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「もう一緒にやっていけない」離婚届を勝手に出した30代夫→不倫相手と再婚するが…3ヶ月後、裁判所から届いた“1通の封筒”

  • 2026.10.6
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは、弁護士の寺林です。

「妻と別れて新しい恋人とやり直したいけれど、話し合いに応じてもらえないから勝手に離婚届を出してしまおう」

冷え切った夫婦関係に焦るあまり、そう考えてしまう人もいるかもしれません。しかし、妻に無断で署名・押印した離婚届を提出する行為は、有印私文書偽造罪などに抵触する重大な犯罪行為です。

今回は、離婚届偽造が招いた悲惨な末路と正しい法的手続きについてお伝えします。

妻との関係に不満を抱えた夫が犯した過ち

Aさんは30代の男性会社員。専業主婦の妻と3歳になる娘、そして半年前に生まれた息子がいました。

仕事が終わって帰宅しても、妻は家事や子育てに追われ、自分には全くかまってくれません。夜の夫婦の時間も持てずにいました。

そんなとき、Aさんは行きつけのスナックに新しく入った20代の女性と親しくなりました。

彼女は、自分のことをとても気遣ってくれて、妻の愚痴も聞いてくれました。「いくら子どもが2人いても、夫を放置する妻はひどすぎる」と言ってとても優しくしてくれました。

いつしかAさんは、この女性と深い仲になり、妻子に黙って関係を持つようになりました。そして、妻と離婚して女性と結婚したいと思うようになりました。気持ちを告げると女性は、「奥さんと離婚できるのを待っている」と言ってくれました。

しかし、妻に他の女性のことを告げると探偵をつけられて不倫が発覚するかもしれない。そう思ったAさんは、アパートを借り「俺のことをないがしろにするお前とはもう一緒にやっていけないから別居する」と言って家を出て、そのアパートに住むようになりました。直に不倫相手の女性も半同棲のような形になりました。

離婚を求めても、妻はなかなか「うん」とは言いませんでした。そこで、Aさんは、市役所でもらってきた離婚届に妻の署名欄も含めて全部書き、勝手に役所に届け出てしまったのです。

その1か月後、Aさんは同棲していた不倫相手と婚姻届を出し、夫婦として暮らし始めました。

露呈した「無効な離婚」と巨額の請求

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

3か月後、Aさんの元に裁判所から封筒が届きました。

封を開けると、それは訴状でした。訴えたのは元の妻でした。弁護士がついているようでした。書面には「離婚無効確認請求」と書かれていました。びっくりして読み進めていくと、元の妻が無断で離婚届を出されていたことを知り、自分の承諾がない離婚は無効だと主張していることがわかりました。

Aさんは急いで弁護士に相談しました。弁護士からは「勝つのは難しい」と言われましたが、代理についてもらいました。しかし、弁護士が言うとおり、裁判所は「離婚は無効」という判決を下しました。

そして、そこで終わりませんでした。さらに妻から、今度はAさんに対する離婚請求と慰謝料請求、今の妻に対する慰謝料請求の訴訟が起こされたのです。慰謝料の請求額は1,000万円でした。不倫の果てに無断で離婚届を出したことに対する重い責任が追及されていました。

Aさんは離婚裁判や慰謝料請求の裁判に負けて、慰謝料を500万円取られることになったほか、財産分与で300万円を支払う羽目になりました。Aさんの財産はわずかな預金だけになってしまいました。今の妻も裁判に負け、慰謝料を200万円支払うこととなりました。

夢に見た「新しい妻」との新生活

それでも結局元の妻とは離婚できたので、これからは今の妻と仲良くやっていこうと、Aさんは気持ちを切り替えました。

しかし、今の妻は怒り心頭でした。まさか、離婚届を偽造して元の妻と別れていたなんて思ってもいなかったからです。

今の妻から離婚を切り出され、Aさんは応じざるを得ませんでした。

ひとりになってしまったAさんは、今もアパートで寂しく暮らしているのでした。

勝手な離婚届提出は犯罪!正当な法的手段で新たな道を歩もう

妻との話し合いが難航しても、無断で署名や押印を行った離婚届の提出は「有印私文書偽造罪」に問われる違法行為であり、裁判により離婚自体が無効と判定されます。

さらに不貞行為や勝手な離婚強行は不法行為として追及され、多額の慰謝料(配偶者・不倫相手双方への請求)や財産分与を背負うことになり、結果として再婚相手からの信頼も完全に失う恐れがあります。

夫婦関係が破綻し別の道を望む場合は、安易なリセットに走らず、協議や調停・裁判といった正当な法的ステップを踏み、トラブルが深刻化する前に弁護士へ相談しましょう。


※本記事は、実際に起こった事例に基づき、再構成したものです。登場人物の名称や細かな設定は、プライバシー保護のため加工されています。

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