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「家計の足しにしたい」繁忙期に残業→給与明細を見て絶句。40代のパート女性を襲った“思わぬ悲劇”【お金のプロは見た】

  • 2026.3.13
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

昨今の物価高を乗り切るために「シフトを増やして家計の足しにしたい」と考えるパート勤務の方は多いでしょう。

しかし、たくさん働いた結果、手元に残るお金が減ってしまうリスクが存在します。場合によっては、シフトさらにを抑えるか思い切って働くかの二択を迫られることになりかねません。

今回は、私の知人である40代女性のAさん(仮名)が直面した体験談をもとに、その理由を解説します。

頑張ったのにどうして?給与明細の手取り額を見て絶句

以前、Aさんから「ちょっと聞いてよ」と連絡が来ました。職場の繁忙期に「シフトを増やして家計の足しにしたい」と、残業を頑張っていたそうです。

その後、楽しみにしていた給料日を迎えました。そこでAさんは、店長から手渡された給与明細を見たのですが、思わず目を疑ってしまったそうです。額面は増えているものの、手取り額が先月より約1万円も減っていたからです。

たくさん働いたにもかかわらず、なぜか手元に残るお金が減ってしまい、Aさんは大きなショックを受けていました。

1万円も手取りが減ったのはなぜ?原因は「年収の壁」にあり

手取りが減少した原因は、社会保険(健康保険や厚生年金)の加入義務が発生する、いわゆる「年収の壁」です。2026年3月現在では、年収106万円や130万円を超えると、パートであっても勤務先の社会保険に加入するか、自分で保険料を負担する必要が出てきます。

社会保険料は決して安くありません。壁を少し超えたくらいの年収だと、引かれる金額が給与の増加分を上回り、手取りが減ってしまいます。Aさんが「たくさん働いたのに保険料で持っていかれた」と落ち込んでいたように、この逆転現象がパートで働く方々の不満を生んでいるのです。

私も引っかかるの?労働時間と給与のバランスを見誤った末路

Aさんのケースは、決して他人事ではありません。まずはご自身の雇用契約書を確認し、今の職場では「どの壁の対象になるか」を把握しましょう。勤務先の従業員数などによって、106万円か130万円か基準が変わるためです。

一度増えた分の収入は取り消せないため、シフトを増やす際は慎重に検討してください。安易に増やした結果、年末になってから慌てて出勤日数を調整しなければならないケースも出てきます。

2026年10月の制度撤廃で迫られるパート勤務の選択

さらにパートで働く方を悩ませているのが、2026年10月に106万円の壁が撤廃される点です。収入に関係なく、週20時間以上の勤務で社会保険の加入対象となります。加入対象とならないためには、平日5日間で平均すると1日4時間以内に抑えなければなりません。

この変更により、社会保険に入らないよう週20時間未満に抑えるか、保険料を払う前提で思い切ってシフトを増やすか選択する必要が出てきます。壁を少し超える働き方が最も手取りを減らしてしまうため、ご家族や職場とも相談しつつ、今後の働き方を決めましょう。

無意識に損しないために|制度のメリットを味方につけよう

たくさん働いたのに手取りが減ってしまうと「結局は保険料で取られるばかりだ」と、Aさんのように不満を抱くのは無理もありません。しかし、社会保険への加入によるメリットも忘れないでください。

厚生年金に加入すれば、将来受け取れる年金額が増えます。さらに、病気などで長期間休んだ際は傷病手当金(給与の約3分の2が支給される制度)を受け取れるなど、万が一の保障も手厚くなります。Aさんにもこのようにお話ししたところ、少し元気を取り戻してくれました。

ご自身が納得できる働き方を選ぶには、まず「週20時間以上働いた場合の手取り額」を試算してみてください。その金額と将来の安心感を天秤にかけ、勤務時間を抑えるか、思い切ってシフトを増やすか判断するとよいでしょう。


参考:社会保険の加入対象の拡大について(厚生労働省)

ライター:鈴木翔馬

2級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引士の資格を活かし、現在は金融・不動産ジャンルを中心にライター・監修者・メディア運営代行として活動中。制作記事数は1,000本(うち監修・記名記事は100本)以上。「ユーザーファースト」を徹底し、読者様の頭に疑問点を残さず、具体的な行動変容につながる記事コンテンツの制作に取り組んでいる。