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「この生活水準は当然」現役時代にタワマンを購入した人の“末路”…→数十年後、家計を襲う“恐ろしい事態”【お金のプロは見た】

  • 2026.3.14
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出典元:phootAC(※画像はイメージです)

タワーマンションでの優雅な暮らし。多くの人が憧れるその裏で、「老後破綻」という恐ろしいリスクが潜んでいるのをご存知でしょうか。

「なぜ、高収入だったはずの人が定年後に苦しむのか?」
「タワマンならではの隠れたコストとは何なのか?」

本記事では、タワマン特有の維持費が高騰するカラクリから、高収入家庭が陥りやすい「メタボ家計」の危険性について紐解きます。さらに、明日からすぐに行える実践的な家計防衛策もご紹介。老後も安心して住み続けるためのヒントが詰まっています。

なぜタワマンの維持費は上がり続けるのか?

---タワーマンションの修繕積立金や管理費が、将来的に大きく跳ね上がると耳にしました。なぜ、これほどまでに維持費が高騰しやすいのでしょうか?

柴田 充輝さん:

「タワマンの維持費が高騰する背景には、建物の特殊な構造から生まれるコスト増が深く関わっています。

まず、タワマンには一般のマンションにはないプール・フィットネスジム・ゲストルーム・ラウンジ・コンシェルジュサービスなど、多彩な共用設備が備わっています。これらは築年数が経つにつれて老朽化し、修繕や設備更新のたびに相応の費用が発生します。なかでも高速エレベーターは台数も多く、交換工事は高額になりやすい項目の一つです。

外壁の大規模修繕工事も見逃せません。超高層ビルでは通常の足場が使えず、ゴンドラなど特殊な仮設設備が必要になるため、国土交通省も低層マンションに比べて修繕工事費が高くなる傾向があると示しています。

その結果、新築時に低めに設定されることが多い修繕積立金は、築年数が経つほど値上げや一時金(追加徴収)が生じやすい構造です。

さらに、コンシェルジュや常駐スタッフの人件費は、物価上昇や最低賃金引き上げの影響を直接受けます。その結果、管理費の値上げという形で毎月の支出に響いてきます。住戸が広く、共用施設が充実した物件では、修繕積立金・管理費・固定資産税・住宅ローン返済を合算すると、住居関連の支出が想定以上の水準に達することがあります。

定年後に収入が大幅に減っても、こうした固定費の増加は待ったなしで続きます。現役時代の高収入を前提に組み上げた住居コストが、老後の家計を確実に圧迫していくのです。」

高収入ゆえの罠?「メタボ家計」が招く破綻リスク

---現役時代にタワマンを購入できるほどの高収入があれば、老後も安心だと思ってしまいます。なぜ、そのような家庭でも家計が破綻してしまう危険があるのでしょうか?

柴田 充輝さん:

「高収入が続くと、『この生活水準は当然』という感覚が無意識に根づきやすくなります。その結果、子どもの学費や高級車のローン、海外旅行、外食費など、あらゆる支出が積み上がった『メタボ家計』に陥りがちです(ライフスタイル・インフレーションとも言います)。

こうした支出の積み重ねは、収入が安定している間は問題になりにくいのですが、タワマンの修繕積立金が値上がりしたり、定年で収入が半減したりした瞬間に、一気に破綻リスクが高まります。家計が『高収入前提』で設計されているため、収入が少し下がるだけで赤字に転落してしまうのです。

特に危険なのは、貯蓄がほとんどない状態で高い生活水準を維持しているケースです。収入の多い少ないに関わらず、手元の貯蓄がなければ修繕の一時金・医療費・子どもへの緊急援助といった突発的な支出に対応できません。毎月の収支がギリギリでは、もはや手の打ちようがなくなります。

また、住宅ローン・教育費・車のローンが同じ時期に重なる『三重苦』の局面で、タワマンの修繕積立金値上げが加わると、固定費だけで収入を超えてしまうことも起こりえます。
収入が高い時期こそ、『今の支出は本当に必要か』を冷静に問い直すことが、老後破綻を防ぐ防衛策になります。」

老後破綻を回避する!いますぐ始めるべき家計の防衛策

---手遅れになる前に、現役の今だからこそできる対策を教えてください。何から手をつければよいのでしょうか?

柴田 充輝さん:

「まず最初にやるべきことは、『毎月いくら入ってきて、いくら出ていくか』を正確に把握することです。家計の黒字(収入>支出)を保つことは大前提ですが、意外と支出の全体像を把握できていない方は多い印象です。

家計簿アプリを使えば、銀行口座やクレジットカードと連携して自動で集計できます。まずは1か月分の収支を『見える化』することから始めましょう。

次に取り組むべきは、固定費の見直しです。毎月必ず発生する固定費は、一度削減できれば節約効果が長く続くのが特徴です。携帯電話は、現在の契約内容によっては格安SIMやサブブランドへの乗り換えで毎月の通信費を抑えられる可能性があります。節約幅は契約内容や回線数によって異なりますが、家族全員分を見直せばまとまった差が出ることもあります。電力会社の変更や、使っていないサブスクリプション(定額サービス)の解約も効果的です。

住宅ローンの条件確認も重要な一手です。現在の金利が高い場合、まず今の金融機関に金利引き下げを交渉してみましょう。それでも改善しなければ、より低金利の別の金融機関への借り換えを検討する価値があります。借り換えの効果は残高や残りの返済年数によって大きく異なりますが、シミュレーションツールを使えば、自分のケースで試算できます。

『いきなり生活水準を大きく下げる』のは長続きしません。まず固定費の削減から着手し、毎月の黒字を少しずつ積み上げる習慣をつくることが、老後破綻を回避するうえで重要です。」

「見える化」と「固定費の見直し」で安心できる老後を

豪華な共用設備や見晴らしの良さなど、魅力あふれるタワーマンション。しかしその裏には、建物の構造上避けられないコスト増と、高収入ゆえに膨らんでしまう「メタボ家計」というリスクが潜んでいることが分かりました。

将来への不安を解消するためには、「今の支出は本当に必要か」を冷静に見つめ直すことが不可欠です。まずは家計簿アプリを使って1か月の収支を「見える化」し、通信費やサブスクリプションといった身近な固定費の削減から着手してみてはいかがでしょうか。

手遅れになる前に、現役時代のうちから小さな黒字を積み上げる習慣をつくることこそが、老後破綻を防ぎ、安心したタワマンライフを守るための最強の防衛策になるはずです。


監修者:柴田 充輝

厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1200記事以上の執筆実績あり。保有資格は1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)、社会保険労務士、行政書士、宅地建物取引主任士など。