『なぜか嫌われる人』はやってしまう…「正論」でも「意見」でもない、“人を傷つける伝え方”とは？

2025.11.27

あなたのまわりにも、「正論を言っているだけなのに、なぜか嫌われてしまう人」はいませんか？本人は間違っていないと思っていても、なぜか距離を置かれてしまう、この違和感の正体はどこにあるのでしょうか。実は「正しいことを言う」や「意見を伝える」ことそのものよりも、伝え方に問題があるケースがあると言われています。

今回は、“正論”や“意見”に見えて、実は人の心を傷つけてしまう伝え方の特徴について、解説していきます。

正論でも意見でもない？知らずにやりがちな“伝え方の落とし穴”

言いたいことは筋が通っているし、間違いではありません。しかし、なぜか相手の反応が悪い…。こうした場面の背景には、「伝え方」が大きく影響している場合があります。

物事を指摘する際に、事実や論理だけでなく受け取り手の感情も影響してコミュニケーションは成り立っています。つまり、伝える内容が正論でも、相手が受け取りやすい言葉やタイミング、トーンが欠けていれば、人は傷ついたり、距離を置きたくなったりする場合があります。

例えば、ただ単に「それは違う」とだけ言ってしまうと、相手は否定された気持ちになります。正しいことを言っていても、受け手の尊厳や感情に配慮しない表現は“攻撃的”に響きやすいのです。意見の押し付けや一方的な評価もまた、相手を追い詰めるコミュニケーションの典型例と言えます。

どんな正論も“伝え方”次第で受け入れられ方が大きく変わる可能性があるのです。

見落としがちな「空気」と「感情のズレ」

なぜ「正論」が人を傷つける伝え方になってしまうのか。背景をもう少し掘り下げてみましょう。コミュニケーションは単なる情報伝達ではなく、周囲の空気や感情のやりとりも含んだものです。

そのため、たとえ正しい指摘であっても、相手の状況や心の余裕を考慮しないタイミングで伝えると、受け止めにくくなります。

よくある例としては、「相談でもないのにいきなり厳しい指摘をする」場面です。相手が元気でなかったり、気分が落ち込んでいたりすると、その指摘が“攻撃”として捉えられやすくなります。また、相手の話をきちんと聞かず自己中心的に意見を押し付ける行為も、コミュニケーションの基本ルールが崩れ、人間関係にひずみを生じさせやすいです。

“伝え方次第”で人間関係が変わる！気をつけたい3つのポイント

では、どうすれば“正論”や“意見”を傷つけずに伝えられるのでしょうか。いくつかのポイントがあります。心理的な安全性を確保し、共感や配慮を持って話すことで、相手も受け入れやすくなると言われています。

相手の感情をまず認める
指摘や意見の前に「大変だったね」「よく頑張ってるね」など相手の気持ちや状況に寄り添う言葉を添えると、受け入れやすくなります。
自分の気持ちや考えであることを明示する
「こう思う」「〜と感じる」と自分視点の言い回しにすることで押しつけや批判ではないニュアンスを出しやすいです。
具体的な改善案や提案を添える
単に問題点を指摘するより「こうしたらどうかな？」と改善イメージを伝えると、前向きなコミュニケーションになります。

こうした方法は、相手の気持ちに触れつつ対話をすすめ、誤解やトゲを減らす効果が期待されるでしょう。

ほんの少しの工夫が大切

正論を伝えること自体は、決して悪いことではありません。率直で誠実なコミュニケーションは、人間関係を深める力にもなります。
一方で、相手の感情や状況を考慮しない伝え方は、知らないうちに相手を傷つけたり壁を作ったりする可能性も。

「なぜか嫌われる」と感じる人は、ぜひ自分の伝え方を少しだけ見直してみるのもよいかもしれません。相手の立場や気持ちを少し意識し、優しい伝え方を心がけることで、正論もより柔らかく、そして届きやすくなっていく可能性があります。

今日からできる小さな気づきが、あなたの人間関係をより良く彩る一歩になるかもしれません。

監修者：あゆ実社労士事務所

人材育成とキャリア支援の分野で約10年の経験を持ち、社会保険労務士・国家資格キャリアコンサルタントとしても活動。
累計100名以上のキャリア面談を実施し、1on1面談制度の設計やキャリア面談シート作成などを通じて、組織の人材定着と成長を支援してきた。
新入社員向け「ビジネスマナー」「マインドセット」「ロジカルシンキング」研修やキャリア研修では、企画・コンテンツ作成から講師まで一貫して担当。
人間関係構築や部下育成、効果的な伝え方に関する豊富な実務経験を活かし、読者や受講者が一歩踏み出すきっかけとなる関わりを大切にしている。