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この人に深い話はやめておこう…英国の研究で分かった机上にあるだけで相手が心を閉ざす"NGアイテム"

  • 2026.10.20

会議で話しやすい雰囲気を作るにはどうすればよいのか。編集者の藤吉豊さん、小川真理子さんが書いた『「聞く力のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』(日経BP)から紹介しよう――。

話しやすい環境を整える


point 環境が変わると、話しやすさも変わる

「周囲に人がいると本音を言いにくい」「無機質な会議室では緊張しやすい」など、「どこで話すか」によって、相手の話しやすさは変わります。

◆話しやすい環境を整える3つのポイント

(1)狭すぎず、広すぎない

狭い場所では物理的な距離が近くなるため、相手が圧迫感を覚えます。とくに沈黙が流れたとき、「逃げ場がない」と感じる人もいます。一方、広すぎる場所では心理的な距離まで遠く感じやすく、どこか他人行儀な会話になりがちです。

(2)閉塞感が強すぎない

窓がない部屋では視線の逃げ場が少ないため、緊張感が高まります。閉じ込められているような感覚になり、「話しにくい」と思う人もいます。反対に、全面窓の部屋では、外の景色や人の動きが気になり、会話に集中しにくくなることがあります。

(3)集中を妨げる要素を減らす

騒がしい場所では、相手の声を聞き取ることに意識が向き、話の中身に集中できません。静かすぎる場所では、沈黙や小さな物音が気になり、緊張が高まることもあります。

暗い場所では表情が見えにくく、明るすぎる場所では落ち着きにくくなります。寒い・暑い、ものが散らかっているといった環境も、会話への集中を妨げます。相手が安心して話せるように、音・明るさ・温度・清潔感を整えておくことが大切です。

散らかった会議室のテーブル
※写真はイメージです
テーブルの上に置いてはいけないアイテム

聞き方の名著100冊のうち、「聞くときの環境」について言及していたのは12冊でした。その中では、「テーブルの上にスマホや携帯電話を置かない」という指摘も目に留まりました。

聞き手のスマホが目に入るだけで、話し手は、「この人は話に集中していないのではないか」と感じてしまうことがあります。


「イギリスのエセックス大学で心理学者らが行った研究によると、テーブル上に携帯電話があるだけで、たとえ音が鳴っていなくても、そのテーブルに座った人たちは互いに親近感を抱くことはなく、大切な話や深い話をしたいとは思わないことがわかりました」
(ケイト・マーフィ『LISTEN』/日経BP)

また、飲み物や食べ物に言及している本もありました。

「打ち合わせにお菓子を用意するとコミュニケーションがよくなる」
「冷たい飲み物よりも、あたたかいものを飲みながら接したほうが好印象を与えやすい」
「喉が渇いていたり、お腹が空いていたりすると大事な話がしにくい」

といった指摘です。

スマホをしまう。飲み物を用意する。相手が落ち着いて話せる状態をつくる。そうした場所への配慮も、聞き方の一部です。

聞くときは相手に『へそ』を向ける


point 相手に体を向け、圧迫感のない距離で聞く

言葉だけでなく、座る位置や体の向き、姿勢、距離の取り方も、相手の話しやすさに影響します。

相手に体を向けて聞くだけでも、「あなたの話を受け止めています」という姿勢は伝わります。

◆よく聞いていることが相手に伝わる姿勢と座り方

(1)体を相手に向けて聞く

顔だけ相手を見ていても、体が別の方向を向いていたり、腕や足を組んでいたりすると、相手は無意識に心理的な距離を感じることがあります。聞き方の本には、こんな表現もありました。


「話し相手に向って『へそ』を向け、じっくり相手の話を聴く」
(白潟敏朗『仕事の「5力」』/中経出版)

へそを向けるとは、体ごと相手に向けることです。それだけでも、「あなたに意識を向けています」という気持ちが伝わります。

ふんぞり返らない。スマホを手元に置かない。貧乏ゆすりや髪いじりをしないことも、話しやすさにつながります。

4人掛けテーブルの座り方
出所=『「聞く力のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』(日経BP)
正面に座られると緊張する…

(2)正面で向き合いすぎず、斜め前に座る

話を聞くときは、どこに座るかも大切です。正面でぴったり向き合うと、相手によっては目線の逃げ場がなくなり、緊張しやすくなります。

聞き方の名著100冊には、次のような指摘もありました。


「相手から斜めの位置や横並びに座ったほうが緊張感が低い」
(堀田秀吾『ハーバード、スタンフォード、オックスフォード…科学的に証明されたすごい習慣大百科』/ SBクリエイティブ)

4人掛けテーブルなら、図表1のように真向かいよりも、斜め前に座るほうが話しやすくなります。距離と角度のバランスがよく、お互いに余裕を持ちやすいからです。

距離は、近すぎず遠すぎずが基本です。聞き方のプロによると、手と腕を伸ばしたくらい、あるいは90センチ前後をひとつの目安とすると、圧迫感が出にくくなります。相手が話しやすい位置に座ることも、聞く前の大切な準備です。

相手の話にきちんと耳を傾ける

point 聞くことは相手を尊重する具体的な行為である

人は、自分の話をきちんと聞いてもらえたとき、「大切に扱われている」と感じます。反対に、話を軽く受け流されたり、頭ごなしに反論されたりすると、「自分の考えは尊重されていない」と感じてしまうことがあります。


「相手に最高の評価を与える方法のひとつは、相手の話に耳を傾けることである。辛抱強く聞くことは、『あなたの話は聞く価値がある』という意思表示になるからだ」
(レス・ギブリン『人望が集まる人の考え方』/ディスカヴァー・トゥエンティワン)

話し手を尊重するために大切なのは、立派な言葉を返すことではありません。相手の自尊心を傷つけず、その人が安心して話せるように聞くことです。

◆相手を尊重していることが伝わる聞き方

(1)相手の顔を立てる

藤吉豊、小川真理子『「聞く力のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』(日経BP)
藤吉豊、小川真理子『「聞く力のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』(日経BP)

話し手を尊重するには、相手の顔を立てることが大切です。相手の話に納得できない部分があっても、その場で正論をぶつけると、相手は「傷つけられた」「恥をかかされた」と感じることがあります。

まずは「この人は、そう考えているのだ」と受け止め、相手の立場や考え方を理解しようとすることが大切です。

日本国内だけで500万部を誇る大ベストセラー『人を動かす【改訂文庫版】』(D・カーネギー/創元社)では、作家アントワーヌ・ド・サンテグジュペリの言葉として知られる、「相手の自己評価を傷つけ、自己嫌悪におちいらせるようなことを言ったり、したりする権利は私にはない。大切なことは、相手を私がどう評価するかではなくて、相手が自分自身をどう評価するかである。相手の人間としての尊厳を傷つけることは犯罪なのだ」を紹介し、次のように結論づけています。


「真のリーダーは常に次の原則に従う。(中略)顔を立てる」

耳の横に手を添えて聞く姿勢を見せる男性
※写真はイメージです
批判的な言葉は控える
(2)相手を傷つけない返し方をする

話し手を尊重するには、相手を傷つける言葉を避けることも大切です。何気ない「意味がわからない」「考えすぎじゃない?」といった言葉でも、相手は「自分の考えを軽く扱われた」「気持ちをわかってもらえなかった」と受け止めることがあります。

とくに、まだ信頼関係が十分でない相手には批判的な言葉は控えます。聞き取れずに聞き返すときも、「よくわかりませんでした」ではなく、「もう少し詳しく教えていただけますか」と、相手が受け取りやすい形にします。

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