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「そんな…」父の金庫から“1kgの金地金”を発見した50代娘、相場は2,200万円のはずが…買取店で告げられた一言に“絶句したワケ”

  • 2026.10.6
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関でマネージャーを務めながら、日々お金に関するご相談に向き合っている中川です。

今回ご紹介するのは、父の遺品から金の延べ棒が見つかった50代のAさんの体験談です。

「金の相場に重さを掛ければ、その金額で売れるはず」

そう考えていたAさんでしたが、実際に提示された買取額は、計算していた金額とは違っていました。

なぜ、金の相場と実際の買取額には差が出るのでしょうか。今回は、金を売る前に知っておきたいポイントをご紹介します。

金庫の奥にあった1キロの延べ棒

父を亡くしたAさん(50代)は、実家の金庫を開けました。

出てきたのは、布に包まれた金の延べ棒です。重さは1キロ。父が30年ほど前に買ったものでした。

当時の価格は1グラムあたり1,500円ほど。150万円前後で買った計算になります。

Aさんは新聞で金の相場を調べました。1グラム2万2,000円台です。

「1キロなら、2,200万円ということですか」

Aさんは延べ棒を持って、買取店に向かいました。

「この刻印ですと、そのままの価格では」

査定に出すと、鑑定士は延べ棒を手に取り、刻印を確かめました。

そして、こう告げます。

「この製品ですと、相場の価格から調整させていただくことになります」

Aさんは絶句しました。

「刻印で、そんなに変わるのですか…」

金の延べ棒には、製造した会社名と重さ、純度の刻印があります。買取会社が指定するブランドで、純度や重さの刻印を確認できる地金であれば、公表されている買取価格がそのまま基準になります。

一方、指定外のブランドや、刻印を確認できないものは、買取価格を減らされたり、買取そのものを断られたりすることがあります。扱いは買取会社によって異なります。

相場の価格は「小売」と「買取」で違う

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

担当者の説明は、もうひとつありました。

新聞やニュースで見る金の価格には、買うときの「小売価格」と、売るときの「買取価格」があります。同じ日でも、この2つには差があります。

2026年9月29日の三菱マテリアルの公表価格では、小売23,096円、買取22,751円(いずれも1グラムあたり)でした。1キロなら、34万5,000円ほどの差になります。

さらに、重さによっては手数料がかかります。田中貴金属の場合、売却は1件あたりの合計重量が500グラム以上なら手数料は不要ですが、100グラム以上500グラム未満では16,500円(税込)がかかります。

「まとめて売るか、分けて売るかでも変わるのですね」

1キロの延べ棒であれば、買取の手数料はかかりません。一方、小さな延べ棒を何本か持っている場合は、合計の重さによって手数料が変わります。

売る前に確かめたい4つのこと

Aさんは、その日は売らずに持ち帰りました。別の店でも査定を受けるためです。

金を売るときは、次の4つを確かめてください。

・刻印(製造した会社、重さ、純度)が読み取れるか
・その日の「買取価格」はいくらか
・手数料がいくら引かれるか
・売った利益に税金がかかるか

税金についても確認が要ります。売って利益が出た場合は譲渡所得です。所有していた期間が5年を超えていれば長期譲渡所得となり、特別控除50万円を引いたうえで、課税の対象になるのは2分の1です。

この50万円は、1件ごとではなく、その年の譲渡益を合わせて計算します。同じ年にほかのものを売って利益が出ていれば、その分も含めて考えます。

相続した金は、亡くなった人が買った日を引き継いで期間を数えます。買ったときの資料が残っていないと、取得費の計算で不利になります。

金は値上がりしていても、その分がそのまま手元に残るわけではありません。相場と提示額に差があるときは、その場で決めず、理由を聞いて複数の店で比べることが大切です。


執筆・監修:中川 佳人

金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。

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