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既読は毎日12時03分だった彼→つかなくなった昼休み、社員食堂で見た彼の姿に、私は何を思った?

  • 2026.11.3
ハウコレ

「ごめん、ちょっとバタバタしてた」。届いたのは、休憩が終わる頃でした。同じ返事が何日も続いたあと、私は確かめるために、普段は行かない場所へ足を向けました。
休憩に入ってすぐ、会社近くのベンチで彼にメッセージを送りました。返事より先に確かめるのは、既読がつく時刻です。その日、画面の表示はいつまでたっても変わりませんでした。

決まった時刻の既読

同じ会社の別部署で働く悠真とは、付き合って1年半になります。職場ではあまり話さない分、休憩中のやりとりが私たちの楽しみでした。

「今日のランチ何にした?」
私がそう送ると、既読がつくのは決まって12時03分です。彼はいつも、休憩に入ると真っ先にスマホを開いてくれていました。そこから他愛ない話を何往復かして、午後の仕事に戻るのがお決まりの流れです。

1年半、その時刻がずれたことはほとんどありませんでした。だからこそ、画面の小さな表示を確かめるのが、私の密かな安心材料になっていたのだと思います。

つかないままの既読

その日も、いつものように「今日のランチ何にした?」と送りました。ところが、いつもの時刻を過ぎても既読がつきません。

10分たっても、20分たっても、画面は変わらないままでした。
「忙しい?」
追いかけて送っても、どちらにも既読はつきません。

既読がついたのは、休憩が終わる直前でした。届いたのは「ごめん、ちょっとバタバタしてた」という一言だけ。

それから数日、同じことが続きました。休憩中は既読がつかず、終わる頃に「ごめん、ちょっとバタバタしてた」。まったく同じ文面が、何度も届きます。私とのやりとりより大事な何かが、悠真の休憩中にできたのだろうか。一度浮かんだ考えは、なかなか消えてくれませんでした。

数日後、私はお弁当を持たずに、普段は使わない社員食堂へ向かいました。

社員食堂の隅の席

混み合う食堂の中を見回すと、いちばん奥の窓際の席に彼の背中がありました。1人です。誰かと向かい合っているわけではありませんでした。

少し近づいてみると、テーブルの上にはトレーの代わりに分厚い参考書とノートが広げられていました。彼はペンを走らせ、ときどきページをめくっては、何かを小さくつぶやいています。スマホは画面を下にしてテーブルの端に置かれ、一度も手に取られることはありませんでした。

声をかけかけて、口を閉じました。あれほど真剣な横顔を、私は見たことがなかったのです。

私はそのまま食堂を出て、自分の席に戻りました。休憩が終わる頃、いつものように通知が届きました。
「ごめん、ちょっとバタバタしてた」

そして...

バタバタしていたわけではありませんでした。悠真は毎日、あの隅の席で何かに向き合っていたのです。

どうして一言も言ってくれなかったのだろう。何のための参考書なのだろう。仕事を終えてから、私は短いメッセージを打ちました。
「今日、食堂にいたよね」
送信してすぐ、既読がつきました。休憩中でもないのに、こんなに早くつくのは久しぶりです。彼がどんな答えを返してくるのか、私は画面から目を離せずにいました。
(20代女性・会社員)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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