記念美術館 企画展「冬美人 ―押絵羽子板とともに―」

明治時代以降、西洋の文化が入ってきた日本では、洋装化も徐々に進んでいきましたが、幅広い年代層の日常着にまで定着したのは昭和中期、戦後を迎えてからでした。西洋化が進む時代の流れの中、着物姿の女性たちは、アクセサリーやショールなどの服飾品をあわせたり、西洋の最新のデザインを着物の文様に取り入れたりするなどしておしゃれを楽しみました。

鏑木清方が挿絵画家として活躍した明治末から大正期にかけて、雑誌や書籍の巻頭を飾る口絵には、小説のヒロインや季節にあわせた装いに身を包んだ女性の着物姿が多く描かれました。また、新年号として刊行される1月号の雑誌や新聞の元日号では、豪華な色刷りの口絵や付録が、新年を迎える喜びに彩りを添えて当時の人々を楽しませました。

本企画展では、冬の装いを描いた雑誌や書籍の口絵を中心に、清方が意匠を手がけた着物や年賀状などを、名押絵師・永井周山による清方の名作《明治風俗十二ヶ月》の押絵羽子板とともに紹介します。

■会期/2025年12月5日(金)~2026年1月12日(月・祝)
■会場/鎌倉市鏑木清方記念美術館
(神奈川県鎌倉市雪ノ下1-5-25)
■休館日/月曜日(1月12日〈月・祝〉は開館)、12月29日(月)~1月3日(土)
■料金/一般300円ほか

(勝鬨〈中編〉口絵/鎌倉市鏑木清方記念美術館蔵)

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関東【神奈川】岡田美術館「愛でたい美術 -絵画とやきものに見る幸せのかたち-」

《12月14日から開催》幸せへの願いを込めて、美術作品には、延命長寿や子孫繁栄、家内安全など、様々な意味を持つモチーフが表されてきました。不老長寿の「仙人」、霊獣とされる「龍」、めでたい兆しとして姿を現すという「鳳凰」、千年生きると言われる「鶴」、ともに冬の寒さに耐えることから「歳寒三友」と呼ばれ、やがて縁起物とされた「松竹梅」、花の王と呼ばれる富貴の象徴「牡丹」など、伝説上の生き物から身近な動植物まで多岐に渡ります。これらは、単独で表すだけではなく、いくつかを組み合わせることで複合的な意味をもち、めでたさが一層強まります。

本展では、おめでたいモチーフが愛らしく表現された絵画とやきものを一堂に展示。見ているだけで幸せになる美術の世界を楽しめます。

また、特集展示では干支にちなみ、「金屏風 ―馬とサムライ―」と題して、『平家物語』や『太平記』、古式の競馬、祭礼や行幸を主題とした5件の金屏風を馬と武士の営みに注目しながら展示します。

■会期/2025年12月14日(日)~2026年6月7日(日)
■会場/岡田美術館
(神奈川県足柄下郡箱根町小涌谷493-1)
■休館日/12月31日~1月1日
■料金/一般・大学生 2,800円ほか

(色絵破魔弓熨斗文皿 有田 江戸時代・17世紀末~18世紀初頭/岡田美術館蔵)

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中部【静岡】静岡市立芹沢銈介美術館 芹沢銈介生誕130年記念展「型紙 美しい染物への約束」

《12月7日まで》型染は、渋紙を彫りぬいた型紙と防染糊を使う間接的な染色技法です。芹沢銈介はこの技法の特徴を活かして数々の傑作を制作し、国内外で高い評価を得ている一方、芹沢が彫った型紙の美しさも広く知られています。芹沢は「よき型紙は美しい染物を約束する、そしてそれ自身美しい」と記しており、型紙にも完成した型染作品とは異なるくっきりとした美しさがあります。

この展覧会では「美しい染物への約束」ともいえる、芹沢銈介の型紙を鑑賞できます。

■会期/開催中 ~2025年12月7日(日)
■会場/静岡市立芹沢銈介美術館
(静岡市駿河区登呂5-10-5)
■休館日/月曜日
■料金/一般420円ほか

([左]「鯛泳ぐ文着物」(1964)/静岡市立芹沢銈介美術館蔵 [右]「鯛泳ぐ文着物」の型紙/東北福祉大学芹沢銈介美術工芸館蔵)

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中部【静岡】MOA美術館「琳派デザイン 宗達・光琳・抱一」

《12月14日まで》琳派は、狩野派・土佐派のような家系や師弟関係を中心とした流派とは違い、作風に対する共感などにより、後の作家達に継承されました。江戸時代初期の本阿弥光悦(1558~1637)や俵屋宗達(生没年不詳)らにより始まり、中期の尾形光琳(1658~1726)・乾山(1663~1743)へと発展し、後期に酒井抱一(1761~1828)・鈴木其一(1796~1858)がその芸術の再興を志しました。

琳派の作品は、絵画をはじめ、硯箱や着物、扇、印籠、陶器など様々な工芸品に及び、分野にとらわれることなく、斬新で多彩なデザインが創出されました。

本展では本阿弥光悦書・俵屋宗達絵の「鹿下絵新古今集和歌巻」、尾形光琳筆「秋好中宮図」、酒井抱一筆「雪月花図」など、琳派の代表作家における絵画と工芸の優品を展観することで、今なお私たちの生活のなかに生き続ける琳派芸術の魅力を紹介します。

同時開催の「坂東玉三郎衣裳展」(次の項目で紹介)にもご注目ください。

■会期/開催中 ~2025 年12月14日(日)
■会場/MOA美術館 展示室1〜3
(静岡県熱海市桃山町26-2)
■休館日/木曜日
■料金/一般2000円ほか

(伝尾形光琳「絖地秋草模様描絵小袖」/MOA美術館蔵)

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中部【静岡】MOA美術館「坂東玉三郎衣裳展」

《12月14日まで》坂東玉三郎特別舞踊公演にあわせ、坂東玉三郎衣裳展を開催します。玉三郎丈は、自身が演じる役の舞台衣裳を制作するにあたり、役柄や季節にあわせた情景・配色にこだわりつつ、織物や刺繍の職人に直接思いを伝えて依頼しています。

この度の衣裳展では、歌舞伎の4つの演目に登場する〈花魁〉をテーマに玉三郎丈の愛蔵品の中から特別に 12 点を選定して展示します。玉三郎丈の美意識に彩られた豪華舞台衣裳の数々を鑑賞できる展覧会です。

同時開催の「琳派デザイン 宗達・光琳・抱一」展(上の項目)にもご注目ください。

■会期/開催中 ~2025 年12月14日(日)
■会場/MOA美術館 展示室4~5
(静岡県熱海市桃山町26-2)
■休館日/木曜日
■料金/一般2000円ほか

(『助六由縁江戸桜』より三浦屋揚巻の衣裳 撮影=岡本隆史)

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中部【静岡】静岡市美術館「きもののヒミツ 友禅のうまれるところ —京都 千總コレクションを中心に」

《12月21日まで》着物のデザインが生まれる過程やデザインの変遷に注目し、その背景や制作者の創意に迫る展覧会です。

着物は、一定の幅の反物を直線縫いで仕立てる平面性をもつ一方で、衣服として身にまとうことで意匠に立体性が生まれます。この平面と立体を行き来するところに洋服とは異なるおもしろさがあります。小袖の時代から現代まで、多様な技法、意匠が発展する中で、制作現場では常に着用して立体となることを想定して多くの試行錯誤がなされてきました。ここに“きもののヒミツ”がひそんでいるのです。

本展は近世から近代の着物の優品や、雛形本などの資料、京都画壇による本画や下絵、それらをもとに染め出された友禅染裂や、現代の人間国宝の作品などを紹介。これまでにない視点から“きもののヒミツ”に迫る、必見の展覧会です。

■会期/開催中 ~2025年12月21日(日)
■会場/静岡市美術館
(静岡市葵区紺屋町17-1 葵タワー3F)
■休館日/月曜日
■料金/一般1,400円ほか

(《帷子 納戸麻地春秋景に御所車殿舎模様》19世紀初期/千總ホールディングス蔵)

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中部【長野】岡谷蚕糸博物館 企画展「米山悦朗写真展~カメラのファインダー越しに見た絹~」

神奈川県在住の写真作家・米山悦朗さんは、総合商社を退職後、写真作家活動に入り、国内外を取材してきました。岡谷蚕糸博物館のリニューアルオープン当時から養蚕と全国の絹織物産地を取材し、作品を定期的に展示してきました。

本企画展では、養蚕から糸作り、着物の制作工程など、米山さんが撮影してきた多岐にわたる写真作品と着物や反物を合わせて展示します。

■会期/開催中 ~2026年2月15日(日)
■会場/岡谷蚕糸博物館
(長野県岡谷市郷田1-4-8)
■休館日/水曜日、祝日の翌日、12月29日~1月3日
■料金/一般530円ほか

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《27》中部【石川】石川県立美術館、金沢21世紀美術館、国立工芸館「ひと、能登、アート。」

令和6年能登半島地震・令和6年奥能登豪雨復興支援特別展「ひと、能登、アート。」を石川県立美術館、金沢 21 世紀美術館、国立工芸館で開催します。
都内を中心とした30近い文化施設や個人の所有する約80件の文化財が、各所蔵者からの復興への祈りのメッセージとともに石川県金沢市の3会場に集結します。

数百年の時を重ねて大切に守り伝えられてきた文化財の数々は、自然災害が絶え間なく襲う日本において、時に人々の安らぎの心を求める強い祈りが込められて造られてきたものです。そうした想いを被災された皆様への励ましのメッセージとすることを本事業では目指しています。
展覧会についての詳しい情報は美術館のウェブサイトをご覧ください。

◼会期・会場/
開催中 ~2025年12月21日(日)石川県立美術館
2025年12月13日(土)~2026年3月1日(日)金沢21世紀美術館
2025年12月 9日(火)~2026年3月1日(日)国立工芸館

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中部【岐阜】岐阜県美術館「大正・昭和‘モード’の源泉 国立美術館 コレクション・ダイアローグ」

岐阜県美術館では国立アートリサーチセンターによる国立美術館の収蔵品活用事業「コレクション・ダイアローグ」から国立工芸館との協働により「大正・昭和‘モード’の源泉」展を開催します。国立工芸館は1977年の開館以来、工芸・デザイン専門の国立美術館として国内外の工芸・デザイン作品を収集、調査研究し、多種多様な魅力を発信し続けています。

本展では国立工芸館の豊かなコレクションのうち、特に大正・昭和初期に流行したスタイルに焦点をあてます。ジャポニスム、いわゆる日本趣味の影響を受けた19世紀末のアール・ヌーヴォー、20世紀初頭のアール・デコ様式を受け、日本では自国固有の美意識と結びつき、大正ロマンや昭和モダンといった‘モード’―流行を生み出し、人々の日常に活気を与えました。当時の世相を反映したアクセサリーや家具、金属工芸やガラス工芸、雑誌、ポスターなどは今なお輝きを失っていません。国立工芸館所蔵の工芸・デザイン作品152点を中心に、岐阜県美術館所蔵品から絵画、工芸作品をあわせて紹介します。

■会期/開催中 ~2026年2月15日(日)
前期:開催中 ~12月25日(木)
後期:1月6日(火)~2月15日(日)
※会期中展示替えがあります。
■会場/岐阜県美術館 展示室 3
(岐阜市宇佐4-1-22)
■休館日/月曜日(祝・休日の場合は翌平日)、年末年始(2025年12月26日〈金〉~2026年1月5日〈月〉)
■料金/一般1,000円ほか

(ルネ・ラリック《ブローチ 桑の木と甲虫》1900年頃/国立工芸館蔵 撮影=アロー アート ワークス)

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近畿【京都】京都市京セラ美術館 特別展「民藝誕生100年—京都が紡いだ日常の美」

《12月7日まで》1923年、関東大震災で被災し、翌年に京都へ転居、約10年にわたって居住した柳宗悦。「民藝」という言葉はこの京都で柳や河井寬次郎、濱田庄司らの交遊によって生まれ、彼らは京都の朝市などで雑器の蒐集を本格的に開始します。「民藝」の歩みは、明治末から大正、昭和へと社会が近代化する中で、人々の衣食住の概念を変革させていくものであり、その活動は京都から日本そして世界へと広がっていきます。

100年前に「民藝」という言葉が誕生するきっかけとなった木喰仏を皮切りに、上加茂民藝協団で活動した黒田辰秋、青田五良の作品や、「民藝館」「三國荘」のために制作された河井寬次郎、濱田庄司、バーナード・リーチらの工芸作品、柳宗悦らによる日本全国の蒐集品や、芹沢銈介、棟方志功などの民藝関連作家の優品を展示します。また英文学者の寿岳文章、京菓子の鍵善良房、牛肉水炊きの祇園十二段家、民藝の建築を推し進めた上田恒次など京都における民藝運動の推進者や支援者をめぐる作品や資料などとあわせ、京都と民藝との関わりを総合的に紹介します。

■会期/開催中 ~2025年12月7日(日)
■会場/京都市京セラ美術館 本館 南回廊1階
(京都市左京区岡崎円勝寺町124)
■休館日/月曜日 ※祝日の場合は開館
■料金/一般2,000円

(黒田辰秋《螺鈿くずきり用器/岡持ち》1932年/鍵善良房蔵 撮影:伊藤信)

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近畿【京都】千總ギャラリー「紐づくきもの」

《12月7日まで》着物の表面を華やかに飾る模様は、モチーフや色彩の面白さ、バリエーションに富んだレイアウトなど、見た目のデザインだけでも楽しむことができます。

本展では、千總が近代に型友禅などで染めた着物の裂(きれ)アーカイブを展示し、それらを別の様々な作品と関連付けて紹介します。例えば、文学作品を題材とする模様の裂地は、源泉となった江戸時代の小説の現物や、主題が共通する作品とともに展示。近代に百貨店で販売された記録がのこっている裂地については、商品としてどのような宣伝文が添えられていたか、当時掲載された雑誌も見ることができます。着物の模様が多様な切り口で世界と紐づいていることに気づかされ、模様の奥深さと広がりに触れられる展覧会です。

■会期/開催中 ~2025年12月7日(日)
■会場/千總ギャラリー〈ギャラリー1〉
(京都市中京区三条通烏丸西入御倉町80 千總本店2階)
■休館日/水曜日
■料金/無料
※臨時休業等により開館時間が変更となる場合がございます。

(小袖 透垣菊文字模様 17世紀中期/千總ホールディングス蔵)

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近畿【京都】西陣織会館 西陣織史料室「西陣織の美 -昭和の能装束と帯-」

《12月18日まで》近世、近代において、能装束と帯は、華やかさを象徴する西陣織として業界を牽引してきた織物で、織技や文様に共通した美を持ち合わせています。現在につながる帯が用いられはじめて、その需要が次第に盛んになった江戸時代、その源泉は能装束にあり、明治期には贅沢な仕様の帯が上流層で用いられるなど、帯は西陣を代表する織物として製織されてきました。本展は、時代を経て今日に進展してきたこの二つの織物に焦点を当て、主に昭和期に製織された作品を展示、紹介いたします。近年において昭和期は、最も多くの和の衣装が生産されてきた時代です。伝統を繋いでいく中に革新と進化をめざす西陣織の美しさをご覧ください。

■会期/開催中 ~2025年12月18日(木)
■会場/西陣織史料室
(京都市上京区堀川通今出川南入西側 西陣織会館3階)
■休館日/月曜日(月曜祝日の場合は翌火曜日)
■料金/入場無料

(紅地籠目枝垂桜糸巻鳳凰文様唐織能装束 西陣織工業組合帯地部 1982年)

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近畿【京都】福田美術館「上村松園と美人画の軌跡」

福田美術館では松園の生誕150年を記念し、質・量ともに国内有数の美人画コレクションを誇る同館の所蔵品から、28点もの松園の作品を一挙展示する「上村松園と美人画の軌跡」を開催します。第1回文展で3等賞を受賞した、初期画業における名作《長夜》のほか、初公開作品である《二軒茶や図》(写真)も見どころです。さらに、松園の芸術に憧憬し、美人画を追究した多くの作家たちの作品も併せて展示することで、「近代の美人画」というジャンルが辿ってきた軌跡を紹介します。

第二会場となる嵯峨嵐山文華館では、「浮世絵と美人画の軌跡」と続きます(次の項目ご参照ください)。

■会期/開催中 ~2026年 1月18日(日)
前期:開催中 ~12月1日(月)
後期:12月3日(水)~2026年1月18日(日)
※期間中展示替えを行います。
■会場/福田美術館
(京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町3-16)
■休館日/12/2(火)、12/16(火)、12/30(火)~1/1(木)
■料金/一般・大学生1,500円ほか
嵯峨嵐山文華館との二館共通券:一般・大学生2,300円ほか

(上村松園《二軒茶や図》昭和11年(1936)頃/福田美術館蔵 【前期展示】)

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近畿【京都】嵯峨嵐山文華館「浮世絵と美人画の軌跡」

近代美人画を完成に導いた上村松園と鏑木清方(1878~1972)。京都と東京、それぞれの地で異なる美意識を追求し、美人画の発展を支えました。福田美術館の展示に続く第二会場の嵯峨嵐山文華館では、江戸の出版文化への注目が高まる中、福田コレクションの肉筆浮世絵や京都の風俗画、そして近代美人画を展示。歌舞音曲など江戸文化の魅力を、「心浮き立つ」浮世の世界とともに紹介します。

■会期/開催中 ~2026年1月18日(日)
前期:開催中 ~12月1日(月)
後期:12月3日(水)~2026年1月18日(日)
■会場/嵯峨嵐山文華館
(京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町11)
■休館日/12月2日(火)、12月16日(火)、12月30日(火)~1月1日(木)
■料金/一般・大学生1,000円ほか
福田美術館との二館共通券:一般・大学生:2,300円ほか

(栗原玉葉「 お七・お染 」20世紀/福田美術館蔵)

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近畿【京都】京都国立博物館 新春特集展示 「うまづくし─干支を愛でる─」

《12月16日から開催》2026年の干支は午(馬)。 今は見る機会が減りましたが、昔は、馬は人の身近にいる生き物でした。人を乗せて走ったり、重たい荷物を運んだり、さまざまな力仕事をしていたのです。また、戦で活躍する武将たちにとって、足が速く美しい馬はあこがれの的でした。 この展示では、馬に関係するさまざまな文化財を紹介します。子供向きのワークシートも用意されていますので、家族で、どんな馬たちがいるか探しに行ってみましょう。

■会期/2025年12月16日(火)~2026年1月25日(日)
■会場/京都国立博物館 平成知新館2F-1~3展示室
(京都市東山区茶屋町527)
■休館日/月曜日、12月29日(月)~2026年1月1日(木・祝)
※ただし、1月12日(月・祝)は開館し、1月13日(火)休館
■料金/一般 700円ほか
※本観覧料で当日の平成知新館の全展示を観覧できます。

(賀茂競馬文様小袖/京都国立博物館蔵)

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近畿【京都】京都国立博物館 特集展示 「光琳かるたと小西家伝来尾形光琳関係資料」

《12月16日から開催》京都国立博物館に新たに寄託された「小倉百人一首歌留多」は、尾形光琳(1658~1716)が手掛けた小倉百人一首かるたとして名高く、「光琳かるた」の愛称をもって知られています。この光琳かるたと、その画稿を含む、小西家に伝来した同館所蔵の光琳関係資料をあわせて展示し、光琳芸術の基層とも言うべきこれらの資料の魅力と重要性を紹介します。

■会期/2025年12月16日(火)~2026年2月1日(日)
■会場/京都国立博物館 平成知新館2F 4~5展示室
(京都市東山区茶屋町527)
■休館日/月曜日、12月29日(月)~2026年1月1日(木・祝)※ただし、1月12日(月・祝)は開館し、1月13日(火)休館
■料金/一般 700円ほか
※本観覧料で当日の平成知新館の全展示を観覧できます。

(小倉百人一首歌留多 尾形光琳筆)

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近畿【京都】細見美術館「妃たちのオーダーメイド セーヴル フランス宮廷の磁器 ―マダム・ポンパドゥール、マリー=アントワネット、マリー=ルイーズの愛した名窯―」

さまざまな陶磁器に焦点を当てた細見美術館「陶磁器に出会う」シリーズ。10回目となる今回は、陶磁器の最高峰『セーヴル』の登場です。

ヨーロッパ諸国が憧れた東洋の白い磁器。18世紀にマイセン窯が初めて焼成に成功しましたが、真に⻄洋的といえるスタイルを創り出したのは、フランスのブルボン王朝が設立した王立セーヴル磁器製作所でした。この設立にはポンパドゥール侯爵夫人と国王ルイ15世が深く関わり、贅を尽くした華やかなセーヴル磁器がその後もフランス王国、帝国、共和国によって引き継がれ、今日に至っています。 セーヴル磁器は、当時の流行を取り入れた意匠や、華麗で精緻な絵画表現、発色の繊細さを特徴とします。王侯貴族向けの注文生産であったことから現存数も限られていますが、近年、優れたセーヴル磁器のコレクションが日本でも確立されています。

本展は国王ルイ15世からナポレオン帝政時代の作品を中心に、厳選された国内コレクション約140件の名品で構成されています。ポンパドゥール侯爵夫人や王妃マリー=アントワネットらが、こよなく愛したセーヴル磁器の魅力を堪能できる展覧会です。

■会期/開催中 ~2026年2月1日(日)
■会場/細見美術館
(京都市左京区岡崎最勝寺町6-3)
■休館日/月曜日(祝日の場合、翌火曜日)、年末年始(2025年12月22日〜2026年1月5日)
■料金/一般 2,000円ほか

(《淡紅地金彩コーヒーサーヴィス》 1838年 個人蔵)

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近畿【京都】アサヒグループ大山崎山荘美術館「くらしに花咲くデザイン ―大正イマジュリィの世界」

《12月20日から開催》「イマジュリィ(imagerie)」は、イメージ図像を意味するフランス語です。本展では、本や雑誌の挿画、装幀、絵はがき、ポスターなど大衆的な印刷物や版画の総称としてこの言葉を用いています。大衆文化が隆盛した大正時代には、印刷技術の革新を背景に出版文化が発展しました。藤島武二(1867–1943)、橋口五葉(1881–1921)、竹久夢二(1884–1934)ら当時新しい表現方法を模索していた画家たちも、同時代の美術界の動向と並走しながら、独自の表現を次々に生みだします。こうした動きのなかで、やがて杉浦非水(1876–1965)をはじめとする多くのグラフィックデザイナーが誕生し、モダンデザインに大きな影響を及ぼしました。

本展では、監修者である山田俊幸(1947–2024)の貴重なコレクション約320点を展覧し、多彩なデザインやイラストレーションをご紹介します。大正時代を中心に日本のくらしに花咲いた魅力あふれるイマジュリィの世界を、大正から昭和にかけての建築「大山崎山荘」をもつアサヒグループ大山崎山荘美術館で鑑賞できる展覧会です。

■会期/2025年12月20日(土)~2026年3月8日(日)
■会場/アサヒグループ大山崎山荘美術館
(京都府乙訓郡大山崎町銭原5-3)
■休館日/月曜日、12月30日(火)〜1月3日(土)、1月13日(火)、2月24日(火)※ただし1月12日、2月23日の祝日は開館
■料金/一般 1,500円ほか

(高畠華宵「華宵便箋」表紙《願ひ》(部分) 1925年)

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近畿【京都】千總ギャラリー「モチーフの方程式」

《12月13日から開催》着物や絵画では、文様(モチーフ)を組み合わせることで特定のイメージを表すことがあります。それらの組み合わされたモチーフは、作品から思い浮かべる光景や印象、願いといったイメージを他者と共有する手段として親しまれてきました。少ない情報で豊かなイメージを伝えるために培われた、いわば美の表現の方程式です。「松竹梅」や「波に鶴」など、現代のわたしたちはその“方程式”の結果だけを目にしているともいえます。

本展では、千總の所蔵品から「梅」「鶴」「月」が登場する作品を取り上げます。モチーフを一度分解し、再び組み合わせることで、その関係性が生み出すイメージを探ります。豊かなモチーフの世界を楽しめる展覧会です。

■会期/2025年12月13日(土)〜2026年3月10日(火)
■会場/千總ギャラリー〈ギャラリー1〉
(京都市中京区三条通烏丸西入御倉町80 千總本店2階)
■休館日/水曜日、2025年12月27日(土) 〜2026年1月5日(月)
■料金/無料
※臨時休業等により開館時間が変更となる場合がございます。

(小袖 梅樹散し模様/千總ホールディングス蔵)

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近畿【京都】京都市京セラ美術館 コレクションルーム 冬期 特集「お雛さまと人形の世界~絵画と共に四季をめぐる」

《12月19日から開催》京都を代表する人気作家やテーマをもうけた特集展示を通じて、京都美術の面白さを体感できる京都市京セラ美術館のコレクションルーム。

京都で江戸時代・明和年間に創業した人形司「丸平大木人形店」の雅やかな人形を、五節句や季節の行事を描いた絵画と共に展示します。丸平は、公家のしきたりである有職を基本とし、装束から調度品に至るまで品位あふれる人形づくりを行ってきました。

本展では、宮家や財閥などの名家に愛されてきた雛人形を中心に、丸平ならではの御所人形や衣装人形、市松人形を、所蔵品の近代画家の作品と取り合わせ、京都に息づく伝統美を振り返ります。

■会期/2025年12月19日(金)~2026年3月15日(日)
■会場/京都市京セラ美術館 本館 南回廊1階
(京都市左京区岡崎円勝寺町124)
■休館日/月曜日。祝日の場合は開館
■料金/一般:京都市内在住の方520円、京都市外在住の方730円ほか

(北沢映月《娘》1935年/京都市美術館蔵)

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近畿【大阪】高島屋史料館 リニューアルオープン5周年記念展「Imperial Warrant 皇室の御用達」

《12月22日まで》1831(天保2)年正月、京都で創業した高島屋。明治という新しい時代を迎えた時、呉服店の南側に段通店(敷物用織物の店)を開店し、装飾業を始めました。日本各地に洋風建築が増えていくにつれ、窓掛(カーテン)や壁張、壁掛、椅子張など、室内装飾織物の需要がたかまったので、高島屋の装飾業は次第に軌道に乗り始めていきました。

1887(明治20)年には、宮城(皇居)再建にあたり、窓掛ほか装飾織物御用を拝命。これを無事に納めると、諸官省からの御用が高島屋へ相次ぎ、東京に支店を設置する契機となりました。さらに1897(同30)年、「宮内省御用達」の認可を受けると、御用はますます拡大していきました。そして1915(大正4)年11月、近代初の即位礼となった大正大礼に際して、調度品御用を拝命。高島屋が納めた萬歳旙(ばんざいばん)をはじめとする色とりどりの旗は、即位礼を華やかに彩りました。この経験は1928(昭和3)年11月、昭和大礼における調度品御用拝命時にも活かされることになりました。

本展では、高島屋史料館が所蔵する近代皇室の「御用裂(ごようぎれ)」見本の数々を展観します。加えて、高島屋の御用図案を手がけた図案家のひとり、中山冝一の図案集『國華』(港区立郷土歴史館蔵)を特別展示し、近代皇室の御用をつとめた高島屋の知られざる歴史をご紹介します。

■会期/開催中 ~2025年12月22日(月)
※会期は変更となる場合があります。
■会場/高島屋史料館 企画展示室
(大阪市浪速区日本橋3-5-25 高島屋東別館3階)
■休館日/火・水曜日
■料金/無料

(宮殿装飾裂貼交屏風/高島屋史料館藏 【第Ⅱ部展示】)

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近畿【奈良】奈良国立博物館 特別陳列「春日若宮おん祭の信仰と美術」

《12月13日から開催》春日若宮おん祭は、1年に一度、春日大社の若宮社(若宮神社)より若宮神を御旅所へお迎えし、1日24時間にわたりさまざまな芸能を捧げる祭礼です。御旅所の若宮神のもとに祭礼参加者が詣でる風流行列や、田楽や舞楽、猿楽などの神事芸能が有名です。平安時代の保延2年(1136)に始まり、古儀の祭礼を守り続けて今年で890年目を迎えます。

本展はおん祭の歴史と祭礼、ならびに春日大社への信仰に関わる美術を紹介する恒例の企画です。精緻な技巧が凝らされた神宝とともに、近年行われた文化財復元の成果もあわせて展示します。また本年は、地域の住民が、春日曼荼羅を掛けてお参りする「春日講」についても紹介します。春日信仰にまつわる数々の作品を通じ、大和一国を挙げて行われた華やかなおん祭の世界をご覧ください。

■会期/2025年12月13日(土)~2026年1月18日(日)
■会場/奈良国立博物館 西新館
(奈良市登大路町50番地)
■休館日/月曜日、12月28日(日)~2026年1月1日(木)、1月13日(火) ※ただし1月12日(月・祝)は開館
■料金/一般 700円

(神楽装束・簪 現代(20世紀)/奈良・春日大社蔵)

Hiromi Matsuo

中国【島根】平田本陣記念館「マツオヒロミ展 レトロモダンファンタジア」

島根県松江市出身のマツオヒロミさんは、レトロモダンな世界を美麗に描いて人気のイラストレーターです。匂いたつような色香をまとった艶やかな女性像はもちろんのこと、衣装・装飾品・建物・ロゴなど、細部にわたって“マツオヒロミイズム”が貫かれています。

本展では、架空の百貨店“三紅百貨店”を舞台にした『百貨店ワルツ』、創刊 100 周年の空想の老舗ファッション誌“RONDO”を巡る『マガジンロンド』、ランジェリーをテーマにした『マイ ガーランド』など、見る人を魅了してやまない独自の作品世界を余すことなく紹介します。

平田本陣記念館では、2018 年の「百花繚乱 マツオヒロミ展」以来の展覧会となります。日本を代表するイラストレーターへと駆け上がるマツオヒロミさんの新たな挑戦と現在地をご覧ください。

■会期/開催中 ~2026年1月25日(日)
■会 場/平田本陣記念館
(島根県出雲市平田町 515 番地)
■休館日/火曜、年末年始(12/29~1/3)
■料金/一般1,000円ほか

(マツオヒロミ「秘密Ⅱ」)

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九州【福岡】福岡市美術館「一杉コレクション展―魅惑のインドネシア染織―」

《12月17日から開催》多数の島々からなるインドネシアは、染織の宝庫と呼ばれるほどバリエーション豊かな染織品で知られています。

本展では一杉秀樹さんが長年にわたって収集し、2023年度に福岡市美術館に寄贈した、インドネシアの染織品約90点を紹介します。

■会期/2025年12月17日(水) 〜 2026年3月15日(日)
■会場/福岡市美術館 1階 古美術企画展示室
(福岡市中央区大濠公園1-6)
■休館日/月曜日、12月28日(日)~2026年1月4日(日)※1月12日(月・祝)、2月23日(月・祝)は開館し、1月13日(火)、2月24日(火)は休館
■料金/一般200円

■2025年12月着物の新着記事
アンティーク着物を知る池田由紀子のおしゃれ提案|12月・来たる年に心を寄せる師走のひと揃い

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