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「犬の散歩に付き合う暇はない」と言った彼→1か月後、散歩道の橋のたもとのベンチから立ち上がったのは

  • 2026.11.3
ハウコレ

週末の散歩に誘っても、彼から届くのは同じ返事ばかり。

玄関のチャイムが鳴ると、足元の柴犬が玄関に向かって吠えはじめました。ドアの向こうにいたのは、付き合って半年になる彼。部屋に上がった彼は、この日も上着を脱がずに、ソファの端に座っていました。

散歩に誘った日の返事

柴犬のあの子と暮らしはじめて3年。私にとっては、家族のような存在です。
それなのに彼は、あの子の頭をなでたことが一度もありません。写真を見せても「へえ」と言うだけで、すぐに仕事の話に変えてしまいます。
その日も、リードを手に取りながら声をかけました。
「一緒に散歩行かない?」
私の声に反応して、あの子がまた彼に向かって吠えます。彼はソファでスマホに目を落としたまま答えました。
「犬の散歩に付き合う暇はない」
暇がないなら、どうしてこの部屋でスマホを見ているのでしょう。言い返したい言葉をのみこんで、1人で玄関を出ました。
私が好きなものを、少しでいいから好きになってほしい。川沿いの道を歩く間、そのことばかり考えていました。

届くのは「今日も無理」ばかり

それから週末になるたびに、散歩に誘うメッセージを送りました。
「週末はいつも、川沿いを橋まで歩くんだよ。一緒にどう?」
返ってくるのは、決まって「今日も無理」の一言。理由が書かれていたことは、一度もありません。
部屋に来ても、彼は相変わらずあの子から目をそらしています。あの子が近づくと、さりげなく立つ位置を変えるのです。
犬が嫌いなら、最初からそう言ってくれればいいのに。
誘うメッセージは、だんだん短くなっていきました。このまま付き合っていても、彼があの子を好きになる日は来ないのかもしれない。そう考えるようになって、1か月がたったころのことです。
その週末も「今日も無理」と返事が届き、あの子と川沿いの道を歩きました。
橋が見えてきたところで、たもとのベンチから誰かが立ち上がります。今日も無理と返してきたはずの彼でした。
足元のあの子が、彼に向かって吠えはじめました。

橋のたもとで見たあいさつ

いつもの彼なら、ここで目をそらして離れていくはずでした。
ところが彼は、その場でゆっくりとしゃがみました。あの子と目線の高さをそろえ、軽く握った手を鼻の前にそっと差し出します。
吠えられても、彼は手を引っこめませんでした。
しばらく吠えていたあの子が、やがて差し出された手のにおいをかぎはじめます。吠える声が止まり、しっぽが左右に揺れました。
初めて見る光景に、思わずリードを短く持ち直しました。
しゃがんだまま、彼が顔を上げます。
「いつも、この道なんだろ」
「なんでいるの」
彼は答えずに、あの子の背中を見ていました。

そして...

「リード、持ってもいい?」
あれほど避けていたあの子のリードに、彼が自分から手を伸ばしています。リードを渡すと、あの子は彼を引っぱるように歩きだしました。
1か月、散歩の誘いを断り続けた彼。あの子へのあいさつの仕方を、彼はいったいどこで覚えたのでしょうか。

(20代女性・会社員)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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