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父の死後、実家を相続した50代娘→「売るあてもないし」放置したところ…4年後、法務局から届いた“1通の封書”に青ざめたワケ

  • 2026.10.5
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出典元:PIXTA(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関勤務のおがわ163です。20年間、金融機関の窓口で資産運用や家計相談に携わってきた経験をもとに、お金にまつわるリアルなエピソードをお届けしています。

今回ご紹介するのは、地方の実家を相続したまま4年が過ぎた50代女性Aさんの体験談です。届いた1通の通知で、Aさんが知ったこととは。

売る予定も住む予定もない実家を、そのままにしていた

先日、住宅ローンの相談で窓口にいらした52歳のAさん。パートで働きながら都内で一人暮らしをしており、話の流れで、地方の実家をどうしたものかと打ち明けてくださいました。

父が亡くなったのは4年前。一人っ子で、母はすでに他界していたため、Aさんが一人で相続しました。実家は駅から車で30分ほどの場所にあり、土地は300平方メートル。固定資産税評価額は、土地と建物を合わせて500万円ほどです。

新卒から都内で暮らしてきたAさんに、戻る予定はありません。老後に移り住むにも、車がなければ買い物にも行けない場所です。かといって、買い手がすぐに見つかるとも思えませんでした。

「売るあてもないし、急いで名義を変える理由がなかったんです」

遺産分割でもめる相手もおらず、固定資産税は口座振替で毎年引き落とされていました。手続きを催促する身内もいないまま、月日が過ぎていきます。

届いた通知で知った、2027年3月31日という期限

今年に入って、法務局から封書が届きました。相続登記が済んでいない不動産について、登記の申請を促す内容です。

2024年4月から、相続登記は義務になりました。不動産を相続したことを知った日から3年以内に申請しなければなりません。さらに、義務化より前に発生した相続も対象です。この場合の期限は、2027年3月31日とされています。Aさんの父が亡くなったのは義務化の前ですが、期限から外れるわけではありませんでした。

正当な理由がないのに申請しなかった場合は、10万円以下の過料の対象になります。

「知らないうちに、期限が決まっていたんですね」Aさんは青ざめました。

費用は2万円ほど。間に合わないときの選択肢もある

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

Aさんはまず、費用を気にしていました。

相続登記にかかる登録免許税は、固定資産税評価額の0.4%です。評価額500万円なら2万円ほど。このほか、戸籍謄本などの書類を集める費用がかかります。司法書士に依頼する場合は、報酬として5万円から10万円ほどが別に必要です。

「数十万円かかるものだと思い込んでいました。それなら早く済ませればよかった」

手続きが間に合わないときのために、相続人申告登記という方法も設けられています。自分が相続人であることを法務局に申し出るもので、これをすれば、ひとまず申請の義務を果たしたものとして扱われます。登録免許税もかかりません。ただし、これは暫定的な手続きです。名義が自分に移るわけではないため、売却するには、あらためて相続登記が必要になります。

遺産分割の話し合いがまとまらない場合にも使える仕組みですが、Aさんのように相続人が一人なら、そのまま相続登記を進めるほうが早道です。

実家を相続したら確認しておきたいこと

空き家のまま放っておくと、思わぬ負担が生じます。次の点を確認しておきましょう。

  • 相続を知った日から3年以内に登記の申請が必要
  • 義務化前の相続は2027年3月31日が期限
  • 正当な理由なく放置すると10万円以下の過料
  • 登録免許税は固定資産税評価額の0.4%
  • 間に合わないときは相続人申告登記という方法がある
  • 相続人申告登記だけでは売却できない

相続登記の手続きは、不動産の所在地を管轄する法務局が窓口です。手続きの方法は法務局で相談でき、書類の作成や代理申請は司法書士に依頼できます。費用の負担が難しい場合は、法テラスの相談制度を利用できることもあります。

「売る予定がないから急がなくていい」と思い込む前に、自分の期限がいつなのかを確かめておくことが、余計な出費を防ぐ第一歩です。


参考:
相続登記 令和6年から義務化(政府広報オンライン)

執筆:おがわ163
金融機関勤務(勤続20年)。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。窓口業務・資産運用相談の現場経験をもとに、生活に役立つお金の知識をわかりやすくお届けしています。

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