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“退職金1,175万”を受け取った40代男性→住宅ローンの繰上返済をしようと銀行へ…しかし、窓口で告げられた“想定外の事実”

  • 2026.6.5
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関勤務のおがわ163です。

20年間、金融機関の窓口で資産運用や家計相談に携わってきた経験をもとに、お金にまつわるリアルなエピソードをお届けしています。

「まとまったお金が入ったら、まず住宅ローンを返してしまいたい」という方は多いのではないでしょうか。確かに借金がなくなるのはスッキリしますが、タイミングによっては損をしてしまうケースがあります。

今回は、転職による退職金1,175万円で住宅ローンを繰上返済しようとした40代男性Bさんが直面した、ローン控除との思わぬ落とし穴をご紹介します。

「退職金で一気に返してしまおう!」と決意したBさん

40代前半のBさんは、転職を機に前職から退職金1,175万円を受け取りました。

住宅ローンの残高が気になっていたBさんは「せっかくまとまったお金が入ったのだから、ローンを一気に返してしまおう」と意気込んで銀行窓口を訪れました。

「住宅ローンの繰上返済をしたいんですが、手続きをお願いできますか?」

しかし、窓口担当者からの質問に、Bさんは思わず固まってしまいました。「住宅ローン控除の適用期間は、まだ残っていますか?」

「繰上返済すると損をする」という衝撃

住宅ローン控除とは、年末時点のローン残高の1%が所得税から控除される制度です。Bさんは2019年に入居しており、最長10年間の適用期間のうち、まだ3年分の控除が残っていました。所得税から控除しきれない場合は、住民税からも一定額(年最大136,500円)まで控除される仕組みがあります。(※Bさんは消費税8%が適用された契約のため、控除期間は10年です。2019年10月以降入居で消費税10%が適用された方は、最長13年間の控除期間となる場合があります。)

「現在のBさんの借入金利は1%未満ですので、繰上返済でローン残高が減ると、減った利息以上に控除額も少なくなってしまいます」と窓口担当者から説明を受けたBさん。

「え、早く返したら損するんですか?」とBさん。「控除が終わってから返した方がお得ということですか?」。
さらに窓口担当者から、もう一つの注意点が伝えられました。Bさんは変動金利でローンを組んでいましたが、近年の金利上昇の影響で返済額が増えてきていました。

「金利が上がっている今、固定金利への借り換えも含めて検討されてみてはいかがでしょうか」

「早く返せばお得」という思い込みが、実は大きな落とし穴だったのです。

まとまったお金が入ったら、まず専門家に相談を

では、Bさんのような状況を防ぐためにはどうすればよいのでしょうか。
住宅ローンの繰上返済を検討する際には、以下の点を事前に確認することをおすすめします。


・住宅ローン控除の適用期間が残っているか確認する
・現在の借入金利が控除率(1%や0.7%)より低い場合は、控除終了後の繰上返済が有利なケースが多い
・変動金利の場合、現在の金利動向を確認し、固定金利への借り換えも検討する
・退職金など、まとまったお金が入った場合は繰上返済だけでなく、運用・貯蓄とのバランスも考える
なお、住宅ローン控除の控除率は入居時期によって異なります。2021年以前に入居した方は控除率1%、2022年以降に入居した方は控除率0.7%が適用されています。ご自身の入居時期と残りの控除期間を、一度確認してみることをおすすめします。
結局Bさんは、ローン控除が終わるまでの間は繰上返済を一部にとどめ、残りは老後の運用資金として活用する判断をしました。

「窓口に相談に来て本当によかった」とBさん。「知らずに全額繰上返済していたら、大きな損をしていたかもしれない」と胸をなでおろしていました。
退職金などまとまったお金の使い道は、一人で判断せず、早めに窓口や専門家に相談することをおすすめします。


参考:
住宅借入金等特別控除の概要・2021年以前入居(国税庁)

新築住宅を取得し令和4年以降に居住の用に供した場合(国税庁)

執筆:おがわ163
金融機関勤務(勤続20年)。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。窓口業務・資産運用相談の現場経験をもとに、生活に役立つお金の知識をわかりやすくお届けしています。

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