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太ももはどう変わる?「浅いスクワット」を毎日30回、1ヶ月続けた場合

  • 2026.10.20

浅く腰を落とす「クォータースクワット」。一般的なスクワットよりも動く範囲が小さいため、「浅すぎて意味がないのでは?」と思う人もいるかもしれません。

クォータースクワットは、お尻や脚の筋肉を大きくする目的では深くしゃがむスクワットに劣る面があります。一方、膝を深く曲げずに取り組みやすく、立ち上がりやジャンプ、短距離走などで使う角度に近い範囲を鍛えられるのが特徴です。

では、毎日30回を1ヶ月続けると、太ももにはどのような変化が期待できるのでしょうか。

理学療法士・パーソナルトレーナーの大松 茉央登さん監修のもと、浅いスクワットを毎日30回続けた場合の変化を中心に、クォータースクワットの効果や正しいやり方、膝への負担、陸上競技やかけっこのスタートダッシュに活かすポイントを解説します。

浅いスクワットを毎日30回、1ヶ月続けると太ももはどう変わる?

クォータースクワットを毎日30回続けても、1ヶ月で脚が目立って太くなったり、ジャンプ力や短距離走のタイムが急激に伸びたりするわけではありません。

一方、運動習慣のなかった人であれば、30回を続けやすくなる、立ち上がる動作が安定する、太ももに力を入れる感覚をつかめるといった変化が期待できます。

ただし、以下は一般的な変化の目安です。もともとの筋力や運動習慣、フォームなどによって個人差があります。

1週目:太ももの前側に疲れを感じやすい

・浅い動きでも、30回続けると太ももが疲れやすい
・膝とつま先の向きをそろえる感覚を覚える
・筋肉痛やだるさを感じる場合がある
・30回がきつい場合は、10回×3セットに分けてもよい

2週目:太ももの疲れを感じにくくなる

・途中で休まず30回行いやすくなる
・最初の頃より、太ももの疲れを感じにくくなる
・動作のリズムが整いやすくなる
・膝が内側へ入る、上体が揺れるといったフォームの崩れが少なくなる可能性がある

3週目:立ち上がる動作が安定しやすくなる

・足裏全体で床を押す感覚をつかみやすくなる
・しゃがむ深さを毎回そろえやすくなる
・立ち上がるときに、足裏で床を押す感覚がわかりやすくなる
・余裕があれば、立ち上がる局面を少し速くしてもフォームを保ちやすくなる

4週目:太ももに力を入れる感覚がわかりやすくなる

・30回を一定のテンポで行いやすくなる
・以前より息切れや脚の疲れを感じにくくなる
・太ももに力を入れる感覚がわかりやすくなる
・見た目の変化はまだ大きく表れにくい
・目的に応じてセット数やスクワットの深さを調整する段階になる

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次:クォータースクワットとは?どのくらい浅くしゃがむ?

クォータースクワットとは?どのくらい浅くしゃがむ?

クォータースクワットは、膝を軽く曲げる程度に腰を落とす、もっとも浅いスクワットです。MELOSでは、スクワットの深さを次のように分類しています。

種類 しゃがむ深さ 特徴 クォータースクワット 膝を軽く曲げる 浅い角度から力を出す練習に向く ハーフスクワット 太ももが床に対して約45度 初心者でも取り組みやすい パラレルスクワット 太ももが床と平行 太ももの前後を鍛えやすい フルスクワット お尻が膝より低くなる お尻や脚を広い範囲で鍛えやすい

クォータースクワットは、ハーフスクワットよりもさらに浅く、可動域は小さくなります。そのぶん深くしゃがむ動作の練習や筋肥大には向きませんが、膝や股関節が比較的伸びた姿勢から力を出す練習に活用できます。

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クォータースクワットに期待できる効果

太ももの前側を中心に下半身を動かせる

大腿四頭筋を中心に、お尻や太もも裏の筋肉も使います。ただし、深いスクワットより可動域が狭いため、お尻や脚全体を大きく鍛える効果は限定的です。

浅い角度から立ち上がる力を使う

クォータースクワットでは、軽く膝を曲げた状態から床を押して立ち上がります。椅子から立つ、階段を上るといった日常動作のうち、膝が伸びかけた局面で床を押す練習にもなります。

深くしゃがむのが難しい人でも取り組みやすい

足首や股関節が硬く、深くしゃがむと姿勢が崩れてしまう人でも、比較的取り組みやすい種目です。スクワット初心者が動作を覚えるための導入にも活用できます。

なぜ浅いと膝を痛めにくい?必ず安全とは限らない

クォータースクワットは膝を深く曲げないため、同じ重量で比べれば、膝関節にかかる曲げ伸ばしの負荷を抑えやすいと考えられます。

ただし、「浅くしゃがめば膝が痛くならない」という意味ではありません。

・膝とつま先の方向がずれている
・膝が内側へ入っている
・反動を使って速く上下している
・浅いからと高重量を扱っている

このような場合は、クォータースクワットでも膝や腰へ負担がかかります。すでに膝に痛みがある場合は、無理に続けず、医療機関や専門家へ相談してください。

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次:浅いスクワットがジャンプ力・スプリント力に活かされる理由

浅いスクワットがジャンプ力・スプリント力に活かされる理由

ジャンプや走るときに近い角度で力を出せる

ジャンプやスプリントでは、フルスクワットのように深くしゃがんだ状態だけで力を出すわけではありません。

クォータースクワットは、膝や股関節が比較的伸びた姿勢で床を押すため、ジャンプや走動作に近い関節角度で力を発揮する練習になります。

鍛えた角度付近で力を出しやすくなる

筋力トレーニングには、トレーニングした関節角度付近で筋力が向上しやすい「関節角度の特異性」があります。

高負荷のスクワットを16週間行った大学競技者の研究では、クォータースクワット群は、ハーフ・フルスクワット群より垂直跳びと40ヤード走への転移が大きい結果となりました。

ただし、これは競技経験のある大学生が、高負荷トレーニングを行った結果です。自重で毎日30回行えば、同じようにジャンプ力やスプリント力が伸びるという意味ではありません。

陸上やかけっこのスタートダッシュ練習にもいい?

クォータースクワットは、スタート時に浅く膝を曲げた姿勢から地面を押す感覚を身につける補助トレーニングとして活用できます。

ただし、スタートダッシュには、姿勢や腕振り、足を接地する位置、素早く脚を入れ替える技術も必要です。
そのため、次のような練習と組み合わせるのがおすすめです。

・10~20m程度の短いダッシュ
・スキップやもも上げ
・軽いジャンプ運動
・坂道での短距離ダッシュ

子どもが行う場合は、自重で正しい動きを覚えることを優先します。高重量のクォータースクワットを自己流で行うのは避けましょう。

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クォータースクワットは「意味ない」と言われるのはなぜ?

クォータースクワットが「意味ない」と言われるのは、動く範囲が狭く、深いスクワットより筋肉への刺激が小さくなりやすいためです。

とくに、お尻や内ももの筋肉を大きくしたい場合は、深くしゃがむスクワットのほうが向いています。

一方、次のような目的にはクォータースクワットを活用できます。

・深くしゃがめない人の導入運動
・運動不足の人の下半身トレーニング
・浅い角度から立ち上がる練習
・ジャンプやスプリントの補助トレーニング

クォータースクワットに意味がないのではなく、目的によって適したスクワットの深さが異なるということです。

クォータースクワットの正しいやり方

1. 足を肩幅程度に開き、つま先をやや外側へ向ける

2. 胸を軽く張り、お尻を後ろへ引く

3. 膝を浅く曲げながら、上体を少し沈める

4. 足裏全体で床を押して立ち上がる

5. 30回繰り返す

30回を連続して行うのが難しい場合は、10回×3セットまたは15回×2セットに分けても構いません。

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目的別|回数・負荷の目安

目的 回数・負荷 初心者・運動習慣づくり 自重30回 太ももをしっかり刺激する 30回×3セット・週1~2回 ジャンプ・スプリントの補強 指導者のもとで重量と回数を設定

毎日30回行って筋肉痛や疲労が残る場合は、1~2日休みましょう。余裕が出てきても、回数や重量を一度に大きく増やさず、フォームを崩さず行える範囲で調整してください。

膝を痛めにくい「クォータースクワット」。太ももの引き締め&基礎代謝アップに(30×3セットを週1~2回)

監修者プロフィール

理学療法士・パーソナルトレーナー 大松 茉央登(おおまつ まおと)

■経歴
2016〜2022年 総合病院勤務
2022~2024年 訪問看護ステーション勤務
2024~現在 理学療法士による整体パーソナルトレーニング・ピラティスジム HabiGym 三軒茶屋 代表

■保有資格
理学療法士
3学会合同呼吸療法認定士

<Edit:MELOS編集部>

参考文献
- Rhea MR, et al. Joint-Angle Specific Strength Adaptations Influence Improvements in Power in Highly Trained Athletes. Human Movement. 2016;17(1):43-49.
- Kubo K, et al. Effects of squat training with different depths on lower limb muscle volumes. Eur J Appl Physiol. 2019;119:1933-1942.
- Cotter JA, et al. Knee joint kinetics in relation to commonly prescribed squat loads and depths. J Strength Cond Res. 2013;27(7):1765-1774.
- Marchetti PH, et al. Muscle Activation Differs between Three Different Knee Joint-Angle Positions during a Maximal Isometric Back Squat Exercise. J Sports Med. 2016. Springer Nature Link

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