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「安眠は食事から始まる」。睡眠の質を格段に上げる4大要素とは

  • 2025.6.8

「就寝前に何を食べるか、ということは寝る前にスマホをやらないというのと同じくらい睡眠にとって重要なことかもしれない、というと意外に聞こえるかもしれませんが、実際安眠は食事から始まるのです」と栄養士のGQ・ジョーダンは言う。その理由は、適切な栄養素を摂取すると身体に栄養が行き渡り、サーカディアンリズム(自然な睡眠と覚醒のサイクル)が整うから。では、実際にどのような栄養を摂取すれば快適で質の高い睡眠を得ることができるのだろうか?

(1)良い睡眠の鍵を握る“マグネシウム”

「睡眠の質の向上に欠かせない栄養素はマグネシウムです。が、難点はストレスや運動によって枯渇する可能性があること。ですから、考えすぎたり、プレッシャーを感じたりして睡眠に影響が出ている場合は、食事にマグネシウムをもう少し取り入れる必要があるかもしれません」

マグネシウムは、気分やストレス反応の調整など、体内の600以上の酵素反応に関与しているだけでなく、神経伝達物質GABAの分泌量を調整するため、睡眠サポートにも優れている。そしてこのGABAの濃度上昇は、不眠症や睡眠障害と大きく関連することから、食事からマグネシウムを十分に摂取するなら「濃い緑色の葉物野菜やナッツ、全粒穀物、種子、大豆を積極的に摂ると良いでしょう。ダークチョコレートもマグネシウムの良い供給源なので、夜遅くに甘いものを食べるのが好きな人にも我慢せず栄養補給できるの点が良いと思います」

(2)“トリプトファン”の摂取量を増やす

トリプトファンは、体内でタンパク質の合成に使われる必須アミノ酸だが、自然界では生成されないため、十分な量を摂取するには食事が鍵を握る。なぜなら、トリプトファンはセロトニンの唯一の前駆体(=ある物質が生成される前段階の物質)であり、セロトニンは睡眠ホルモンであるメラトニンの前駆体であるため、睡眠を促進する上で重要な役割を果たすからだ。実際、就寝直前や夕食で摂取すると、入眠までの時間が短縮することもわかっている。「鶏肉、牛肉、豆腐、オート麦、バナナ、乳製品に含まれるトリプトファンは、リラックス効果と入眠を促すホルモンの生成に不可欠です。毎食で十分なタンパク質を摂取するなら、約25~30g、手のひら大の量を摂取しましょう。タンパク質はこれらの重要なホルモンの生成をサポートするだけでなく、血糖値の乱れの少ない睡眠につながります」

(3)もっと“メラトニン”を

夜、なかなか寝付けないなら、睡眠ホルモンの決定打とも言えるメラトニンを増やすのは理にかなっている。日常的に十分な量が生成できない理由はいくつか考えられるが、コルチゾールが減少してメラトニンが増加するはずの夜間にコルチゾール値が高くなることが原因になる場合が多い。「メラトニンが増加したからといってすぐに寝落ちするわけではありませんが、覚醒状態を和らげ、睡眠を促進します。そんな睡眠促進ホルモン・メラトニンの天然供給源としておすすめしたいのが、タルトチェリージュースです。食後に、タルトチェリージュース200ml、炭酸水100ml、アップルサイダービネガー大さじ1杯で作ったカクテルを試してみてください。お好みでミントの葉を添えても良いでしょう。カクテルを作るというルーティンが体にリラックスする時間だと知らせ、より早く眠りにつくことが期待できます」。また、メラトニンが豊富に含まれているナッツ類(特にピスタチオとアーモンド)やサーモンやサバなどの脂の乗った魚、そして1日の推奨摂取量の最大26%を摂取できるバナナを就寝前に食べるのもおすすめだという。

(4)睡眠の質向上に“オメガ3脂肪酸”

一方で、さまざまな炎症に対応する重要な栄養士であるオメガ3脂肪酸も、睡眠の改善にも役立つ可能性がある。というのも、ある研究でオメガ3脂肪酸の少ない食事を摂取している人はメラトニンの分泌が弱く、睡眠パターンが乱れることが判明したからだ。さらに、オメガ3脂肪酸にはストレス反応の一環として体内で放出され、交感神経の活動を高める化学物質ノルエピネフリンの分泌調節をサポートすることもわかっている。ノルエピネフリンとは、記憶の定着や脳の発達、感情処理に重要なレム睡眠を促進したり、睡眠の質の向上に大きく寄与する重要な物質だ。「日本で行われた最近の別の研究では、自然に睡眠の質と長さが低下し始める45歳以上の睡眠を促進する効果が証明されています。オメガ3脂肪酸は、冷水で獲れる脂の乗った魚“SMASH(=サーモン/Salmon、サバ/Mackerel、アンチョビ/Anchovies、イワシ/Sardine、ニシン/Herring)”や卵が最良の供給源ですが、ベジタリアンヴィーガンには亜麻仁、チアシード、クルミ、アボカド、ベリー類が選択肢として挙げられます。これらを積極的に摂取すると良いでしょう」

FROM VOGUE.UK

Text: Georgia Day Translation: Masami Yokoyama

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