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退職金2000万円で「特別にご案内します」銀行員が勧める“金融商品”を契約…→5年後、70代男性を待ち受けていた“悲惨な結末”

  • 2026.3.15
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。FPとして家計相談や金融記事の制作などを行っている。柴田です。

先日、定年退職した70歳男性・Aさん(仮名)の相談を受けました。退職金2,000万円を手にしたものの、銀行の窓口で「A様のような大切なお客様に、特別にご案内できるプランがございます」といった旨の勧誘に乗って金融商品を購入した結果、5年後手元に残ったのは約1,100万円だったそうです。

手数料を稼ぐ銀行の仕組み

銀行員が商品を勧める背景には、販売手数料という構造的なインセンティブがあります。投資信託には購入時に2〜3%、外貨建て保険には5〜8%もの手数料が発生する商品も珍しくありません。2,000万円分を購入すれば、銀行側には100〜160万円もの収益が生まれる計算です。担当者が「悪い人」というよりも、「客の資産が増えなくても銀行は儲かる」という仕組みになっているのです。

Aさんが購入したのは「毎月分配型投資信託」でした。毎月お金が振り込まれる安心感が魅力的に映りましたが、じつはその分配金の一部は運用益ではなく自分が預けた元本から支払われる「タコ足配当」でした。「受け取るたびに元本が削られていく」という現実に気づいたときには、すでに手遅れでした。さらに、信託報酬(投資信託の保有期間中に発生する手数料)も1.5%ほどあり、運用の不調も相まって資産が減り続けてしまったのです。

すでに購入してしまったら?損益に関係なく「すぐ売る」べき

「今さら売っても損が確定するだけ」「少し待てば回復するかっもしれない」という感情から、売却をためらうことがあるかもしれません。しかし、それは間違いです。

商品を持ち続けても、損失が回復する合理的な根拠はありません。むしろ毎年高い信託報酬を払い続け、傷口は広がる一方です。

大切なのは「いくらで買ったか」ではなく、「今この商品を持ち続けることが正しいか」です。答えがノーなら、含み損があろうと今すぐ売却し、手数料の安いまともな金融商品に乗り換えるべきです。具体的には、購入手数料ゼロ・信託報酬0.1〜0.2%台のインデックス型投資信託が選択肢になります。

退職金を受け取ったら、最初にすべき3つのこと

Aさんのような後悔を防ぐために、退職金を受け取ったらすぐに動かないことがまず鉄則です。

①最低3ヶ月は「定期預金」に置く:退職金専用の定期預金は金利が優遇されるケースも多いです。冷静に考える時間を確保することが最優先です。

②銀行窓口での即決を絶対に避ける:「今日だけ」「特別枠」は常套句です。その日に判断しなければならない金融商品など、まず存在しません。

③手数料を必ず確認する:購入手数料0%・信託報酬1%以下を目安にすると、いわゆるぼったくり商品をかなり排除できます。

退職金の一部を運用したいと思ったら、ネット証券で口座を開いてみてください。 銀行窓口では売られていないような、手数料の安いインデックス型投資信託が多数揃っています。窓口の担当者に急かされることもなく、自分のペースで商品を比較・検討できるのも大きなメリットです。

まとめ

金融庁は近年、金融機関に「顧客本位の業務運営」を求めていますが、現場がすぐ変わるとは限りません。自分の身を守るのは、最終的には自分自身の知識です。「銀行が勧めるから安心」という時代は終わっています。退職金は、人生で最後の大きなまとまったお金になるケースも多いです。受け取った瞬間こそ、最も慎重であるべき時間だと覚えておいてください。


監修者:柴田 充輝

厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1200記事以上の執筆実績あり。保有資格は1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)、社会保険労務士、行政書士、宅地建物取引主任士など。