1. トップ
  2. 「ずっと迷惑をかけていたし…」育休終了を“9月→6月”に繰り上げ→1ヶ月後、給与明細を見た30代女性が“絶句したワケ”【社労士は見た】

「ずっと迷惑をかけていたし…」育休終了を“9月→6月”に繰り上げ→1ヶ月後、給与明細を見た30代女性が“絶句したワケ”【社労士は見た】

  • 2026.3.9
undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。社会労務士として、日々さまざまなお金にまつわる相談に向き合っている加藤です。

今回は、32歳女性・Aさん(仮名)のお話をご紹介。Aさんは、出産後から育児休業を取得し、本来は9月末まで休む予定でした。しかし4月、上司から「できれば6月から来てほしい、助かる」と声をかけられました。

「ずっとご迷惑をおかけしていたし、恩返しのつもりで」。二つ返事で快諾したAさんは、6月15日から職場へ復帰しました。慌ただしい毎日の中で心待ちにしていたのが、7月のボーナスです。育休中は保険料が引かれなかったため、「今回も手取りが多いはず」と期待していました。

給与明細を見て、思わず声が出た

しかし、7月10日、スマートフォンで明細を確認したさやかさんは画面を二度見しました。

支給額60万円に対し、社会保険料が約8万5千円も引かれています。

「昨年冬のボーナスは保険料ゼロだったのに、これ間違いじゃないですか?」——人事に問い合わせると、返ってきた答えはシンプルでした。「育休中ではないので、通常通りの計算です」。

頭では理解できました。でも、納得はできませんでした。

「あと6週間だったのに」——8万円の差を生んだ復帰日

後日、Aさんは社労士に相談し、制度の仕組みを初めて知りました。

育休中の賞与に社会保険料がかからないのは、「賞与が支給された月の月末時点で、育休を取得中であること」が条件です。さらに2022年10月の法改正以降は、育休開始日から1ヶ月を超えて継続して取得していることも求められます(短期の育休取得による賞与免除を防ぐための改正)。

Aさんは産後からずっと育休を取得していたため、この「1ヶ月超」の条件は満たせる状況にありました。つまり、育休を7月31日まで継続していれば、7月10日支給のボーナスの保険料が免除された可能性が高いのです。

「職場の都合を優先して、自分が損をしていたとは」——Aさんはそう苦笑いしました。

育休の「終わらせ方」にも戦略が必要な理由

育休中の社会保険料免除には、知られていないルールがあります。

  • 月給の保険料:月末時点で育休中(その月の育休取得が一定日数以上の場合)であれば、その月の月給にかかる保険料が免除されます
  • 賞与の保険料:賞与支給月の月末時点で育休中、かつ育休開始日から1ヶ月を超えて継続して取得していれば、その賞与の保険料が免除されます

「育休を取る」だけでなく、「どのタイミングで終わらせるか」で、手取り額が数万円単位で変わります。職場への遠慮から早期復帰を受け入れる前に、賞与支給のタイミングを確認しておくことが大切です。

復帰前に確認したい3つのポイント

育休の終了日を検討する際は、以下を確認しておきましょう。

  1. 会社の賞与支給月はいつか——その月の月末まで育休を継続できれば、保険料免除の対象になり得ます
  2. 育休開始日から1ヶ月を超えているか——「産後からの継続育休」であれば通常は条件を満たしますが、短期取得の場合は要確認です
  3. 「早期復帰の打診」にすぐ応じない——人事や社労士に相談した上で判断しましょう

育休は「いつまで取るか」だけでなく、「いつ終わらせるか」の選択でも大きな差が生まれます。詳細な条件は会社の担当者や社会保険労務士にご確認ください。


監修者:あゆ実社労士事務所
人材育成・キャリア支援を軸に約10年の実務経験を持つ、社会保険労務士/国家資格キャリアコンサルタント。 IT企業の人事として、新卒・若手育成、研修設計、評価・キャリア支援の仕組みづくりに携わる一方、個人では企業や個人に向けたキャリア相談・人事支援を行っている。 これまでに累計100名以上のキャリア面談を実施し、1on1制度設計や面談シートの設計、育成施策の言語化を支援。 近年は生成AIを活用した業務設計・人事業務の効率化にも注力し、「現場で使えること」を前提にしたAI活用の伴走支援を行っている。