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併願の私大に“86万円”納めた50代母→その後、娘が第一志望に合格。「お金は戻らない」と思いきや…大学の説明に“耳を疑ったワケ”

  • 2026.10.6
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出典元:PIXTA(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関でマネージャーを務めながら、日々、家計のご相談に向き合っている中川です。

今回ご紹介するのは、併願していた私立大学への進学を辞退した、50代のAさんの体験談です。

「一度納めたお金は、もう戻ってこないだろう」

そう思っていたAさんでしたが、実は、辞退する時期によって「戻るお金」と「戻らないお金」があることを知ります。

今回は、私立大学を辞退した場合、納めたお金がどこまで戻るのか、その境目をわかりやすくご紹介します。

押さえの私大に、86万円を納めた

Aさん(50代)の長女は、第一志望とは別に私立大学も併願していました。

2月初め、その私立大学から合格通知が届きます。納入期限は2月中旬。入学金26万円と前期の授業料など60万円を合わせ、合計86万円でした。

一方、第一志望の合格発表はまだ先です。

「ここを押さえておかないと、行き先がなくなってしまいます」

そう考えたAさんは、86万円を納めました。

「これで安心して、第一志望の結果を待てます」

そして3月。第一志望の合格が決まり、長女は迷わずそちらへ進学することを選びました。

「入学金は戻らない」と言われたが

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

Aさんは、一度納めた86万円は、もう戻ってこないものだと思っていました。

それでも念のため、私立大学の窓口に電話で確認してみることにしました。すると、担当者からこんな説明がありました。

「入学金は返還できません。ただし、授業料などについては、3月31日までに辞退のお申し出をいただければ、返還の対象になります」

「え……授業料は戻るんですか?」

Aさんは驚きました。

入学金と授業料では、そもそもお金の性格が異なります。

最高裁判所の判決(平成18年11月27日)では、入学金は、その大学に入学できる地位を得るための対価とされ、入学を辞退しても原則として返還されないとされています。

一方、授業料などは、3月31日までに入学辞退の意思を示した場合、原則として返還の対象になります。反対に、4月1日以降に辞退すると、返還されない場合があります。

文部科学省も大学に対し、3月31日までに入学を辞退した人については、授業料などの返還に応じるよう求めています。

「入学金と授業料では、扱いが違うんですね」

入学金は「入学する権利を確保するためのお金」、授業料は「入学後に受ける教育などに対するお金」と考えると分かりやすいでしょう。

Aさんの場合も、入学金26万円は戻りませんでしたが、前期の授業料など60万円は返還の対象になりました。

専願で受けた場合は、扱いが変わる

ただし、3月31日までに辞退すれば、必ず授業料などが返ってくるわけではありません。

文部科学省の通知では、専願や推薦入試など、「合格したら入学する」ことを前提として受験した場合は、同じ扱いにならないことがあります。

Aさんの娘は、一般入試での併願でした。そのため、前期の授業料など60万円は返還の対象になりました。

また、募集要項に「納めた学納金は一切返還しない」と書かれている場合もあります。

ただし、こうした条項がすべてそのまま有効になるとは限りません。消費者契約法では、大学に生じる平均的な損害を超える部分については、無効となる場合があります。

なお、入学金についても、大学独自の制度によって全部または一部を返還するケースがあります。

文部科学省も2025年、私立大学に対して入学料の負担軽減を検討するよう求めています。

そのため、入学を辞退するときは「どうせ戻らない」と思い込まず、まずは募集要項や大学の窓口で返還条件を確認することが大切です。

辞退は「いつ・どの方法で」を残す形で

Aさんは、まず大学の窓口に電話で確認し、その後、大学が指定する書面で辞退を申し出ました。手続きを終えたのは3月20日です。

併願を考えるときは、あらかじめ次の3つを整理しておくと安心です。

  • どの大学に、いつまでに、いくら納めるのか
  • 入学金と授業料などの内訳
  • 辞退の期限と、大学が指定する手続き方法

特に大切なのは、辞退の申し出を「いつ、どの方法で行ったか」が確認できる形で残しておくことです。

合格が重なる時期は、手続きや支払いの期限も重なりやすくなります。年内入試や共通テストの結果が出る前に、家族で一覧にしておくと、慌てずに判断しやすくなるでしょう。


執筆・監修:中川 佳人

金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。

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