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エネルギーと美しさを内側から。ビタミンB12を豊富に含む11の食材

  • 2025.8.21

栄養バランスの整った食事を考えるとき、欠かせないのがビタミンB12を含む食材。ニューヨークに拠点を置く全米有数の医療機関、マウントサイナイ病院で外来栄養サービス部門のディレクターを務めるサマンサ・ディエラス氏は「水溶性ビタミンであるビタミンB12は、神経の働きや血液細胞の生成、代謝、DNAの合成など、体の健康を保つために必要な多くの機能を担っています」と説明する。

ビタミンB12を含む食材は、日常の食事に取り入れやすいのも魅力だ。植物性中心の食生活を送っている人でも、肉や乳製品を積極的に取り入れている人でも、幅広い食品群から見つけることができる。また、これらの食材にはオメガ3脂肪酸やタンパク質、鉄分など、私たちの体に欠かせない栄養素が同時に含まれていることも多い。

すでに自分の食生活でビタミンB12が足りているか確かめたい人も、これから意識的に増やしたい人も、まずは押さえておきたい代表的な食材がこちら。

  1. あさり 鉄分との相乗効果でエネルギーをサポート

    シーフード好きには欠かせないあさりは、ビタミンB12の優れた供給源。管理栄養士のローレン・マナカー氏によれば、米国国立衛生研究所(NIH)のデータで、約85グラムのあさりに含まれるビタミンB12はおよそ17マイクログラムにのぼるという。さらに鉄分も豊富で、ビタミンB12との組み合わせによってエネルギー産生や赤血球の生成を力強くサポートしてくれる。
  2. 牛・鶏などのレバー 栄養の宝庫、少量でも圧倒的なビタミンB12

    マナカー氏は「レバーは栄養の宝庫」と表現する。ビタミンB12に加えて、鉄やビタミンAまでも網羅しているからだ。NIHによると、牛や鶏のレバー1食分には70.7マイクログラムのビタミンB12が含まれ、これは1日の推奨量のおよそ3000%に相当する。少量でも圧倒的な栄養価を誇る、頼れる食材といえる。
  3. サーモン ビタミンB12とオメガ3で脳と心臓を健やかに

    専門家からもセレブリティからも愛される食材サーモン。マナカー氏は「サーモンには2.6マイクログラムのビタミンB12が含まれているだけでなく、オメガ3脂肪酸の主要な供給源でもあります」と話す。この組み合わせは、脳の働きや心臓の健康を支えるうえで特に効果的だ。
  4. ニジマス 日常に取り入れやすい高栄養フィッシュ

    サーモンと並んでおすすめなのが、ビタミンB12とオメガ3脂肪酸を豊富に含む魚・ニジマス。米国農務省(USDA)のデータによれば、ニジマスの切り身1枚には4.6マイクログラムのビタミンB12が含まれている。日常の食卓に取り入れやすく、栄養価の高さでも優秀な存在だ。
  5. ツナ 高たんぱく+ビタミンB12で頼れる定番食材

    高たんぱく食材として広く知られるツナも、ビタミンB12をしっかり摂れる優秀な魚。マナカー氏は「ツナはたんぱく源としてだけでなく、ビタミンB12の供給源としても注目できます」と語る。NIHによると、約85グラムのツナには2.5マイクログラムのビタミンB12が含まれている。
  6. 卵 手軽に毎日の食卓へ取り入れられる万能フード

    手軽に食卓へ取り入れられる卵も、良質なたんぱく質とビタミンB12を含む食材。マナカー氏は「卵はどんな食事にも簡単に加えられる点が魅力です」と話す。NIHによれば、大きめの卵1個には0.5マイクログラムのビタミンB12が含まれているという。朝食からお弁当、スイーツまで万能に使える。
  7. 牛乳 カルシウムだけじゃない、B12やビタミンDも補給

    市販のホールミルクは栄養価が高く、カルシウム源として骨や歯を丈夫に保つことでよく知られている。また、たんぱく質やビタミンD、ビタミンB12も含み、筋肉の修復やエネルギー代謝をサポートしてくれる優秀な飲み物。NIHによると、2%ミルク1カップには1.3マイクログラムのビタミンB12が含まれている。
  8. ヨーグルト 続けやすいデイリーフードでB12チャージ

    もうひとつの身近な乳製品、ヨーグルトもビタミンB12を摂るのにおすすめ。NIHのデータでは、無脂肪ヨーグルト約170グラムに1マイクログラムのビタミンB12が含まれている。朝食やスナックに取り入れるのも簡単で続けやすい。
  9. イワシ 缶詰で手軽に、B12・カルシウム・オメガ3を一度に

    近年トレンドになっている缶詰フィッシュのなかでも、特にイワシはビタミンB12の宝庫。「小さいけれどパワフルで、ビタミンB12だけでなくカルシウムやオメガ3脂肪酸も豊富です」とマナカー氏は語る。USDAによれば、イワシの缶詰1つに含まれるビタミンB12は8.22マイクログラムにもなる。手軽で栄養満点なストックフードだ。
  10. 赤身の牛肉 エネルギー代謝と赤血球の健康を支える

    良質なたんぱく質や鉄分を含む赤身の牛肉は、エネルギー補給や赤血球の健康維持に役立つ食材として、ビタミンB12も豊富に含んでいる。マナカー氏も「赤身の牛肉はビタミンB12の良い供給源です」と推奨している。NIHによると、約85グラムの赤身牛肉には2.4マイクログラムのビタミンB12が含まれている。
  11. ニュートリショナルイースト ヴィーガンにもうれしい植物性B12源

    チーズのような風味で人気のニュートリショナルイーストは、植物性の食生活を送る人にもうれしい万能調味料。栄養価が高く、特にビタミンB12を豊富に含むことで知られている。NIHのデータでは、約1/4カップのニュートリショナルイーストに8.3〜24マイクログラムものビタミンB12が含まれるという。ヴィーガンやベジタリアンにとって心強い味方だ。

ビタミンB12、その美と健康を支える多彩な役割

ここまで紹介したように、ビタミンB12の恩恵は実に幅広い。マナカー氏は「食べたものを効率よくエネルギーへと変換する働きを担っています」と説明する。そのほかにも神経系のサポート、赤血球やDNAの生成、心疾患リスクの低下など、私たちの健康を支える多彩な役割を持つ。さらに「気分の安定やセロトニンの生成にも関わるため、感情面でのサポートも期待できます」とも語る。

毎日の食事に意識的に取り入れることで、体も心も健やかに整えてくれるビタミンB12。手軽な卵や乳製品から、魚介や赤身肉、植物性のニュートリショナルイーストまで、ライフスタイルに合った食材を選びながら、内側からのエネルギーと美しさを育てていきたい。

1日に必要なビタミンB12の摂取量は?

ディエラス氏によれば、1日の推奨摂取量は2.4〜2.8マイクログラムが目安。妊娠中の人は2.6マイクログラム、授乳中の人はやや多めの2.8マイクログラムを目標にするとよいという。

足りないときはサプリでプラスすべき?

理想は、バランスの取れた食事からビタミンB12を摂ること。マナカー氏は「食材そのものから栄養を取り入れるのがベストです」と強調する。ただし、食事だけでは不足してしまう場合や、吸収障害(悪性貧血など)がある場合には、サプリメントで補う必要がある。錠剤タイプのほか、医師の処方によっては注射での補給も行われる。

安心して摂れる? ビタミンB12の注意点

ディエラス氏とマナカー氏によれば、ビタミンB12は基本的に安全性が高く、副作用はほとんどないという。マナカー氏は「ビタミンB12サプリメントは、体に不要な分は排出されるため、一般的には安心して摂取できます」と説明する。ただし、高用量を摂ると頭痛や吐き気を引き起こす可能性がある。さらにディエラス氏は、胃酸分泌抑制剤やメトホルミンなど一部の薬と相互作用を起こす場合があるとも指摘する。新しいサプリメントを始めるときは、必ず医師に相談し、自分の体に合っているかを確認するのが安心だ。

FROM VOGUE.COM

Text: Audrey Noble Translation: Makiko Yoshida

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