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弱風・微風はむしろ電気代がかさむ!?エアコンの新常識を専門家が徹底解説!熱中症を防いで節電も叶える技をマスターせよ

  • 2025.8.14

エアコンは、ちょっとした工夫で効率よく部屋を冷やし、電気代もおさえられることを知っていましたか?
今すぐできるコツをプロにうかがいました。
教えてくれたのは・・・
消費生活アドバイザー
和田由貴さん
家電製品アドバイザー、食生活アドバイザーなど、暮らしや家事の専門家として多方面で活動。「節約は、無理をしないで楽しく!」がモットー。

 

部屋の中に外の熱気を入れない工夫を

猛暑&電気代も高くなり、エアコンの使い方に頭を悩ませている人も多いのでは?
なるべくエアコンをつけないでがんばりたい……なんて思うと、熱中症の危険も。
 
「熱中症の4割は室内で起こると言われています。特に、室温が28度を超え、湿度が60%より高いと熱中症のリスクがあります」。
 
エアコンの設定温度は28度が目安と思っている人も多いですが、実際の温度は部屋の状況によって違います。特に、西日が入る部屋は、夜になっても温度が下がらない傾向が。
 
「実は部屋の気温は窓から伝わる熱に大きく左右されます。今ある窓の内側に窓を付ける二重窓にリノベーションすると、外の暑さが部屋の中に伝わりにくくなり、冷暖房の効率がアップします」
 
つまり、部屋を直射日光から守ることが大切。使っていない部屋や外出時はカーテンを閉めたり、カーテンを断熱性能のあるものに変えるのがおすすめ。

節電のカギはエアコンの冷える仕組みにあり

また、エコのためにはエアコンの冷える仕組みに注目を。
 
「冷房は室内機と室外機の中を『冷媒』というガスが行ったり来たりしています。冷房は
暑い空気の熱を冷媒にのせて圧縮して外に放出。低温になった冷媒で冷やされた空気を部屋に戻します。電力を使うのは、この圧縮するときです。だから、設定温度を1度下げると10%くらい消費電力が増加。一方、いったん下がった室温をキープしたり風を送るのにはあまり電力を消費しません」。
 
ちょっと暑いなと感じるときは、設定温度を下げるのではなく、風力を強にすると体感温度が下がるのでエコです。
賢くエアコンを使って、夏を乗り切りましょう。

エアコン・10の新ルール

1. 「エアコンの設定温度は28度」は間違い!

「28度というのは、環境省が定めた熱中症を防ぐための“室温”の目安。エアコンの設定温度ではありません。室温は部屋の状況によって変わるので、温湿度計で測って、気温28度、
湿度60%以下になるようエアコンの調節を」。
ただ、設定温度を1度下げると電気代は10%くらい変わるので、冷やしすぎには要注意。

2. エアコン節電、実は「窓」が最重要ポイント!

「部屋の温度への影響が大きいのは窓で、実に73%と言われています。暑い空気は外から内側に伝わるので、窓の外側によしずを取り付けたり、ゴーヤーや朝顔などでグリーンカーテンをつくるのがおすすめ」。
ベランダに面していない窓などで難しい場合は、カーテンと窓の間に付けられる遮熱ライナーもあり、見た目を変えずに対策できます。

室内に入る熱は“ 窓からが約7割!”

3. 温湿度計を腰から目線の高さに置いて確認

適切な環境にするのに大切な温湿度計。
最近はリーズナブルに買えるのでぜひ設置を。正しく測るには置く場所が大事。
「エアコンの風や日光が直接当たる場所や、温度変化の激しい窓のそばなどはNG。目線から腰の高さで部屋の中心がベターです。直射日光が当たらないダイニングテーブルや外壁に接していない壁が◎」

4. 弱風、微風はむしろ電気代がかかる!?

「エアコンは暑い空気を冷やして放出するのに電力を使うので、できるだけ短時間で温度を下げるのがエコ。室温が高いときに弱風にしていると、温度が下がるまで時間がかかってしまうので消費電力は増えます」。
つまり、強風で一気に設定温度まで冷やせる自動運転が賢い使い方。強風が苦手な人は、風向きを調整しましょう。

5. 換気は「狭い窓→広い窓」「北→南」を意識

暑い空気が部屋にこもっているときは、換気をしてからエアコンをつけるのがエコ。換気のコツは?
「2か所の窓を開けること。特に、北側の窓を狭く、南側の窓を広く開けると北から南に風が抜けて涼しくなります。さらに、南の窓に扇風機を向けると換気の効率がよくなります」。
窓が2つないときは窓1か所+換気扇でもOK。

6. 風向は水平に。エアコンに対面する位置にサーキュレーターを

「冷たい空気は下にたまるので、夏はエアコンの羽根を水平にするのが正解。下向きだと床のあたりだけが冷えてしまいます」。
サーキュレーターを併用する場合は、エアコンと対面する部屋の端に置いて、下にたまった冷気を部屋に拡散する使い方がいいでしょう」。
ちなみに冬の暖気は上にたまるのでエアコンの羽根は下向きに。

7. 気温30 度以上なら、除湿したいときも「冷房」一択

「実は、除湿やドライ運転よりも冷房のほうが湿度を下げる効果があります。除湿は、気温は下げたくないけれど、湿気を下げたいときのものです。上位機種にあるいったん冷やした空気を温める再熱除湿は気温が低いときは便利ですが、電気代は高め」。
だから気温30度以上のときは、湿気が気になる場合も、冷房一択でOK。

8. 「照明」や「保温機能付き家電」が熱源に!?

「部屋の中で熱を発するものを少なくすることが大切。特に保温タイプの電気ポットや炊飯器の保温機能は、室温を上げるうえに、電気代も高いので注意。照明器具も白熱灯や蛍光灯は熱をたくさん発しています。可能なところはLEDに変えるのがおすすめです」。
スマホの充電器も熱をもちやすいので、充電が終わったら外して。

9. 見逃しがちな室外機は〝NO!直射日光"

「室外機は、外のファンを回して室内の熱を逃すためのもの。直射日光が当たるときは日よけをするのがベターです」。
また、まわりに荷物が積んであったり、雑草が丈高く茂っているのも熱が逃げにくいのでエアコンの効率を下げます。
室外機の上に屋根をつくる日よけカバーも販売されているので、うまく活用しましょう。

10. 睡眠時のエアコンはタイマー設定なしでいい

「エアコンはいったん設定温度になったらそのあとは電力をあまり使いません。タイマーで切れて、暑くなってからまた冷やすとよけいに電力がかかるので、つけっぱなしのほうがエコな場合があります」。
エアコンの風が苦手な場合は、ルール5の方法で換気+扇風機がおすすめ。

イラスト/なかむら葉子 文/田中絵真
 
大人のおしゃれ手帖2025年8月号より抜粋
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください

この記事を書いた人

大人のおしゃれ手帖編集部

大人のおしゃれ手帖編集部

ファッション、美容、更年期対策など、50代女性の暮らしを豊かにする記事を毎日更新中! ※記事の画像・文章の無断転載はご遠慮ください

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