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ストレスに負けない体をつくる! 五月病を遠ざける、野菜&果物

  • 2025.5.2

4月からの新生活のストレスや疲れが出やすいこの季節は、メンタルヘルスが不安定になりやすいとき。健やかさの基本は運動、食事、睡眠だが、そのうち最も能動的に変化をつけやすいのは食事だ。そこで、プラントベース(植物由来の食材を基本とした食生活)を推奨し、ケータリングやレシピ提供などを行うヴェルヌ華子に、どういった野菜や果物を取り入れると五月病のシーズンを乗り切れるか話を聞いた。

ストレスが溜まると減る(不足しやすい)栄養素

ストレスがかかると、体は大量のエネルギーと栄養素を消費します」とヴェルヌさん。特に不足しやすいのは以下の栄養素だという。

  • ビタミン(抗酸化作用があり、ストレスホルモンのコルチゾールを調整するために使われる)
  • マグネシウム(神経の安定に関与し、リラックスを促す)
  • ビタミンB群:B1, B6, B12など(エネルギー代謝や神経の健康に不可欠)
  • 鉄分(酸素運搬を助け、ストレスによる倦怠感や集中力低下を防ぐ)
  • ポリフェノール、カロテノイドなどの抗酸化物質(ストレスによる活性酸素ダメージから細胞を守る)

「これらはストレスがかかると急速に消費されるため、意識的に補うことが大切です。プラントベースの食事でも、ストレスで不足しがちな栄養素をしっかり補うことができます」

ストレスがかかると不足しがちな栄養素を補える野菜・フルーツ

では具体的に、ストレスにより不足しがちな栄養素を補うためにどんな野菜・フルーツを摂るといいのだろう。それぞれ、以下の通りだ。

  • ビタミンB群ほうれん草、アボカド、バナナ
  • マグネシウムアーモンド、枝豆、にがり、パンプキンシード
  • ビタミンCパプリカ、ケール、キウイなど野菜・果物全般
  • 鉄分レンズ豆、小松菜、パンプキンシード
  • 抗酸化物質ブルーベリー、いちご、などベリー類、紫キャベツなど

「特にアボカドは海外では“天然のストレスバスター”と呼ばれることもあり、ビタミンB6やマグネシウムが豊富で、神経の安定に貢献してくれます。バナナと一緒にスムージーにすると、手軽に摂取できますね」

さらに、ストレスによるダメージを軽減・修復するという意味では、やはり抗酸化・抗炎症効果が高いものを摂ることが重要、とヴェルヌさんは話す。「例えば、ポリフェノールが豊富なベリー類やカカオは、抗酸化・抗炎症作用が高く、ストレスによる細胞ダメージを防ぐのに役立ちます。カカオはダークチョコレートやホットカカオドリンクとして取り入れると、手軽にリラックスできるのでおすすめです」

ストレス耐性を高められる野菜・フルーツとは

ストレスを感じたときに補うことも効果的だが、一番はもともとストレスに負けない体づくりをしておくことが肝要だ。ストレス耐性を高めるための野菜・フルーツはあるだろうか。

ヴェルヌさんは、「『ストレス耐性を高める=ストレスを感じなくなる』ではなく、ストレスに適応し、心身への影響を最小限に抑えられることを意味しています」と前置きしつつ、「近年の研究では、腸内環境がストレス耐性に密接に関わることが明らかになっています。腸内細菌のバランスが、セロトニン・ドーパミン・GABAなどの神経伝達物質の生成を左右し、ストレスに対する反応を調整するのです。そのため、腸内環境を整えることは、ストレスに強い心と体を作る重要な鍵になるのです」と説明する。

ストレス耐性を高めるために腸活をするなら、①善玉菌を増やし、腸内環境を整える発酵食品、②腸内細菌のエサとなり、腸の健康をサポートするプレバイオティクス、③抗酸化作用でストレスダメージを軽減するポリフェノールが豊富な食品、④腸の炎症を抑え、メンタルの安定をサポートするオメガ3脂肪酸といった食材を積極的に取り入れよう。

  1. 発酵食品(プロバイオティクス):納豆、味噌、キムチ、ザワークラウト
  2. プレバイオティクス(食物繊維):オーツ麦、豆類、バナナ、ごぼう
  3. ポリフェノール緑茶、ベリー類、カカオ
  4. オメガ3脂肪酸:チアシード、亜麻仁、くるみ

「こうした食材を日常の食事に取り入れることで、ストレスに強い体を育むことができます。例えば、朝食にオーツ麦とバナナのボウルを食べたり、日本の伝統的な発酵食品を積極的にとったり、食後に緑茶やカカオを楽しむなど、手軽に始められるところからぜひチャレンジしていただきたいです」

話を聞いたのは……

ヴェルヌ華子

ウェルネスアカデミー「Plantful Journey」創設者。プラントベース・ウェルネスコーチとして、プラントベース料理のワークショップやケータリング、イベント、レシピ開発などにも携わる。Youtubeやインスタグラムでもプラントベースのライフスタイルを発信。2023年には日本人で初めて、ル・コルドンブルー・パリのプラントベース料理ディプロムを取得。約10年パリで暮らし2022年からはミラノ在住。@hanako_plantful_journey

Editor: Rieko Kosai

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