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“退職金3,000万円”で住宅ローンを完済→「借金がなくなって安心」と思いきや…2年後、60代妻を待ち受けていた“想定外の悲劇”

  • 2026.10.7
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

みなさま、こんにちは。元銀行員の金融ライター・池田です。

「退職金が入ったから、心理的負担を減らすためにも住宅ローンを完済しよう」

そう考えて繰上返済を急いでいませんか?手元資金の確保や金利メリットの確認はもちろんですが、団体信用生命保険(団信)が付帯した住宅ローンの場合、完済によって「生命保険代わりの保障」を失ってしまう点にも十分な注意が必要です。

今回は、退職金で完済した2年後に夫を亡くした夫婦の事例をもとに、団信の活用法を解説します。

「借金がなくなって安心」退職金で住宅ローンを完済した男性

60歳で退職したAさん(仮名)は、退職金で住宅ローンを完済しました。

退職金は3,000万円・退職時点のローン残高は約700万円であったため、完済後にも退職金が約2,300万円残ります。

現役時代からの貯蓄も相応にあったため、手元資金が不足する心配もなかったそうです。

「金利メリットは20万円ほどでしたが、何よりもローンを完済したことで心理的な負担がなくなってよかったと思っていました」

しかし、後にAさん夫婦はこの選択を後悔することになります。

2年後、Aさんが病気で帰らぬ人に…

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

退職から1年後、Aさんに病気が見つかりました。

余命半年を宣告されたAさんでしたが、その倍の1年という時間を過ごすことができました。

結果として、住宅ローン完済の2年後に帰らぬ人となったAさん。

仮にローンをそのまま残していた場合、団信により残りの残高はゼロになり、返済の必要はなくなっていたはずでした。

「夫は生命保険に加入していませんでした。退職金で住宅ローンを完済していなければ、返済が進んだ今でも残り400万円ほどの残高がゼロになっていたのに…。『借金をなくす』ということばかりを考えていましたが、生命保険代わりとして残しておいても良かったのかも知れません」

Aさんの妻は、そう振り返っていました。

金利メリットや生命保険代わりとしての価値を比較

退職金での住宅ローン完済は借金の負担感をなくせる一方で、完済と同時に団信の保障機能も失われる点に留意が必要です。

団信は万一の際にローン残高がゼロになる実質的な生命保険であり、現在の金利が低く繰上返済による金利軽減メリットが小さい場合は、あえて返済を行わず団信の保障を残す選択も有効となります。ただし団信はローン相殺専用であり、手元に現金保険金が入るわけではないため、民間の生命保険との兼ね合いも重要です。

金利差や自己資金、加入中の保険保障内容を総合的に見極め、万一の事態まで見据えたうえで慎重に返済計画を決定しましょう。


監修・執筆:元銀行員・ikebu

元銀行員の金融・法律ライター。一種外務員資格(証券外務員一種)、行政書士資格を保有。大学では法学部・法律学科に在籍し、卒業後は地方銀行に入行。個人リテール業務において、投資信託・生命保険商品の販売を中心とする資産運用のサポートのほか、住宅ローンや相続などの幅広い業務に携わる。法人営業では、事業性融資や法人向けの運用商品販売を担当。現在は金融・法律ジャンルを中心にライターとして活動。銀行員時代の経験や保有資格を活かし、専門的な内容を分かりやすく丁寧に解説することを得意とする。

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