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「家族なんだから、そんな細かいこと言うなよ」1年近く返ってこなかった2万円。だが、我慢出来なかった私がとった行動とは

  • 2026.9.14

「来月には返すから」と言われたまま1年が過ぎた

兄は昔から少しルーズなところがあったが、困っていると聞けば放っておけなかった。

三年前の秋、「どうしても今月だけ足りない」と頼まれ、私は2万円を貸した。

封筒を受け取った兄は、申し訳なさそうに言った。

「悪いな。来月にはちゃんと返すから」

「うん。分かった」

「ほんと助かった。ありがとう」

兄弟なのだから、細かく期限まで決めなくても大丈夫だろう。私もそのときはそう思っていた。

ところが翌月になっても、兄から返済の話は出なかった。

「この前の2万円、どうする?」

私が聞くと、兄は少し困った顔をした。

「ごめん。今月ちょっと厳しくてさ。もう少し待ってくれない?」

「分かった。じゃあ、返せそうになったら教えて」

「うん。ちゃんと覚えてるから」

その後も、聞けば「もう少し待って」「次には返す」と言われた。けれど約束だけが延びていき、気づけば1年近くたっていた。

2万円という金額以上に、こちらから聞かなければ何も言わないことが、だんだん引っかかるようになっていた。

何度も催促したくなかった

ある日の夕方、実家に寄ると兄も来ていた。二人きりになったところで、私はもう一度お金の話をした。

「ねえ、2万円のことなんだけど。そろそろ返してほしい」

兄はスマートフォンから顔を上げた。

「分かってるよ。でも急に言われても困るって」

「急じゃないよ。もう1年近いよ」

私がそう返すと、兄は面倒そうに息を吐いた。

「家族なんだから、そんな細かいこと言うなよ」

その言葉に、思わず黙った。

「細かいことを言いたいんじゃないよ。いつ返せるのか知りたいだけ」

「だからさ、家族なんだから、そんな細かいこと言うなよ」

同じ言葉をもう一度聞いて、私はそれ以上言い合うのをやめた。

怒っても、また返す時期が曖昧になるだけだと思った。

次に実家で会ったとき、私は兄に小さな紙を一枚渡した。書いたのは「2万円」という金額と、返済日の欄だけだった。

「これ、何?」

「返せる日を書いてほしい。何度も私から聞くの、もう嫌なんだ」

兄は少し黙った。

「今日決めないとだめ?」

「今日じゃなくていいよ。決まったら教えて」

兄は紙を二つに折り、ポケットに入れた。

月が変わってすぐ、兄から連絡が来た。

「この前の紙、日付書いた。今月の給料日の次の日に返すよ」

「分かった。じゃあ、その日で」

今度は、その約束が延びることはなかった。

約束の日、実家で会った兄は封筒を差し出した。

「遅くなって悪かった」

「うん。ありがとう」

中には2万円と、あの紙が入っていた。返済日の欄には、約束した日付が兄の字で書かれていた。

私はそれ以上、兄を責めなかった。母にも、この貸し借りについては話していない。

ただ、家族だからこそ曖昧にしないほうがいいこともあるのだと、あの2万円のことで初めて実感した。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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