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不良高校の頂点を目指すため、弁当を作る!? 胃袋を掴んで成り上がる異色のヤンキー×グルメコメディ『大盛り!成り上がり飯』【書評】

  • 2026.9.14

【漫画】本編を読む

不良高校を舞台にしたヤンキー漫画と聞くと、誰もが熱いバトル(ケンカ)を思い浮かべるはずだ。しかし『大盛り!成り上がり飯』(奥嶋ひろまさ/新潮社)は、そのイメージを気持ちよく裏切るヤンキー×グルメコメディである。2026年7月9日に最終巻となる第2巻が発売された。

舞台は、ケンカに自信のある不良生徒たちが頂点を目指し争っている王森高校。主人公で1年生のレオも、入学早々クラスメイトと派手な乱闘を繰り広げていた。そこに現れたのが、2年生の頭を張っているもうひとりの主人公・ケニー。王森高校のてっぺんを狙うレオは、彼を倒せば一気に頂点へ近づけると勝負を挑む。ところが、ケニーが取り出した「武器」は拳でも凶器でもなく、色鮮やかなおかずがぎっしりと詰まった手作りの弁当だった。

朝5時に起き、クラスメイトの分まで大量の弁当を作ってきたケニー。タコさんウインナーや甘い卵焼きといった家庭的なおかずが詰め込まれた弁当を振る舞うと、殺気立っていた不良たちは見る見るうちに骨抜きになっていく。そしてケニーは、「全生徒の胃袋を掴んで王森高校のママになる」という、とんでもない野望を掲げる。ただひとり弁当に手をつけなかったレオは、ケニーに勝負を挑むことを決意する。

血気盛んなヤンキーと、ほっこりしたグルメという要素の組み合わせがとにかく愉快だ。料理を「武器」と呼び、タコさんウインナーの美味しさを地球侵略級の衝撃などと表現するといった、ケンカ漫画顔負けの熱量で料理バトルが描かれ、その落差がたまらない。「飯は誰かと食べた方が美味い」というケニーの言葉からは、料理を通して人とつながろうとする彼の人柄もしっかり伝わってくる。

どれだけ凄んでいた不良も、美味しいご飯の前ではただの腹を空かせた高校生だ。彼らの愛すべきギャップと勢いに笑いながら、彼らを陥落させる次の料理が楽しみになる。ケニーの作る料理はどんな結末をもたらすのか、ぜひ最後まで見届けてほしい。

文=ゆくり

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