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【香菜子さんの鎌倉移住と新しい暮らし】鎌倉と東京、二拠点生活を始めました!第1回

  • 2025.8.10

モデルとして、「おぱんつ君」の生みの親でもありアーティストとして幅広く活躍する香菜子さん。このほど50歳にして鎌倉へ移住、東京との二拠点生活をスタートさせました。移住して新しい生活をスタートさせて2か月ほどの香菜子さん。東京を離れるに至ったきっかけや、鎌倉を選んだ理由など、思いのたけを語っていただきました。

*扉写真
<鎌倉の海辺にて>
「自分の暮らしは、自分で選んでいい」──その始まりの一歩。

東京を離れて心のときめく場所へ

<鎌倉の新しい住まいにて>
山側にあるマンションに引っ越して2か月ほどですが、このテラスがお気に入り。

「ここ、鎌倉で暮らしてみたいかも」──その思いは、突然やってきたというより、ずっと心の奥に眠っていた何かが、静かに目を覚ましたような感覚でした。

長年暮らしてきた東京のマンション。
子どもたちと過ごした日々、働きながら走り抜けた時間。

でも気づけば、子どもたちは独立し、今、隣にいるのは夫と猫と、少し静かになった時間。

「これからは、自分がときめく場所で、生きていきたい」──
そんな想いが、ようやく自分の中に芽生えてきたような気がしたのです。
長年暮らしてきた東京のマンションには、家族との思い出がたくさん詰まっていました。
長女が1歳のときに購入し、途中で同じ建物内で住み替えをしながら、合計25年。
そのほとんどの時間を、子育てに費やしてきました。

時間も暮らしも変わったとき、東京でなくてもいい

子どもが独立し、夫婦ふたりになったとき、香菜子さんは、これからの暮らしは「東京でなくてもいいかな」と思ったそうです。東京のマンションを売って、どこか別の土地に暮らそうと考え始めました。

<26年前に中古物件を購入しリノベーションして住んでいた東京のかつての部屋。子どもが小さかったから常に壁は薄汚れていました(笑)。この後、同じマンション内で引っ越し5年間住みました>

二人の子どもが独立し、家の中はすっかり静かに。
夫とふたり、時間の流れも暮らし方も、少しずつ変わっていきました。
マンションの売却を考え始めたとき、最初に浮かんだのは、実家のある足利市や、その近くの桐生市。
東京からもそう遠くなく、暮らしやすい地域。年老いていく親のそばに……という思いもありました。
けれど、いざ物件情報を見てみると──どうしても、自分がそこに暮らす姿が思い描けなかったのです。
いろんな地域の物件を眺めていたある日、目に留まったのが「鎌倉エリア」。
なぜかわかりませんが、その瞬間、心がふっとときめいたのを覚えています。
「ここ、いいかも」と思えたのです。
足利や桐生も、もちろん好きな場所。
けれどそのとき私は、「今の私がときめくこと」「楽しいと思えること」が、いちばん大切なんだと、ハッと気づきました。
もう子どもたちは独立し、学区や通勤など、生活の都合に縛られることもない。
「誰かのため」ではなく、「自分のため」に動いてもいい。
そのことに、妙な嬉しさと自由を感じました。
ようやく、「自分のペースで生きていいんだ」と思えるようになったのです。

もちろん、私は今もモデルとして活動を続けていますし、「おぱんつ君」というキャラクターのディレクターとしても日々制作に携わっています。
東京のアトリエは、私にとって創造と表現の源。そこを手放すことは考えられませんでした。
だからこそ、選んだのは“二拠点生活”。
東京を離れるのではなく、もうひとつの「心がほどける場所」として、鎌倉を暮らしに加えたのです。

「今では、鎌倉での静かな暮らしと、東京での刺激的な仕事の日々とが、ちょうどよく支え合っています」……と言いたいところですが、実は鎌倉での新生活は、徒歩圏内にある歴史ある寺社や、美味しいお店、新鮮な野菜が手に入る直売所など、新規開拓に忙しく、それはそれでとても刺激的な毎日です(このあたりはまた改めて書きますね)。

いざ「住む」と決めた鎌倉での物件探し 家を建てる? 中古物件をリノベする?

そして、いざ「住む」と決めた鎌倉。
実は最初は土地勘もなく、大学時代に小田急線の終点・片瀬江ノ島駅まで足を伸ばし、江ノ電で鎌倉まで遊びに来た記憶がうっすらある程度でした。
エリアを絞ってからは、毎週末のように物件を探して鎌倉方面へ。
何度も通ううちに少しずつ土地勘は掴めてきたけれど、「ここに決めてしまっていいのか?」という迷いは拭いきれず。
家を建てるか、中古物件をリノベーションするか──と考えるたびに、決断できずに立ち止まってしまいました。
できる限り情報を集めようと、東京から鎌倉へ移住した知人宅を訪ねて話を聞いたり、かつて鎌倉に住んでいた人に「暮らしぶりはどう?」と尋ねたりする日々。

そこで初めて知ったのが、“湿気問題”。
みな口を揃えて「革靴は必ずカビるから!」「除湿機は年中フル稼働」と……。
実際にその知人の家でも、玄関に除湿機がフル稼働していました。
理想と現実のギャップに、心が折れそうになったこともあります。
予算の問題もあり、思い描いていた物件とはなかなか出合えませんでした。

そんななか、思いがけず東京のマンションが想定より早く売れてしまい、「早く次の住まいを決めなくては……!」という状況に。焦って買うのは後悔しそうだったので、いったん土地探しはお休み。賃貸での暮らしを選ぶことにしました。
猫と暮らしているので、ペット可物件を見つけるのは少し大変かと思っていたのですが、幸いにも良い物件に出合えました。

<新しい家の屋上からの眺め。木々から鳥の囀りが絶え間なく聞こえてきます>

*画像、文章の転載はご遠慮ください

この記事を書いた人

モデル、アーティスト 香菜子

香菜子

本誌はじめモデルとして、「おぱんつ君」のディレクターなどアーティストとして活躍中。

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