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「出し忘れただけなのよ」ポイントカードを出し忘れた客が譲らず10分。だが、店長が最後まで変えなかった対応

  • 2026.9.20

会計のあとで出てきたポイントカード

1年前の夕方、仕事帰りに近所のスーパーでレジに並んでいたときのことだ。かごには牛乳とパンだけで、すぐに帰れるはずだった。

私の前にいた60代くらいの女性客は、支払いを済ませてレシートを受け取ったあと、財布の中を見て「あっ」と声を上げた。

そしてポイントカードを取り出すと、若い女性店員さんに差し出した。

「ごめんなさい、これ出すの忘れちゃった。今から付けてもらえる?」

店員さんは少し困ったような表情を浮かべ、頭を下げた。

「申し訳ありません。ポイントカードは、お会計のときに出していただく決まりなんです。あとからお付けすることはできなくて……」

すると女性客は、思わず聞き返すように声を上げた。

「え? だって今払ったばっかりよ。まだここにいるんだから、いいじゃない」

「そうですよね。ただ、お会計が終わったあとはこちらではお付けできない決まりなんです。申し訳ありません」

「出し忘れただけなのよ? それくらい何とかならないの?」

店員さんは何度も頭を下げたが、女性客は財布をカウンターに置いたまま、その場を動こうとしなかった。

「じゃあ、一回取り消してやり直したらいいじゃない。ポイント付けてくれれば、それで済むんだから」

「すみません。私では判断できないので、責任者を呼びますね」

店員さんはそう言って応援を頼んだが、女性客の不満は収まらなかった。

「後から付けてって言ってるだけなのに。こんなことで、どうしてこんなに時間がかかるの?」

気づけば、最初のやり取りから10分以上がたっていた。私の後ろには5人ほどの列ができ、誰かの小さなため息が聞こえた。

私も何か言う勇気はなく、ただ自分のかごの中を見つめていた。

レシートの裏に書かれていた一文

やがて奥から店長がやってきた。店員さんから事情を聞くと、女性客に向かって頭を下げた。

「お待たせして申し訳ありません。ポイントカードを出し忘れてしまったんですね」

「そうなのよ。今さっき払ったばかりなのに、付けられないって言うの」

「そうでしたか。レシートを少し見せていただいてもよろしいですか」

女性客がレシートを渡すと、店長はそれを裏返した。

そして下のほうに印字された案内を指で示し、女性客にも見えるように差し出した。

そこには、会計時にポイントカードを提示した場合にポイントを付与するという内容が書かれていた。

「こちらにもご案内があるのですが、ポイントはお会計のときにカードを出していただくことになっているんです」

女性客は納得できない様子で眉を寄せた。

「でも、本当に今払ったばかりなのよ。まだ数分しかたってないじゃない」

「はい。すぐお気づきになったのに、と思いますよね。ただ、皆さま同じルールでお願いしているので、今回だけ後からお付けすることはできないんです」

「一回くらい、いいじゃない」

店長は少し間を置いてから、もう一度頭を下げた。

「申し訳ありません。今回はポイントをお付けできません。次のお会計から、カードを先に出していただければと思います」

強い口調ではなかったが、店長はそこで線を引いた。

その間に、近くにいた別の店員さんが隣のレジを開けた。店長も列のほうへ振り向き、声をかけた。

「長らくお待たせして申し訳ありません。お次のお客様から、こちらのレジもご利用ください」

後ろにいた人たちが、静かに隣のレジへ移っていった。

女性客はしばらくレシートを見つめていたが、やがて小さく息を吐いた。

「……分かったわ。次から気をつける」

そう言ってカードを財布にしまうと、買い物袋を持って自動ドアのほうへ歩いていった。

女性客が離れたあと、若い店員さんはようやく肩の力を抜いたように見えた。

そして私のかごを引き寄せると、申し訳なさそうに笑った。

「大変お待たせしました」

「いえ、大丈夫ですよ」

そう返すと、店員さんは小さく「ありがとうございます」と言って、牛乳をスキャンした。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた20代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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