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「プロなら見れば分かるだろ」髪の長さを確認した私に怒り出した客。だが、店長が間に入って伝えたこと

  • 2026.9.20
「プロなら見れば分かるだろ」髪の長さを確認した私に怒り出した客。だが、店長が間に入って伝えたこと

長さを確認すると、男性の表情が変わった

30代になったばかりのころ、私は格安のカット専門店で美容師をしていた。

予約を取らず、来店した順に案内する店で、平日の夕方になると待合の椅子が埋まることも珍しくなかった。

その日、私の席に座ったのは50代くらいの男性だった。

ケープを掛け、鏡越しに顔を確認しながら、いつものように希望を聞いた。

「今日は、どれくらい短くしましょうか?」

すると男性は少し間を置き、怪訝そうな顔で私を見た。

「いつも来てるんだから、見れば分かるだろ」

思いがけない返事に戸惑った。ただ、こちらの判断だけで長さを決めて切るわけにもいかない。

「すみません。どのくらい切るかだけ、確認させていただけますか?」

そう聞き直すと、男性はさらに声を強めた。

「こっちはプロに任せようと思って座ってるんだから」

「申し訳ありません。ご希望と違う長さになるといけないので…」

「いちいち客に聞かなきゃ切れないのか?それじゃ美容師失格だろ」

店内に男性の声が響き、待合にいたお客さまもこちらを振り返った。

何を言っても余計に怒らせてしまいそうで、私ははさみを持ったまま言葉に詰まった。

隣の席にいた店長が間に入った

隣の席では、店長が別のお客さまをカットしていた。

やり取りが聞こえていたようで、そのお客さまにひと言断ってはさみを置き、こちらへ来てくれた。

「お客様、少しよろしいでしょうか」

店長は男性を責めるような口調ではなく、落ち着いた声で話した。

「うちでは、必ず切る前に長さを確認することにしているんです」

男性は納得できない様子で店長を見る。

「プロなんだから、そのくらい見て決められるだろ」

店長は少し間を置いて答えた。

「もちろん髪の状態は見ます。ただ、同じ『短く』でも、人によってイメージが違いますから。そこだけは確認させてください」

男性は黙ったまま鏡を見た。

店長はさらに穏やかな口調で続けた。

「特にご希望がなければ、今の長さから1センチほど整える形でも大丈夫ですよ」

しばらくして、男性が小さく息を吐いた。

「……じゃあ、それでいいよ」

「かしこまりました」

私はようやくはさみを動かし始めた。

それから男性は、カットが終わるまでほとんど話さなかった。

「聞いてくれてよかったよ」

閉店後、床に落ちた髪を掃いていると、受付にいた同僚が心配そうに声をかけてきた。

「さっき大丈夫だった?急に声が大きくなったから、びっくりしたよ」

私はほうきを動かしながら苦笑いした。

「うん。『どれくらい短くしますか』って聞いただけだったんだけどね」

「それであんなに怒ってたの?」

「私も途中で、何か変な聞き方したかなって分からなくなっちゃった」

すると、そばで道具を片づけていた店長がこちらを振り返った。

「いや、ちゃんと聞いてくれてよかったよ」

そして少し笑った。

「こっちで勝手に決めて切って、『こんなに短くするつもりじゃなかった』ってなるほうが困るからね」

その言葉を聞いて、ようやく肩の力が抜けた。

相手が不機嫌になると、自分の対応が間違っていたのではないかと不安になることもある。それでも、確認すべきことを確認するのは、お互いの行き違いを防ぐために必要なのだと改めて感じた出来事だった。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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