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退職金1000万円のうち『500万円を一括投資』した夫婦→6ヶ月後、二人を待ち受けていた“想定外の悲劇”【元証券マンが告白】

  • 2026.3.14
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

証券会社に勤めていたと話すと「投資が得意な人」と思われがちです。しかし、夫の退職金を前にした半年前、私は恐怖心から動けなくなりました。

夫は再就職が決まっており、住宅ローンもなく、数年分の生活費も別に確保済み。客観的に見れば、投資を始めるのに申し分のない環境でした。それなのに…

「もう少し待てば、暴落が来るかもしれない」そんな思いが頭をよぎり、一括投資のタイミングを逃してしまいました。ここまでの経緯を正直にお伝えします。

スタートラインで立ち止まってしまった

当初の計画はシンプルでした。500万円は一括投資、残りの500万円は積み立て投資。一括分は日本の個別株とインデックス型投資信託に半分ずつ投資する予定でした。

ところが、いざ実行しようとしたとき、相場の過熱感が気になりました。
「最近、上がりすぎではないか」
「そろそろ調整が入るのでは?」
そう考え、一括投資分の500万円だけ様子を見ることにしました。

目をそらしてきた数字

それから約半年。私の不安とは裏腹に、相場は上昇しました。

日本の株式市場全体の値動きを示す代表的な指数「TOPIX(東証株価指数)」はおよそ22%上昇。世界中の株式を幅広く含む指数「MSCI ACWI」も約10%の上昇でした。

もしあのとき、500万円を半分ずつ投資していたとすれば、概算でおよそ80万円の含み益が出ていた計算になります。
実は、結果を直視したくなくて、今日までこの計算を避けてきました。改めて向き合ってみると、その差は想像以上に重く感じられます。

もし暴落していたら

もちろん、別の展開もあり得ました。

半年で相場が20%下がっていれば、500万円は約100万円減っていた可能性があります。その場合、私の「様子見」は妥当な判断だったといえるでしょう。

将来の価格変動を確実に予測することはできません。その前提のもと、資金を投じるのが投資です。

統計では「すぐに一括投資」が有利とされている

過去のデータでは、まとまった資金は早めに投資したほうが有利とされています。市場に長く置くほど、成長の恩恵を受けられる可能性が高まるからです。

その理屈は、もちろん理解していました。しかし、いざ自分の退職金を前にすると、理論よりも不安が勝ってしまいました。

過去の実績が将来を保証してくれるわけではありません。「今すぐ投資すべき」と言われても、気持ちが追いつかないこともあります。
相場の動きを毎回的確に予測するのは、プロの運用担当者であっても簡単ではありません。退職金のようにやり直しのきかない資金であれば、なおさらです。

「自分の最適解」を決めておく

今回私は、大きな利益を逃しました。悔しさはあります。ただ、投資は感情に引きずられると、判断を誤りやすくなります。
私は今後も、以下の5つのマイルールに沿って運用していくつもりです。

  • 生活費とは切り離した余裕資金で行う
  • 非課税制度を利用する
  • 一括投資と積み立て投資を併用する
  • 一括投資は3年以内を目安とし、焦らず機会を待つ
  • 長期保有を前提にする

もちろん、これが一般的な最適解だとは考えていません。ただ、相場に一喜一憂せず運用を続けるには「自分なりの基準」をあらかじめ定めておく必要があると感じています。

私は、小さな期待を胸に忍ばせながら、心静かに次の機会を待つことにします。


ライター:たなべようこ

証券会社にて個人向け資産運用のアドバイス業務に約10年間従事。現在は、実務経験と金融資格、自身の投資経験を活かし、金融分野に特化したライターとして活動中。メガバンクのコンテンツ制作や大手金融メディアでの記事執筆など、信頼性が重視される案件を多数手がけている。

【保有資格】
・2級ファイナンシャル・プランニング技能士
・証券外務員一種