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貯金1,800万円の50代夫婦→「奨学金を借りずに済みそう」と安心していたが…2年後、長女の大学進学で直面した“想定外の大誤算”

  • 2026.10.5
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。社会保険労務士でファイナンシャルプランナーの小泉です。

「子どもの教育費は、親が出してあげたい」。そう考える方は少なくないでしょう。58歳の夫婦も、1,800万円の貯金を見ながら「奨学金を借りずに済みそう」と安心していました。

ところが、長女の大学進学まであと2年となり、夫婦は家計を試算して青ざめます。「これだけ貯金があれば大丈夫」のはずが、“想定外の誤算”に気が付いたのです。

「奨学金は借りさせたくない」58歳夫婦の誤算

相談に来られたのは、夫58歳、妻56歳の会社員夫婦。長男は大学2年生、長女は高校2年生です。夫婦の貯金は1,800万円、住宅ローン残高は700万円でした。

夫婦には以前から、「子どもの教育費はできるだけ親が負担する」という考えがありました。長男は私立大学へ進学。しかも自宅外通学のため、学費とは別に毎月8万円を仕送りしています。

そんなある日、夫が通帳を眺めながら、ぽつり。

「長男だけでもかなりのお金が出ていきます。長女の大学まで考えると……老後のお金、残るのでしょうか」

ここで夫婦は初めて気づきます。

「教育費を払えるか」だけではなく、「教育費を払い終えたとき、いくら残っているのか」まで考える必要がある、と。

「大学費用」は授業料だけではない

教育費を考える際に注意したいのが、学校に納める費用以外の支出です。

文部科学省の「令和5年度子供の学習費調査」は、2024年12月に公表された後、数値の誤りが判明し、2026年1月16日に訂正され、高等学校(全日制)の学習費総額は、公立が年間約59万7,000円、私立が約117万9,000円となっています。ただし、この金額には学校教育費だけでなく、学校外活動費なども含まれています。「高校に通えば毎年この金額が必ずかかる」という意味ではありません。

大学も同様です。

令和7年度の私立大学(学部)の初年度学生納付金等は平均150万7,647円。授業料96万8,069円、入学料24万365円、施設設備費17万2,550円などです。

これは大学への納付金等であり、一人暮らしの家賃や食費、仕送り、通学費などは別です。つまり、「大学費用=授業料」だけで考えないことが重要です。

2年後、長女の進学。1,800万円あっても安心できない

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

夫婦は今後6年間の家計を試算しました。現在の貯金は1,800万円。仮に教育関連支出を合計600万円とすると、単純計算では1,200万円が残ります。

「1,200万円も残るなら大丈夫では?」そう考えそうになります。

しかし、その6年間にも住宅ローン、生活費、車の買い替え、住宅修繕などの支出があります。さらに夫は58歳。教育費が終わるころには64歳前後です。

「教育費が終わってから老後資金を貯めればいい」

そう考えていた夫婦でしたが、時間を逆算すると、老後資金の準備期間も十分に確保できない可能性が見えてきました。もちろん、教育費を親が負担すること自体が問題なのではありません。重要なのは、親自身の老後資金まで際限なく取り崩さないことです。

現在は、高等教育の修学支援新制度によって、一定の要件を満たす学生を対象に、授業料・入学金の減免や返還不要の給付型奨学金があります。また、令和7年度からは、一定の要件を満たす多子世帯について、所得制限なく、大学等の授業料・入学金が国の定める上限額まで減免されます。ただし、この夫婦には子どもが2人しかいないため、多子世帯向けの支援は利用できません。また、制度には対象校や学業要件、資産要件などもあります。「制度があるから大丈夫」と考えるのも、「教育費はすべて親が払う」と決めるのも、どちらも慎重に考える必要があります。

夫婦が最後に決めたのは、「親が負担する教育費に上限を設ける」ことでした。

夫はこう話します。「子どものためにお金を使うのは惜しくありません。でも、将来、生活費が足りなくなって子どもに助けてもらうことになったら、本末転倒ですよね」

教育費は、ある程度支出時期を見通せます。一方、老後が何年続くのか、医療や介護にいくら必要になるのかは分かりません。だからこそ、「子どもにどこまでしてあげるか」だけでなく、「自分たちの老後にいくら残すのか」も同時に考える必要があります。

教育費の上限を決め、老後資金を別枠で確保する。

子どものためのお金と、自分たちの老後を守るお金。その両方を考えることが、結果的に子どもへ将来の負担を残さない家計管理につながるのではないでしょうか。


執筆・監修:小泉@社労士ライター

20年以上の社労士経験を通じて、多くの相談者から「こんな制度があるとは知らなかった」「もっと早く相談しておけばよかった」という声を聞いてきた経験から、専門知識を、必要とする人に、正しく、わかりやすく届けることを大切にしている。社会保険・労働保険、公的年金をはじめ、暮らしや仕事に関わる制度について、専門家としての正確性と、生活者目線のわかりやすさを両立した情報を執筆・発信。保有資格は、社会保険労務士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引士など。

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