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マーガレット・クアリーが『サブスタンス』について語る【sweetムービーインタビュー】

  • 2025.5.19

Margaret Qualleyマーガレット・クアリー

Margaret Qualley
1994年10月23日、モンタナ州生まれ。芸能一家で育ち、2011年にモデルとしてデビュー。13年の『パロアルト・ストーリー』でスクリーンデビューし、17年の『クローズド・ガーデン』で初主演。21年のNetflixシリーズ『メイドの手帖』でゴールデングローブ賞や全米映画俳優組合賞の候補になった。


再生医療、アンチエイジング、承認欲求……。今を生きる女子が気になって仕方ないことを全部詰め込んでいる『サブスタンス』。サブスタンスという怪しい再生医療に手を出したことから始まる元大人気女優の奇妙な体験を、ブラックユーモアたっぷりに描いた傑作だ。

デミ・ムーアが演じた主人公のエリザベスは、サブスタンスによって細胞分裂して、もうひとりのエリザベス「スー」が爆誕。エリザベスの経験値を持ちながら、美貌と若さを誇るスーは、一気にスターになっていくのだが……。このスーを演じたマーガレット・クアリーに直撃。

「私がこの脚本に引き寄せられた理由のひとつは、アンチエイジングや美容への過剰な関心、または越えられない壁に立ち向かうことなど、今を生きる人が共有しているトピックを語っているから。私はモデルとしてデビューして演技を始めたんですが、その道のりの一歩一歩が、完璧であること、または達成不可能なことへ、信じられないほど大きなプレッシャーを感じてたし、人生において誰もがある程度はこれらの壁にぶつかっていると思うんです。スーを演じることで、それら全てに正面から向き合わなければならなかったんですが、それは嬉しい経験。おかげで強くなったと感じています」


サブスタンスの鉄の掟は「片方のからだで1週間、もう片方ので1週間。例外はない」。彼女が演じたスーは、エリザベスが休眠中の7日間しか活動できない。

「本当に奇妙な経験でしたよ。私が演じたスーがいるのに、同じ心を持ったエリザベスもいるんだから。デミ・ムーアとはこの演じ分けについてはあまり深く語り合わず、むしろ私達自身が親しくなることで、この奇妙な体験をシェアして気持ちも通じ合えたと思っています。それに、スーは超冷酷な女性だから、エリザベスのような情はありませんしね。人の最悪な部分をデフォルメしたキャラクターだから、正直言ってかなり苦労しましたよ」

この作品の絶賛はカンヌ国際映画祭から始まり、コメディ、ホラー的要素が強い作品には難しいとされる映画賞までも席巻。

「撮影中は不安だったんですよ。5カ月間、スタジオでおかしなことをやってたから“いったい何してんの……?”って思うことも多かったんです。でも、お披露目されてすぐに大絶賛の反響をいただき、本当に嬉しかったですね。しかも、この作品は映画館で没入するタイプの作品。とんでもないことが起きるけど、スクリーンで観ることでそこからは逃げられませんから(笑)」


『サブスタンス』
story: 大人気女優だったエリザベス (D・ムーア)。彼女は50歳になり最後のレギュラー番組も降板させられて崖っぷちに。そんなとき、怪しげな再生医療の誘いを持ちかけられ、手を出してしまう。すると、あっという間に細胞分裂が始まって背中が破れ、若く美しいもうひとりのエリザベス“スー”(M・クアリー)が現れる。

監督・脚本:コラリー・ファルジャ/出演:デミ・ムーア、マーガレット・クアリー、デニス・クエイド ほか/配給:ギャガ/公開:5月16日より、TOHOシネマズ 日比谷 ほか全国ロードショー
© The Match Factory

text : MASAMICHI YOSHIHIRO

web edit : KIMIE WACHI[sweet web]

※記事の内容はsweet2025年6月号のものになります。
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください。

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