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“要介護3”に認定された80代母→「民間の介護保険から給付金が出る」安心していたが…保険会社の一言で60代娘が“驚いたワケ”

  • 2026.10.19
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

大学卒業後、国内生命保険会社に35年間勤務し、営業・営業所長・企画・事務など幅広い業務を経験してきた「あしふみ」です。 

「公的介護保険で要介護認定を受けたら、民間の介護保険からも当然給付金が出るはず」と思い込んでいる方は少なくありません。しかし、公的介護保険の「要介護認定」と、民間介護保険の「給付条件」は必ずしもイコールではないのです。

今回は、84歳の母親が要介護3の認定を受け、老人ホーム入居を検討する中で、62歳の娘が“条件の違い”に気づいた事例をご紹介します(個人が特定されないよう一部変更しています)。

「要介護3なら保険金も出る」と信じていたAさん

Aさん(仮名・62歳)は、84歳の母親と離れて暮らしながら介護をしてきました。母親は自宅で一人暮らしでしたが、次第に足腰が弱くなり、日常生活のさまざまな場面で介助が必要になったため、介護認定を申請。結果は「要介護3」でした。

自宅での介護を続けるのは難しいと判断し、Aさんは老人ホームへの入居を検討します。施設利用料に食費や日用品費などを合わせると、毎月の負担は約18万円になる見込みでした。

それでもAさんには、頼れる備えがあると思っていました。
「母は民間の介護保険にも入っているから、要介護3なら給付金が出るはず。それで何とかなる」
そう考え、保険会社に給付金の請求について確認します。しかし返ってきたのは、思いがけない説明でした。

「要介護3の認定だけで自動的に給付対象となる契約ではありません。所定の介護状態が一定期間続いていることなど、別の条件があります」

Aさんは驚きを隠せませんでした。

公的介護保険と民間介護保険は別の仕組み

公的介護保険は、市区町村の要介護認定にもとづき、介護サービスを原則1〜3割の自己負担で利用できる制度です。

一方、民間の介護保険は生命保険会社などが販売する金融商品で、給付金や年金を受け取れる条件は契約ごとに個別に定められています。公的な要介護認定と連動して給付される商品もあれば、「所定の要介護状態が一定期間継続していること」「食事・排せつ・入浴など複数の日常生活動作で介助が必要な状態であること」といった、保険会社独自の基準を条件とする商品もあります。

つまり、公的な要介護認定を受けたことと、民間保険の給付対象になることは別問題です。認定のタイミングと給付開始のタイミングがずれることも、条件を満たさず給付が発生しないこともあり得ます。

保険金だけに頼らない準備を

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

Aさんは書類を取り寄せ、母の状態が給付条件に該当するか確認する一方、「施設費は保険でまかなえる」という前提そのものを見直しました。年金額、預貯金、施設の月額費用、今後の医療費なども含めて、毎月の負担を改めて整理したのです。

介護費用は短期間で終わるとは限らず、月額利用料のほかに食費・日用品費・医療費・理美容代などもかかります。民間保険の一時金や年金だけで、長期の介護費用すべてをまかなえるとは限りません。

親が元気なうちに保険内容を確認しておく

介護が始まってから親の保険を一から調べるのは大変です。できれば元気なうちに、以下を家族で共有しておきましょう。

  • どの保険会社に加入しているか
  • 給付条件は何か(認定連動か、独自条件か)
  • 一時金か年金形式か
  • 誰が請求手続きをするのか
  • 保険証券の保管場所

そして、公的介護保険の要介護認定と民間介護保険の給付条件は別物だと理解しておくこと。「要介護3だから当然出るはず」と思い込まず、契約内容を確認したうえで、年金や預貯金も含めた資金計画で備えることが、家族の負担を減らす近道です。


※民間介護保険の給付条件・給付開始時期・対象となる要介護状態・継続期間・受取方法などは、保険会社・商品・契約時期によって異なります。詳しくは保険証券や約款をご確認のうえ、加入先の保険会社へお問い合わせください。

執筆:あしふみ
大学卒業後、国内大手生命保険会社に35年間勤務。個人・法人営業、営業所長、企画・販売促進、事務部門などを経験。FP2級の知識と保険実務の経験を生かし、保険や家計に関する情報を分かりやすく伝えている。


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