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ブレインフォグの解消から、ストレス軽減にも。お茶に含まれる“L-テアニン”の効果を解説

  • 2025.5.16

お茶に含まれるアミノ酸の一種、L-テアニンとは?

Two cups with coffee and green tea.

活力を高めると同時に、穏やかでリラックスした気分にさせてくれる緑茶。この緑茶の特別な効力は、テアニン(別名L-テアニン)と呼ばれるアミノ酸に由来する。この成分は緑茶や紅茶抹茶など茶の木(チャノキ)を原料とするお茶のみならず、ポルチーニ茸など一部のキノコ類にも自然に含まれている。

では、L-テアニンとは具体的にどういうもので、なぜ注目されているのだろうか? 「L-テアニンは緑茶に多く含まれる非タンパク性アミノ酸です」と説明するのは、スポーツ科学、運動生理学、筋肉代謝、栄養学の専門家で、サプリメーカーRitualの最高科学責任者であるニマ・アラムダリ博士。「カフェインを含むお茶に心を落ち着かせる効果があるのは、このアミノ酸のおかげだとよく言われています。このパラドックスにより、科学者たちは脳にどのような影響があるかを詳しく調べるようになったのです」

L-テアニンは体内で自然に生成されないため、飲み物や食べ物、サプリメントで摂取する必要がある。

L-テアニンの働きとは?

L-テアニンはタンパク質を作る助けにはならないが、それでも私たちの体内で重要な働きをしている。もっとも興味深いのは、アラムダリ博士の表現によれば「落ち着いているが明晰」な精神状態をサポートすることだ。

「鎮静剤と違って、L-テアニンは感覚を鈍らせることがないようです」と博士。「L-テアニンは、気分やリラックスに関連する主要な脳内化学物質に影響を与えると同時に、穏やかで集中した精神状態にあるときに発生するα(アルファ)波の活動を高めることで、この精神状態を可能にしているのではないかと思います」

L-テアニンは、気分や感情の質を左右するホルモンのセロトニンやドーパミンの生成、さらに、ストレスホルモンであるコルチゾールのレベルにも影響を与える可能性がある。このような理由で「L-テアニンが短期的なストレス、特に、思考が高ぶっているときや、身体が緊張しているときの管理にもっともよく使われるのでしょう」と博士は言う。

そのため、L-テアニンは、高度な集中力を必要とする環境で勉強や仕事をする人に特に有用になり得る。実際、アメリカ国立医学図書館が公表する研究によると、長時間注意を要する作業をしている間、1日あたり100mgを摂取した人は摂取していない人に比べてミスが少なかったことが明らかになっている。

「対照試験では、人前で話すシミュレーションや素早い問題解決といった、精神的に負荷のかかる作業をするよう求められた参加者のL-テアニン摂取後の血圧や心拍数の上昇は小さかった」とアラムダリ博士は説明する。「このような鎮静効果は、ストレスに対してより強く反応しやすい人において、もっとも顕著であり、自己申告による不安の軽減と一致することが頻繁にありました。正確なメカニズムはいまだ解明中ですが、現在考えられているのは、L-テアニンが副交感神経、つまり、より『休息と回復』の状態、プレッシャーのかかる中でも平静を保つのに適した環境に身体を導いているのではないかということです」

L-テアニンの効能

  • 幸福感やリラックスした気持ちを促進する神経伝達物質、GABAの合成に潜在的な役割を有するため、ストレスや不安の症状を緩和し、気分や感情の状態を改善するのに役立つ。
  • 認知機能、特に注意力、集中力、記憶力、学習能力を高めるのに役立つ。
  • リラクゼーションを促し、睡眠の質を向上させる。
  • 抗酸化作用と抗炎症作用があり、腸管の炎症に有効。
  • 免疫系をサポートし、風邪やインフルエンザなどの季節性疾患の予防に役立つ。
  • 認知症やアルツハイマー病などの神経変性疾患の原因となる酸化ストレスを予防する。
  • 食欲を満たし満腹感を与える旨味を生み出すため、体重管理に役立つ。
  • ストレスを緩和することから、高血圧の人に有効。

L-テアニンはストレスに効く?

Empty Office With a Laptop Computer on the Desk

アラムダリ博士によれば、L-テアニンはストレスに効くとされ、特に一定量の摂取で効果があるという。「多くの臨床試験と最近のヒト研究の系統的レビューで、L-テアニンは、具体的には200ミリグラム以上の摂取で、短期間のストレスや不安に対して有意なサポートを提供できることが示唆されています」という。

実際、ほとんどの研究で、L-テアニン摂取後約1時間以内に心拍数の低下、唾液中のストレスを示す生体指標の減少、不安の改善が認められたという。

何より、L-テアニンはイライラやクラッシュ(突然動けなくなること)を引き起こさない。「脳波データでは、α波の活動の高まり──リラックス状態にありながら機敏な精神状態と一致──が示されています」と博士は説明する。「こういった効果は、パフォーマンスを犠牲にして得られるものではないと思われます。反応時間と集中力は通常安定しており、一部の例では向上する場合もあります。つまり、L-テアニンは、明晰さやコントロールを損なうことなく、身体が発するストレスシグナルを鎮めることができる生物活性物質として、レアな部類に入るのです」。カフェインのような刺激物に敏感な人にとっては“ウィンウィン”だ。

L-テアニンのサプリメントを摂取すべき人とは?

すでに述べたように、L-テアニンのサプリメントは高いレベルのストレスにさらされている人、つまり、毎日の仕事で際立った正確さと集中力を要求される人に有益だと言えるだろう。また、不安を抱えている人、うつ病を患っている人にも効果がありそうだが、個人に合った用量や治療法を決めるには、かかりつけの医療専門家に相談することが重要だ。

とはいえ、L-テアニンの推奨用量は1日あたり100から200mgが一般的。これは抹茶なら2〜から4杯、緑茶なら10杯程度に相当する。

L-テアニンの禁忌事項

  • 妊娠中や授乳中にL-テアニンのサプリメントを摂取することは、リスクに関する十分な研究が行われていないため推奨されていない。
  • 高血圧の薬を服用している人は、L-テアニンのサプリメントの摂取を避けるべき。
  • テアニンは抗不安薬などの医薬品との相互作用で薬の効果を妨げる可能性あり。テアニンやほかのサプリメントを摂取する前に必ず医師に相談すること。

Text: Alessandra Signorelli Adaptation: Motoko Fujita

From VOGUE.IT

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